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ピアズ Research Memo(3):セールスプロモーション事業、働き方革新事業、店舗DX事業とLaboを展開

注目トピックス 日本株
■会社概要

2. 事業内容と子会社の概要
ピアズ<7066>の事業内容は、現在の主力となる通信業界向けを中心としたセールスプロモーション事業と、その他業界向けを対象とした店舗DX事業、働き方革新事業を子会社も含めて展開しているほか、新規サービス等の企画開発(Labo)を子会社で行っている。

(1) セールスプロモーション事業
通信業界向けに販促・営業代行、販売、並びに販売スタッフや営業社員の研修サービス、販売・店舗運営コンサルティングサービス等を展開している。売上高の大半は同事業で占められており、主力顧客となるNTTドコモの売上構成比は2019年9月期で52%、2020年9月期で63%となっている。携帯キャリア向けに関しては、以前は他キャリア向けも若干行っていたが、現在はNTTドコモ1社のみに絞り、Win-Winの関係を構築している。

ビジネスの流れとしては、NTTドコモから販促支援や研修、販売・運営コンサルティング等を受注し、あらかじめ定められた携帯ショップに同社のコンサルタントを派遣し、また、販促キャンペーン時は販売ヘルパーを派遣することもある。販売ヘルパーは人材派遣会社から調達し、研修を行ったうえで店舗やイベント会場等に派遣する。このため、サービス別で見ると売上総利益率は販促支援が低く、販売・運営コンサルティングが高くなる。研修サービスについては、その中間となる。受注契約期間は半年契約が多い。また、携帯ショップ運営会社は3月決算が多く、研修やコンサルティングも年度末付近に多く実施される傾向にあり、同社の売上高もこれまでは第2四半期(1〜3月)に偏重する季節要因があった。

通信業界向けの顧客としてはその他のNTTグループ会社、携帯端末メーカーではシャープ<6753>が主要顧客となっている。シャープに関しては、新機種販売時の販促支援等を同社で受託している。なお、同社のような携帯ショップの現場コンサルティングの競合は殆どなく、未上場の会社が地方にある程度だが、これら企業とも協業関係にある。

(2) 店舗DX事業
店舗DX事業は、通信業界で培ったノウハウを基に、店舗運営で生じている様々な課題をITツールを活用することで解決するソリューションサービスとなる。具体的には、オンライン接客サービスやセルフオーダーなどが挙げられる。

2020年4月に設立したXERO(株)で、オーダーから支払いまでをスマートフォンで完結できるセルフオーダー型のキャッシュレス決済システム「ZEROレジ」を展開している。「ZEROレジ」は中国のIT企業であるNeusoftが開発したツールで、XEROがNeusoftの子会社HETANGと販売代理店契約を締結し、国内の飲食業界向けに導入を進めているツールとなる。飲食店だけでなくテイクアウト業態やデリバリー業態でも利用可能となっている。初期導入費用は2万円、料金プランは月額5千円、1万円、1.5万円の4つのプランがある。顧客要望によるカスタマイズやサポートは同社が行い、サーバーも国内に設置するなど情報セキュリティ面でも対策を施している。2020年から販売を開始し、導入契約店舗数は2021年5月時点で650店舗超となっている。うち、ハークスレイ<7561>が運営する「ほっかほっか亭」に642店舗導入されている。

モバイル型のセルフオーダーシステムとしては、「O:rder」や「putmenu」などいくつか他社から出ているが、「ZEROレジ」の優位点としてUI/UXで優れていること、複数名で飲食店を利用する場合に、1つのカゴを共有してそれぞれが好みの注文をすることができるなど、使い勝手が良いことが挙げられる。

(3) 働き方革新事業
採用・育成・定着というHR領域に対して、風土(コンサルティングノウハウの活用)・制度(豊富なノウハウを持つHR領域のコンサルタントとのパートナーシップ)・システム(HRテック関連企業との提携)という3つのジャンルを融合して価値を提供し、新しい社会に適応した組織づくりを支援する事業である。同社は日本経営品質賞をはじめ、ホワイト企業大賞やグッドカンパニー大賞特別賞など過去に数々の賞を受賞するなど外部からの評価も高く、自社で創業来蓄積してきたノウハウや理念をメソッド化し、ITツールと組み合わせてサービス化しているのが特徴となっている。

具体的には、2020年4月に設立した(株)One Colorsで、会社の組織活性化とミドル層の育成、生産性向上を目的としたコンサルティングプログラム「エンパ!」を提供しているほか、営業スタッフ育成サービス「ノゾケル」、動画学習サービス「jishuu」などのソリューションサービスを提供している。いずれも、ITツールを活用して効率的に成果を高めるサービスとなっており、ITツールは提携先のツールを活用している。また、同年5月に(株)Payment Technologyと合弁で設立した2Links(株)ではリモートワークを支援するためのソリューションサービスを展開しており、リモートワーク施設の予約プラットフォーム「Remote Office」を運営している。

(4) Labo(企画開発)
Laboでは、日本文化の長所である「おもてなし」をITによって体系化し、同社の顧客接点や組織におけるコンサルティングノウハウと、提携パートナーの技術を融合することで新たな価値を提供するデジタルソリューションサービスを企画開発している。現在は子会社の(株)QualiagramとAIベンチャーの(株)エモスタが業務提携して開発した営業スタッフのトレーニングツール「mimik」事業の開発を進めている。「mimik」は自身の表情や話し方などを撮影・記録し、AIで分析することにより、商談を成功に導くための効果的な表情・話し方などを提案するサービスとなり、現在は同社が社内で実験的に活用しているほか、マスメディアやハウスメーカーなどに無償で提供し、フィードバックをもらいながら完成度を高めている段階にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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