ポート Research Memo(3):2021年3月期は先行投資により減益となるも、売上高は前期比14.6%増で着地
[21/06/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2021年3月期業績の概要
ポート<7047>の2021年3月期の連結業績は、売上高が4,704百万円(前期比14.6%増)、EBITDAが188百万円(同76.2%減)、営業損失が66百万円(前期は699百万円の利益)、経常損失が62百万円(同708百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が52百万円(同382百万円の利益)となった。第2四半期以降順調に売上高を伸ばしており、下期においてはコロナ禍でありながらも高い成長率を実現した。この結果、2021年3月11日に上方修正した業績予想に対しても、売上高は2.3%増、EBITDAは下限予想に対し88.0%増、営業利益以下の利益指標についても業績予想のレンジ内に着地した。なお、同社はM&Aを重要な経営方針の1つとして掲げており、のれん償却額の影響を考慮するためEBITDAを重要指標としている。
(1) 就職領域
就職領域では、「キャリアパーク!」「就活会議」「キャリアパーク!就職エージェント」を通じて就活生向けに体系的・網羅的な情報を発信することにより人材会社や求人会社に送客することから、企業の採用意欲や雇用情勢と密接に結び付いている。2021年3月期はコロナ禍の影響により上期は減益となったものの、採用ニーズの回復及びオンライン就活への移行等を背景に、第3四半期より前年同水準に回復し、第4四半期の売上高は前年同四半期比5.3%増の成長トレンドとなっている。この結果、2021年3月期の売上高は前期比7.3%減の1,471百万円となった。なお、動画コンテンツの作成や新規企業開拓広告宣伝などを行った結果、マーケットシェア率※は71%となっている。
※大学進学者数を約60万人として同社が算出した数値。(出所:厚生労働省 大学進学者数等の将来推計について)
なお、2021年3月期に同社が取り組んだ投資としては、動画コンテンツや就職診断コンテンツ作成などのコンテンツ投資、新規企業開拓広告宣伝などのアカウント投資、レコメンドエンジンやデータ解析プラットフォーム開発などのシステム投資が挙げられる。
(2) リフォーム領域
リフォーム領域では、「外壁塗装の窓口」を通じて住宅の外壁塗装に関する情報を発信することで施工業者とマッチングさせることから、住宅購入需要やリフォーム需要の影響を受ける。2021年3月期は、コロナ禍にあたって外出自粛などの影響により住環境への投資意識があがったことによるリフォーム需要の増加や、対面型の営業自粛等によるネット申込の増加を受けて好調に推移し、第4四半期の売上高は前年同四半期比25.0%増、通期では688百万円※となった。
※2020年8月からの売上計上。
2021年3月期に同社が取り組んだ投資としては、オリジナルコンテンツ作成などのコンテンツ投資、新商流のR&Dなどのアカウント投資、顧客管理システム開発やマッチングオペレーション強化などのシステム投資が挙げられるが、これらの投資の結果、送客数は前年同四半期比28%増、累計加盟店数は同15%増、成約契約数は同19%増と、各KPIで好調な成果をあげている。なお、広告運用ナレッジが蓄積してきているため、今後はより一層効率的にユーザーの獲得が期待できると弊社では見ている。
(3) カードローン領域
カードローン領域は、カードローン情報サイト「マネット」を通じてカードローン利用における役立つ情報を発信することで消費者金融機関に送客することから、個人の消費意欲の影響を受ける。2021年3月期はコロナ禍により消費減退の影響を受けるも、第3四半期より進めている積極的な広告投資によって顧客予算を獲得し、第4四半期の売上高は前年同四半期比28.3%増、通期では前期比6.5%増の1,743百万円となった。なお、2021年3月期第2四半期より3四半期連続で前年同四半期比が増加していることから、足元のモメンタムは良好と言える。
2021年3月期に同社が取り組んだ投資としては、アライアンスメディア拡充などのコンテンツ投資、マッチング効率改善などのシステム投資が挙げられる。この結果、顧客の予算シェアを順調に獲得でき、第4四半期の送客数は前年同四半期比33%増となった。
(4) その他領域
その他領域では、オンライン診療プラットフォームの「ポートメディカル」や、フリーランスエンジニアマッチングサービスの「Futurizm」などを展開している。2021年3月期は、リーガルメディアの売却等の影響により、売上高は前期比8.9%減の801百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<NB>
1. 2021年3月期業績の概要
ポート<7047>の2021年3月期の連結業績は、売上高が4,704百万円(前期比14.6%増)、EBITDAが188百万円(同76.2%減)、営業損失が66百万円(前期は699百万円の利益)、経常損失が62百万円(同708百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が52百万円(同382百万円の利益)となった。第2四半期以降順調に売上高を伸ばしており、下期においてはコロナ禍でありながらも高い成長率を実現した。この結果、2021年3月11日に上方修正した業績予想に対しても、売上高は2.3%増、EBITDAは下限予想に対し88.0%増、営業利益以下の利益指標についても業績予想のレンジ内に着地した。なお、同社はM&Aを重要な経営方針の1つとして掲げており、のれん償却額の影響を考慮するためEBITDAを重要指標としている。
(1) 就職領域
就職領域では、「キャリアパーク!」「就活会議」「キャリアパーク!就職エージェント」を通じて就活生向けに体系的・網羅的な情報を発信することにより人材会社や求人会社に送客することから、企業の採用意欲や雇用情勢と密接に結び付いている。2021年3月期はコロナ禍の影響により上期は減益となったものの、採用ニーズの回復及びオンライン就活への移行等を背景に、第3四半期より前年同水準に回復し、第4四半期の売上高は前年同四半期比5.3%増の成長トレンドとなっている。この結果、2021年3月期の売上高は前期比7.3%減の1,471百万円となった。なお、動画コンテンツの作成や新規企業開拓広告宣伝などを行った結果、マーケットシェア率※は71%となっている。
※大学進学者数を約60万人として同社が算出した数値。(出所:厚生労働省 大学進学者数等の将来推計について)
なお、2021年3月期に同社が取り組んだ投資としては、動画コンテンツや就職診断コンテンツ作成などのコンテンツ投資、新規企業開拓広告宣伝などのアカウント投資、レコメンドエンジンやデータ解析プラットフォーム開発などのシステム投資が挙げられる。
(2) リフォーム領域
リフォーム領域では、「外壁塗装の窓口」を通じて住宅の外壁塗装に関する情報を発信することで施工業者とマッチングさせることから、住宅購入需要やリフォーム需要の影響を受ける。2021年3月期は、コロナ禍にあたって外出自粛などの影響により住環境への投資意識があがったことによるリフォーム需要の増加や、対面型の営業自粛等によるネット申込の増加を受けて好調に推移し、第4四半期の売上高は前年同四半期比25.0%増、通期では688百万円※となった。
※2020年8月からの売上計上。
2021年3月期に同社が取り組んだ投資としては、オリジナルコンテンツ作成などのコンテンツ投資、新商流のR&Dなどのアカウント投資、顧客管理システム開発やマッチングオペレーション強化などのシステム投資が挙げられるが、これらの投資の結果、送客数は前年同四半期比28%増、累計加盟店数は同15%増、成約契約数は同19%増と、各KPIで好調な成果をあげている。なお、広告運用ナレッジが蓄積してきているため、今後はより一層効率的にユーザーの獲得が期待できると弊社では見ている。
(3) カードローン領域
カードローン領域は、カードローン情報サイト「マネット」を通じてカードローン利用における役立つ情報を発信することで消費者金融機関に送客することから、個人の消費意欲の影響を受ける。2021年3月期はコロナ禍により消費減退の影響を受けるも、第3四半期より進めている積極的な広告投資によって顧客予算を獲得し、第4四半期の売上高は前年同四半期比28.3%増、通期では前期比6.5%増の1,743百万円となった。なお、2021年3月期第2四半期より3四半期連続で前年同四半期比が増加していることから、足元のモメンタムは良好と言える。
2021年3月期に同社が取り組んだ投資としては、アライアンスメディア拡充などのコンテンツ投資、マッチング効率改善などのシステム投資が挙げられる。この結果、顧客の予算シェアを順調に獲得でき、第4四半期の送客数は前年同四半期比33%増となった。
(4) その他領域
その他領域では、オンライン診療プラットフォームの「ポートメディカル」や、フリーランスエンジニアマッチングサービスの「Futurizm」などを展開している。2021年3月期は、リーガルメディアの売却等の影響により、売上高は前期比8.9%減の801百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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