ポート Research Memo(5):2022年3月期の各KPIは好調に推移しており利益の積み上げが継続される見込み
[21/06/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2022年3月期業績の見通し
ポート<7047>の2022年3月期の連結業績見通しについては、売上高が7,000百万円〜7,500百万円(前期比48.8%増〜59.4%増)、EBITDAが500百万円〜900百万円(同164.7%増〜376.5%増)、営業利益が400百万円〜700百万円、税引前利益が400百万円〜700百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が300百万円〜500百万円と予想している。コロナ禍の影響による不確実性のある状況を鑑み、予想値をレンジで公表している。既述のとおり、各セグメントで売上高・利益ともに成長時期にあることを考慮すると、通期予想の達成確度は高いと言える。加えて、これまで上場後の業績予想を3期連続で高い達成率を実現していることを考慮すると、レンジの上限付近もしくは上限を超える好業績も期待できると弊社では見ている。
投資を進めるなか、主力3領域の成長性は確実に高まっている。目先は投資負担が損益をやや圧迫するが、下期以降には利益の積み上げが徐々に進むと弊社では予想している。
2. 就職領域
コロナ禍によって採用支援市場は低下傾向にあったものの足元では回復基調にあること、また、有効求人倍卒からも企業の採用意欲の回復が見て取れることから、2022年3月期の採用支援事業は一定回復すると同社では見込んでいる。一方、同社が提供しているコンテンツはストック収益型モデルであること、そして流行に左右されないコンテンツをメインとしていることから、コンテンツ作成への投資は直接的に収益に結びつくことが予想される。外部環境としては、ユーザー側ではデジタル媒体を通じた情報収集が進んでいること、企業側ではオンライン採用やオンライン説明会が増加傾向にあることからも、就職領域の成長ポテンシャルは拡大していると言える。加えて、2021年5月には人材関連サービスを手掛けるキャリアバンク(株)と業務提携し、送客先の拡大に向けて人材紹介会社向け送客支援で連携すると発表した。キャリアバンクは、全国約4,000社の中堅、中小規模の人材紹介会社とのネットワークを保有しており、求人企業のデータベースを提供することで、人材紹介会社が効率的に事業展開できるプラットフォームを構築している。これにより、同社は課題となっている「送客先数」を大きく増やせると弊社では見ている。これらを踏まえて同社は、2022年3月卒業予定の新卒会員数は前年同期比8%増の46万人、2023年3月卒業予定の新卒会員数は同16.6%増の28.8万人を目指す。
また、これらの社内にストックされた資産を活用し、就職領域では人材紹介サービスにも注力していく方針だ。「キャリアパーク!」「就活会議」を通じて獲得した豊富な会員数により顧客基盤は十分であることから、人材紹介先の拡充及び就職アドバイザーにあたるマッチング担当の増強により、Web送客に次ぐ就職領域の第二の収益基盤として一層成長させていく。これらを背景に、今後も増収増益基調が続くと弊社では予想している。
これらの結果、獲得した会員や顧客資産を活用することで、2022年3月期は売上高で前期比71.0%増〜74.8%増の2,516百万円〜2,572百万円を見込んでいる。
3. リフォーム領域
2022年3月期は、送客先となる加盟店数の開拓に注力し、ユーザーの選択肢を豊富にすることで成約率向上につなげる方針だ。併せて、施工業者の成約プロセスに一部参入することで、業務効率を改善するなどDX化も推進していく。直近では、(一社)一人親方労災保険組合と業務提携し、送客先を大きく拡大させている。一人親方とは、労働者を雇用せず、個人で仕事を請け負っている施工業者であり、同社にとっては主要な顧客層となる。今後は一人親方労災保険組合の組合員ネットワークを活用することで、大規模かつ効率的なマッチングを強化する。リフォーム領域はインターネットによる情報収集、申込が普及しつつあることからさらなる送客数が期待できるため、2022年3月期は売上高で前期比43.0%増〜60.3%増※の1,446百万円〜1,621百万円、成約契約数で同41%〜56%増を目標としている。就職領域と同様に、2022年3月期以降はコンテンツの資産化とマッチングオペレーションの強化を通じて、収益性の大幅な拡大が期待できると弊社では見ている。
※年間売上対比による数値。
4. カードローン領域
2022年3月期は、引き続き顧客の予算シェアを獲得し、アライアンス拡大やマッチング投資を推進することで、売上高で前期比33.3%増〜43.4%増の2,323百万円〜2,500百万円を目指す。
なお同社は、金利の一層の低下やスマートフォン申込の普及など、市場環境の状況によってはさらなる拡大が見込めるとしている。また、直近の緊急事態宣言発出下においても消費者動向指数は安定していることから、少なくとも前年比では市場は回復するものと予想している。
5. その他領域
2022年3月期は、フリーランス支援サービスを主軸に、売上高で前期比12.6%減〜3.0%増の700百万円〜825百万円を見込んでいる。コロナ禍によってオンライン診療が浸透しつつあること、ITエンジニアが供給不足になっている現状から、同領域が展開している「ポートメディカル」「Futurizm」の需要は高まると弊社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<NB>
1. 2022年3月期業績の見通し
ポート<7047>の2022年3月期の連結業績見通しについては、売上高が7,000百万円〜7,500百万円(前期比48.8%増〜59.4%増)、EBITDAが500百万円〜900百万円(同164.7%増〜376.5%増)、営業利益が400百万円〜700百万円、税引前利益が400百万円〜700百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が300百万円〜500百万円と予想している。コロナ禍の影響による不確実性のある状況を鑑み、予想値をレンジで公表している。既述のとおり、各セグメントで売上高・利益ともに成長時期にあることを考慮すると、通期予想の達成確度は高いと言える。加えて、これまで上場後の業績予想を3期連続で高い達成率を実現していることを考慮すると、レンジの上限付近もしくは上限を超える好業績も期待できると弊社では見ている。
投資を進めるなか、主力3領域の成長性は確実に高まっている。目先は投資負担が損益をやや圧迫するが、下期以降には利益の積み上げが徐々に進むと弊社では予想している。
2. 就職領域
コロナ禍によって採用支援市場は低下傾向にあったものの足元では回復基調にあること、また、有効求人倍卒からも企業の採用意欲の回復が見て取れることから、2022年3月期の採用支援事業は一定回復すると同社では見込んでいる。一方、同社が提供しているコンテンツはストック収益型モデルであること、そして流行に左右されないコンテンツをメインとしていることから、コンテンツ作成への投資は直接的に収益に結びつくことが予想される。外部環境としては、ユーザー側ではデジタル媒体を通じた情報収集が進んでいること、企業側ではオンライン採用やオンライン説明会が増加傾向にあることからも、就職領域の成長ポテンシャルは拡大していると言える。加えて、2021年5月には人材関連サービスを手掛けるキャリアバンク(株)と業務提携し、送客先の拡大に向けて人材紹介会社向け送客支援で連携すると発表した。キャリアバンクは、全国約4,000社の中堅、中小規模の人材紹介会社とのネットワークを保有しており、求人企業のデータベースを提供することで、人材紹介会社が効率的に事業展開できるプラットフォームを構築している。これにより、同社は課題となっている「送客先数」を大きく増やせると弊社では見ている。これらを踏まえて同社は、2022年3月卒業予定の新卒会員数は前年同期比8%増の46万人、2023年3月卒業予定の新卒会員数は同16.6%増の28.8万人を目指す。
また、これらの社内にストックされた資産を活用し、就職領域では人材紹介サービスにも注力していく方針だ。「キャリアパーク!」「就活会議」を通じて獲得した豊富な会員数により顧客基盤は十分であることから、人材紹介先の拡充及び就職アドバイザーにあたるマッチング担当の増強により、Web送客に次ぐ就職領域の第二の収益基盤として一層成長させていく。これらを背景に、今後も増収増益基調が続くと弊社では予想している。
これらの結果、獲得した会員や顧客資産を活用することで、2022年3月期は売上高で前期比71.0%増〜74.8%増の2,516百万円〜2,572百万円を見込んでいる。
3. リフォーム領域
2022年3月期は、送客先となる加盟店数の開拓に注力し、ユーザーの選択肢を豊富にすることで成約率向上につなげる方針だ。併せて、施工業者の成約プロセスに一部参入することで、業務効率を改善するなどDX化も推進していく。直近では、(一社)一人親方労災保険組合と業務提携し、送客先を大きく拡大させている。一人親方とは、労働者を雇用せず、個人で仕事を請け負っている施工業者であり、同社にとっては主要な顧客層となる。今後は一人親方労災保険組合の組合員ネットワークを活用することで、大規模かつ効率的なマッチングを強化する。リフォーム領域はインターネットによる情報収集、申込が普及しつつあることからさらなる送客数が期待できるため、2022年3月期は売上高で前期比43.0%増〜60.3%増※の1,446百万円〜1,621百万円、成約契約数で同41%〜56%増を目標としている。就職領域と同様に、2022年3月期以降はコンテンツの資産化とマッチングオペレーションの強化を通じて、収益性の大幅な拡大が期待できると弊社では見ている。
※年間売上対比による数値。
4. カードローン領域
2022年3月期は、引き続き顧客の予算シェアを獲得し、アライアンス拡大やマッチング投資を推進することで、売上高で前期比33.3%増〜43.4%増の2,323百万円〜2,500百万円を目指す。
なお同社は、金利の一層の低下やスマートフォン申込の普及など、市場環境の状況によってはさらなる拡大が見込めるとしている。また、直近の緊急事態宣言発出下においても消費者動向指数は安定していることから、少なくとも前年比では市場は回復するものと予想している。
5. その他領域
2022年3月期は、フリーランス支援サービスを主軸に、売上高で前期比12.6%減〜3.0%増の700百万円〜825百万円を見込んでいる。コロナ禍によってオンライン診療が浸透しつつあること、ITエンジニアが供給不足になっている現状から、同領域が展開している「ポートメディカル」「Futurizm」の需要は高まると弊社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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