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No.1 Research Memo(3):情報セキュリティのニーズが強まり、過去最高水準の業績に

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2021年2月期業績の概要
No.1<3562>の2021年2月期通期(2020年3月-2021年2月)の連結業績は、売上高で前期比34.3%増の11,838百万円、営業利益で同70.4%増の615百万円、経常利益で同82.1%増の697百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同51.3%増の403百万円と、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。

主力商品である情報セキュリティ機器に関する市場環境は、全産業のデジタル化が急速に進行するなか、サイバー攻撃が一層高度化、多様化し、特にIT人材が不足している中小企業の情報の危機管理に対するニーズが急速に高まった。これにより、主に中小企業のITやネットワークに関するサポートサービスの契約件数が増加した。

2. アレクソンとのシナジーを発揮
2020年7月から子会社となったアレクソンの豊富な商品ラインアップにより、情報セキュリティ商品の販売実績が伸長した。2021年2月期の既存顧客の契約継続率は92.5%と2020年2月期の94.1%から若干の低下が見られたが、新規顧客開拓を推進したことでアクティブユーザー数を伸ばすことに成功した。アクティブユーザー数は2020年2月期では14,405社であったのに対し、2021年2月期は14,770社である。契約継続率は依然として90%以上と高い水準であるため懸念する必要性は弱いと弊社は考える。アクティブユーザー数は直近4年間でおよそ500社ずつのペースで増加しており、アレクソンの技術力も加わったことから一層の増加が期待できると弊社は見る。

また、コロナ禍の影響を受け、これまで以上に中小企業が積極的にテレワークを導入し始めていることから、情報セキュリティ対策としてUTMをはじめとするアレクソンの製品販売が好調だ。アレクソンの子会社化によって提供する商品の付加価値が向上し、売上が拡大した。親和性の高い情報セキュリティ商材とネットワーク商材を複合販売できるようになったため、商品1台当たりの利益率が向上した。前期比では複合販売比率は45.4%から41.5%へとやや低下したものの、顧客企業1社当たりの平均売上高は62.6万円と4期連続で上昇している。UTMに加えてファイルサーバーとホームページ制作などを自社企画商品として提供できるようになったことが、付加価値向上につながっている。

3. Webマーケティングで顧客層拡大
Webマーケティングの積極的な推進が、法人・事業主向け、モバイルWi-Fiや同社の各種商品の販売増加に寄与した。モバイルWi-Fiに関しては、2020年2月期より販売台数が約10倍に成長した。Webマーケティングの推進により、大手企業や中小企業から引き合いが増加している。コロナ禍によるテレワークやオンライン授業のニーズ拡大も、教育機関や自治体などの顧客層拡大につながっている。コロナ禍によるビジネスチャンスを、Webマーケティングによって着実にストック収益の増加とインバウンド収益につなげている。

また、会社設立の準備や手続きをサポートするWeb相談窓口である「ミチシルベ」の運営を2021年1月14日に開始した。提携先の司法書士や税理士法人と連携した専門的な会計・ 労務アドバイスをはじめ、顧客が必要とする経営資源 (人・もの・カネ・情報)に応じて情報やサービスを提供している。新設法人にアプローチするポータルサイトとして認知度を高め、「No.1ビジネスサポート」への加入や情報セキュリティ機器の販売につなげている。

4. 財務状況
2021年2月期末の総資産は前期末比3,245百万円増加の7,090百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が443百万円、受取手形及び売掛金が890百万円ともに増加した。固定資産ではアレクソンの買収に関連してのれんが741百万円、土地が227百万円増加した。負債合計は前期末比2,757百万円増加の4,599百万円となった。増加の主な内訳は、長期借入金1,169百万円、支払手形及び買掛金552百万円、未払法人税等171百万円である。純資産は前期末比487百万円増加の2,490百万円となった。利益剰余金311百万円、資本剰余金73百万円の増加が寄与した。自己株式の取得が発表されていることから、ROEの向上が期待されると弊社は見る。

2021年2月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比443百万円増の1,780百万円だった。営業活動によるキャッシュ・フローは809百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローの支出1,797百万円を大きく下回った。アレクソンの買収資金に2,291百万円要したことがキャッシュアウトの主な要因だ。財務活動によるキャッシュ・フローは1,431百万円の収入となった。主な収入の要因は長期借入れによる収入の1,500百万円だった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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