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ハウスコム Research Memo(1):M&A、DX、収益源の多様化を柱に「アフターデジタル」の不動産会社へ

注目トピックス 日本株
■要約

ハウスコム<3275>は、首都圏と東海圏を地盤に不動産仲介及び住まい関連サービスを行う業界有数の成長企業である。「不動産関連事業」と「施工関連事業」を手掛ける。

1. 2021年3月期の連結業績概要
2021年3月期の連結業績は、営業収益が12,299百万円(前期比5.5%減)、営業利益が351百万円(同65.4%減)、経常利益が576百万円(同51.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が312百万円(同53.6%減)と、どの項目も従来計画を上振れた着地となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)や緊急事態宣言発出は転居需要にも影響し、年間の賃貸仲介件数は前期比6.0%減の72,279件となった。これを受け、仲介手数料をはじめ周辺商品販売・リフォーム収入など営業収益全般が低調となった。ただ、広告宣伝費をはじめとした費用面の見直しや、会議・研修等のオンライン化によるコスト低減に取り組んだことで減益幅は軽減された。

2. 2022年3月期の連結業績見通し
2022年3月期(2021年4月-2022年3月)の連結業績について、営業収益で14,630百万円(前期比18.9%増)、営業利益で493百万円(同40.2%増)、経常利益で656百万円(同13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で486百万円(同55.7%増)を見込んでいる。「飲食業・宿泊業等のサービス業の集積する大都市の雇用蒸発が人口流入の押し下げ・流出の加速をもたらし、同地域への転居需要を減少させた」との想定のもと、飲食業・宿泊業等の従業者の回帰は転居需要の将来的なボリュームゾーンになる可能性があり、今後の収益の大きな回復と成長に寄与することが期待できると弊社は考える。また、テレワークなどによる新しい働き方・居住環境の選好が浸透することで、新たな労働環境・居住空間を求める需要が発生する可能性もある。

3. 成長戦略
同社は新成長戦略として、新しい事業ポートフォリオへの転換と成長の加速に向けて、「事業領域拡大による収益構造の転換」「既存事業分野の競争力強化等」「店舗数増加による規模の拡大」「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」の4施策を推し進める。DXにおいては、テクノロジーを活用して社内効率を向上させながら、バリューチェーンを拡大していく。その一環として、同社は基幹系システムの刷新を進めている。将来的には基幹系データベースについて、各データベースを活用の目的に応じてAPI連携したサーバの設計、構築、運用を計画している。また、収益機会を増やすことで、「売り切り収入モデル」から「リテンション収入モデル」への拡張も進めており、5年後をめどに新規事業の構成比で15%以上を収益モデルの目標として設定している。

■Key Points
・2021年3月期の連結業績はコロナ禍の影響で減収減益も、コスト削減奏功で減益幅軽減
・2022年3月期は転居需要回復で増収増益を見込む
・M&A、DX、収益源の多様化を柱に事業ポートフォリオ転換と成長の加速を図る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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