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ブランディング Research Memo(5):ブランディングとテクノロジーを掛け合わせることでミッションを深掘り

注目トピックス 日本株
■事業セグメントと事業領域

2. 事業領域
ブランディングテクノロジー<7067>は「ブランドを軸に中小・地方企業様のデジタルシフトを担う」というミッションを掲げ、事業セグメントとはやや異なる事業領域を設定している。事業セグメントが財務的セグメンテーションであれば、この事業領域は機能的セグメンテーションと言えるだろう。顧客属性や課題と同社の機能を軸に、同社にとってビジネスチャンスの大きい4つの事業領域を設定しており、これにより各事業領域に深く入り込んだ事業展開ができるようになる。さらに、それぞれの事業運営の効率化や事業責任者を経営者として育成すること、共通するコストの集約化なども図ることができる。将来的には、顧客の拡がりや機能の拡張とともに、これらの事業領域が拡張・細分化して増殖(成長)していくことが期待される。

(1) 中小・地方企業向けブランド×デジタルシフト
中小・地方企業向けブランド×デジタルシフトの事業領域では、同社が主力としている不動産、歯科・医療、建築、製造業の4業界にターゲットを絞り、各業界の勝ちパターンを構築し、地域内競合との差別化やITによる集客の効率化、事業承継後のブランド再構築など業界特有の課題解決を目指す。同社は、約3,000社(2021年3月末現在)の経営サポート会員により蓄積された、4業界に特化したブランド×デジタルシフトのノウハウを有している。また、歯科向けの「歯科タウン」や不動産向けの「イエジン」など業界に特化したメディアも運営している。さらに、経営や事業、ブランド、マーケティングなどの戦略を経営者と議論しながら立案できる「フロント人材」を擁し、戦略企画・クリエイティブ・経営サポート・広告・コンサルティングの「5Steps」をワンストップで提供する体制も構築している。体系化された勝ちパターンの発信に向けて、業界別研究会も発足予定だ。これらにより、中小・地方企業のブランドを明確化し、業界ごとの集客勝ちパターンをベースに施策を実施している。

(2) 中堅・中小企業向けデジタルシフト
中堅・中小企業向けデジタルシフトの事業領域では、約400社の顧客とGoogle及びYahoo認定パートナーという実績をもとに、デジタルマーケティングとDXを推進している。同社は、顧客の事業戦略を理解してデジタルマーケティングやDXの課題を解決していく専属コンサルタントを多数抱える一方、広告/SEO/SNS/アクセス解析などによる総合支援体制も構築しており、ワンストップでサービス提供をすることができる。大企業子会社を含め中堅・中小企業では、ノウハウ不足やリソース不足でデジタルシフトが遅れていることが課題となっているが、同社の支援によってノウハウ・リソースの不足を補い、デジタルマーケティングで集客効率の改善や成果の最大化を図っている。

(3) コンテンツマーケティング/フリーランスネットワーク
コンテンツマーケティング/フリーランスネットワークの事業領域では、顧客ごとのブランド「らしさ」をコンテンツで表現することで競合との差別化を図っている。企画・編集、ライター、動画・Web制作チームを擁する社内のコンテンツプロデュース体制と社内外の豊富なクリエイターネットワークにより、同社では様々なコンテンツ表現が可能である。なお、2020年10月に設立された子会社の(株)ファングリーは、同社ブランド事業とシナジーのあるコンテンツマーケティング及びメディア運営に関する事業を行っている。特にコンテンツマーケティングにおいて、専門性の高いクリエイターに特化した社外のフリーランスネットワーク「hitch+(ヒッチプラス)」を独自に構築している(2020年12月時点で約480名)ことから、幅広いコンテンツ表現が可能となっている。

(4) 地域産業の振興・SDGs/オフショア
地域産業の振興・SDGs/オフショアの事業領域では、品質の高いオフショア機能を持つだけでなく、地場企業の支援を通じて地域課題の解決も目指している。沖縄を拠点とする子会社アザナは広告運用や制作のオフショア機能を有しているが、「有性生殖・サンゴ再生支援協議会」への参画やコロナ差別をなくす「ゆいマスクプロジェクト」の支援といった地域振興も行っている。ベトナム拠点のVieTryは制作・システム開発のオフショア機能を有しており、地場企業の支援も行っている。両社は、オフショアで培ったノウハウで地場企業を支援するとともに、同社のクリエイティブ機能も生かして、雇用創出や人材育成など地域・地場企業の持つ課題の解決にも積極的に対応している。


「体系化された業界特化型ノウハウ」「フロント人材」「5Steps」が強み

3. 競争優位性
同社の強みは、「体系化された業界特化型ノウハウ」「フロント人材」「5Steps」という3つの競争優位性を持って事業展開していることにある。「体系化された業界特化型ノウハウ」は、3,200社超に達する顧客ネットワークを活かして業界・事業規模別に体系化した成功メソッドを開発しており、これによって業界に固有の課題を解決できることが強みとなっている。「フロント人材」は、経営の上流から顧客と関わることで経営課題を的確に把握し、経営戦略、事業戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略を一気通貫で支援することで高いバリューを発揮することが強みとなっている。「5Steps」は、戦略企画からコンサルまで「5Steps」のワンストップソリューションを提供することで、経営サポート会員に対し短期的目標達成だけでなく、人材育成など中長期的な事業支援も行っている。このほか、ブランドを経営の起点に置くことで経営全体への波及効果を出す「ブランドファースト」というフレームワーク、グループ会社やフリーランスネットワークなどの「独自ネットワーク」も、同社の強みと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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