JBR Research Memo(8):会員・保険事業で提携ネットワークを広げ、顧客基盤拡大による持続的な成長を目指す
[21/06/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ジャパンベストレスキューシステム<2453>の今後の見通し
2. 成長戦略について
(1) 会員事業の成長戦略
会員事業の成長戦略として、集合住宅やリフォーム市場を主要ターゲットとして展開してきた既存事業での安定成長に加え、今後は地域金融機関やクレジットカード会社など提携先を広げることによって対象市場を全世帯に広げ、会員数の積み上げを図っていく方針を打ち出している。これら提携先は豊富な顧客基盤を有しており、プロモーションコストを殆どかけずにこれら顧客にアプローチできることから、提携によるメリットは大きいと弊社では考えている。
また、既存市場での戦略として、「安心入居サポート」に関してはサブスク型への転換による離脱の防止、地方エリアでの販路拡大を進めていく。また、「あんしん修理サポート」ではリフォーム需要だけでなく、新築需要を取り込むことで会員数を伸ばしていく余地は依然大きい。「学生生活110番」に関しては、生協のない大学や専門学校への販路拡大による会員数の積み上げを図っていく。
(2) 保険事業の成長戦略
保険事業では家財保険を中心に既存商品を従来の販売ルートで拡大していくと同時に、新規市場での販売にも取り組んでいくこと、また、新たな保険商品を既存市場並びに新規市場で販売していくことで事業成長を目指していく。また、損害保険と少額短期保険の両方を持ち、企画開発力によって潜在的なニーズのある新たな保険商品を市場に投入し、また、提携先のネットワークを活用していくことで効率的な販売を推進していく戦略となっている。
「新規商品×既存市場」としては前述した不動産オーナーや管理会社向け商品として、家財保険(団体型)や火災保険などを、既存ルートを通じて販売していくことになる。また、「新規商品×新規市場」としては、今後販売予定の医療関保険が該当し、日本生命のネットワークを活用して販売していくことになる。また、セブン銀行ともコンビニエンスストアで販売可能な保険商品の開発を進めているが、まだ、具体的な商品化スケジュールまでは決まっておらず、しばらく時間が掛かる見通しだ。日本生命やセブン銀行は全国に幅広い販売ネットワークを持っていることから、ニーズの高い保険商品を開発すれば、一気に契約件数が伸びる可能性もあるだけに、今後の動向が注目される。
(3) 新規提携案件のスケジュール
現在、同社では新規提携案件として、地域金融機関やクレジットカード会社、保険会社、不動産会社等幅広い業界の企業と協議を進めている。なかでも、地域金融機関との取り組みは注目される。現在、18社と協議を進めている状況だが(1社は提携発表済み)、提携効果が確認されればそのほかの多くの地域金融機関もこぞって同様の取り組みを開始する可能性が高いためだ。もちろん、同じような商品やサービスを提供しているのは同社だけでなく競合他社もあるため、すべての金融機関が同社と提携するわけではないが、地方金融機関は業界再編の真っただ中にあり、収益力強化が課題となっている中で、会員サービスや保険商品など生活に身近な商品・サービスを豊富にラインアップしている同社は、提携先として魅力的に映ることは間違いない。このため、今後はこうした地域金融機関等の提携先の拡大によって、会員事業の収益が拡大していく可能性は高いと弊社では考えている。
(4) 次期ERPシステムの稼働による重層営業による売上拡大
同社では複数の事業部間で顧客の情報共有は行っているものの、各事業間での顧客管理システムが統一されていないことから、営業効率という点では課題が残っていた。ただ、これも現在、開発中の次期ERP(投資額は約5億円)の稼働によって解消される見込みだ。次期ERPでは、受注から販売、決済、顧客管理までグループのすべてのシステムが統一されるため、事業部間連携による重層営業の効果も一段と上がるものと期待される。稼働時期は2021年10月を予定している。このため、2022年9月期は減価償却費が1億円程度増加する見込みだが、ERP導入効果のほうが大きくなる見込みで、収益拡大により吸収できる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 成長戦略について
(1) 会員事業の成長戦略
会員事業の成長戦略として、集合住宅やリフォーム市場を主要ターゲットとして展開してきた既存事業での安定成長に加え、今後は地域金融機関やクレジットカード会社など提携先を広げることによって対象市場を全世帯に広げ、会員数の積み上げを図っていく方針を打ち出している。これら提携先は豊富な顧客基盤を有しており、プロモーションコストを殆どかけずにこれら顧客にアプローチできることから、提携によるメリットは大きいと弊社では考えている。
また、既存市場での戦略として、「安心入居サポート」に関してはサブスク型への転換による離脱の防止、地方エリアでの販路拡大を進めていく。また、「あんしん修理サポート」ではリフォーム需要だけでなく、新築需要を取り込むことで会員数を伸ばしていく余地は依然大きい。「学生生活110番」に関しては、生協のない大学や専門学校への販路拡大による会員数の積み上げを図っていく。
(2) 保険事業の成長戦略
保険事業では家財保険を中心に既存商品を従来の販売ルートで拡大していくと同時に、新規市場での販売にも取り組んでいくこと、また、新たな保険商品を既存市場並びに新規市場で販売していくことで事業成長を目指していく。また、損害保険と少額短期保険の両方を持ち、企画開発力によって潜在的なニーズのある新たな保険商品を市場に投入し、また、提携先のネットワークを活用していくことで効率的な販売を推進していく戦略となっている。
「新規商品×既存市場」としては前述した不動産オーナーや管理会社向け商品として、家財保険(団体型)や火災保険などを、既存ルートを通じて販売していくことになる。また、「新規商品×新規市場」としては、今後販売予定の医療関保険が該当し、日本生命のネットワークを活用して販売していくことになる。また、セブン銀行ともコンビニエンスストアで販売可能な保険商品の開発を進めているが、まだ、具体的な商品化スケジュールまでは決まっておらず、しばらく時間が掛かる見通しだ。日本生命やセブン銀行は全国に幅広い販売ネットワークを持っていることから、ニーズの高い保険商品を開発すれば、一気に契約件数が伸びる可能性もあるだけに、今後の動向が注目される。
(3) 新規提携案件のスケジュール
現在、同社では新規提携案件として、地域金融機関やクレジットカード会社、保険会社、不動産会社等幅広い業界の企業と協議を進めている。なかでも、地域金融機関との取り組みは注目される。現在、18社と協議を進めている状況だが(1社は提携発表済み)、提携効果が確認されればそのほかの多くの地域金融機関もこぞって同様の取り組みを開始する可能性が高いためだ。もちろん、同じような商品やサービスを提供しているのは同社だけでなく競合他社もあるため、すべての金融機関が同社と提携するわけではないが、地方金融機関は業界再編の真っただ中にあり、収益力強化が課題となっている中で、会員サービスや保険商品など生活に身近な商品・サービスを豊富にラインアップしている同社は、提携先として魅力的に映ることは間違いない。このため、今後はこうした地域金融機関等の提携先の拡大によって、会員事業の収益が拡大していく可能性は高いと弊社では考えている。
(4) 次期ERPシステムの稼働による重層営業による売上拡大
同社では複数の事業部間で顧客の情報共有は行っているものの、各事業間での顧客管理システムが統一されていないことから、営業効率という点では課題が残っていた。ただ、これも現在、開発中の次期ERP(投資額は約5億円)の稼働によって解消される見込みだ。次期ERPでは、受注から販売、決済、顧客管理までグループのすべてのシステムが統一されるため、事業部間連携による重層営業の効果も一段と上がるものと期待される。稼働時期は2021年10月を予定している。このため、2022年9月期は減価償却費が1億円程度増加する見込みだが、ERP導入効果のほうが大きくなる見込みで、収益拡大により吸収できる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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