ベネ・ワン Research Memo(1):オーガニック成長ベースの中期経営計画目標、達成確度高い
[21/06/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ベネフィット・ワン<2412>は、顧客企業の経営効率化や従業員満足度向上を目的に福利厚生事業やインセンティブ事業、ヘルスケア事業などを展開している。「ベネワン・プラットフォーム」を軸に顧客の人事分野でのデジタル化を推進することで、「HRDXのリーディングカンパニー」への転換を図っていく。
1. 2021年3月期通期の連結業績概要
2021年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比1.5%増の37,841百万円、営業利益が同16.4%増の9,774百万円、経常利益が同16.5%増の9,858百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.9%増の6,766百万円となった。増収の主な要因は、福利厚生事業における大手・中堅企業の新規会員が進んだことだ。計画比では売上高が5.7%減少しているものの、営業利益が8.0%増、経常利益が8.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益が9.1%増とそろって上振れた。
主力のベネフィット・ステーション関連事業では、売上高は前期比1.2%減の20,459百万円と小幅に減収となった一方、営業利益は同22.0%増の8,389百万円と大きく伸びた。減収については、中小企業で減速感が見られたほか、既存個人会員も減少が続いた。増益については、在宅利用可能なメニューの拡充を図るも外出を伴うメニューの利用低迷により、前期比・計画比ともに補助金支出が減少した。法人会員数は前期比で48万人増の633万人と堅調に伸びた。「働き方改革・健康経営・デジタル化」という課題に向けた企業の取り組みがより活発化し、ベネフィット・ステーションは大手や中堅企業を中心に会員数が拡大した。パーソナル事業とCRM事業の個人会員を合わせた総会員数は2021年4月時点で863万人に達している。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期通期の連結業績予想は、売上高で前期比1.4%減の37,310百万円、営業利益で同20.2%増の11,750百万円、経常利益で同20.0%増の11,830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.0%増の8,120百万円の見通しだ。営業利益については、計画達成となれば11期連続増益となる。なお上記の数値は、2022年3月期から適用する「収益認識に関する会計基準」等に基づき売上高の計上方法を変更したもので、従来の方法により計上した場合、売上高は49,200百万円(同30.0%増)となる。
2022年3月期はペイメント事業で先行投資による減益を見込んでいるほかは、全事業で増収を見込んでいる。そのほか大きな動きとしては、基幹システムの刷新とデジタルマーケティングへの投資を計画している。現金及び預金と営業活動によるキャッシュ・フローを背景に投資資金は十分確保できているほか、アジャイル開発の手法を採ることで開発にかかる期間・費用ともに抑制できている。
3. 成長戦略
同社は3ヶ年中期経営計画のなかで、「ベネワン・プラットフォーム」などの主力サービスを普及させることで、2024年3月期に売上高606億円、営業利益209億円、営業利益率34.5%の達成を目指す。なお、中期経営計画は基本的には既存事業のオーガニック成長をベースとしており、M&Aの業績寄与は想定していない。同社は福利厚生関連を中心にサービスサプライヤー等の買収も視野に入れており、グループに取り込むことで利益率改善やクロスセルといったシナジーも期待できる。また、ヘルスケア事業ではワクチン接種業務の手配代行を予定しており、福利厚生サービスとの一体化も計画している。コロナワクチンの接種は、福利厚生サービスを導入していない中小企業などを含め、企業の規模を問わず強いニーズが見込まれる。ワクチン関連サービスを福利厚生サービスと一体化させれば福利厚生自体の会員数の増加が見込めるほか、ワクチン関連サービス自体も毎期経常的な収益計上が期待できるため、業績への寄与は大きい。これらを踏まえ、中期経営計画の業績目標の達成確度は高いと弊社は予想している。
■Key Points
・「働き方改革・健康経営・デジタル化」の潮流が強まり、大手・中堅の会員数の伸長続く
・盤石な財務を武器に大規模なマーケティングで顧客拡大の加速図る
・M&Aやコロナワクチン関連サービスなどの追加業績貢献で中計目標の達成確度高い
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<NB>
ベネフィット・ワン<2412>は、顧客企業の経営効率化や従業員満足度向上を目的に福利厚生事業やインセンティブ事業、ヘルスケア事業などを展開している。「ベネワン・プラットフォーム」を軸に顧客の人事分野でのデジタル化を推進することで、「HRDXのリーディングカンパニー」への転換を図っていく。
1. 2021年3月期通期の連結業績概要
2021年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比1.5%増の37,841百万円、営業利益が同16.4%増の9,774百万円、経常利益が同16.5%増の9,858百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.9%増の6,766百万円となった。増収の主な要因は、福利厚生事業における大手・中堅企業の新規会員が進んだことだ。計画比では売上高が5.7%減少しているものの、営業利益が8.0%増、経常利益が8.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益が9.1%増とそろって上振れた。
主力のベネフィット・ステーション関連事業では、売上高は前期比1.2%減の20,459百万円と小幅に減収となった一方、営業利益は同22.0%増の8,389百万円と大きく伸びた。減収については、中小企業で減速感が見られたほか、既存個人会員も減少が続いた。増益については、在宅利用可能なメニューの拡充を図るも外出を伴うメニューの利用低迷により、前期比・計画比ともに補助金支出が減少した。法人会員数は前期比で48万人増の633万人と堅調に伸びた。「働き方改革・健康経営・デジタル化」という課題に向けた企業の取り組みがより活発化し、ベネフィット・ステーションは大手や中堅企業を中心に会員数が拡大した。パーソナル事業とCRM事業の個人会員を合わせた総会員数は2021年4月時点で863万人に達している。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期通期の連結業績予想は、売上高で前期比1.4%減の37,310百万円、営業利益で同20.2%増の11,750百万円、経常利益で同20.0%増の11,830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.0%増の8,120百万円の見通しだ。営業利益については、計画達成となれば11期連続増益となる。なお上記の数値は、2022年3月期から適用する「収益認識に関する会計基準」等に基づき売上高の計上方法を変更したもので、従来の方法により計上した場合、売上高は49,200百万円(同30.0%増)となる。
2022年3月期はペイメント事業で先行投資による減益を見込んでいるほかは、全事業で増収を見込んでいる。そのほか大きな動きとしては、基幹システムの刷新とデジタルマーケティングへの投資を計画している。現金及び預金と営業活動によるキャッシュ・フローを背景に投資資金は十分確保できているほか、アジャイル開発の手法を採ることで開発にかかる期間・費用ともに抑制できている。
3. 成長戦略
同社は3ヶ年中期経営計画のなかで、「ベネワン・プラットフォーム」などの主力サービスを普及させることで、2024年3月期に売上高606億円、営業利益209億円、営業利益率34.5%の達成を目指す。なお、中期経営計画は基本的には既存事業のオーガニック成長をベースとしており、M&Aの業績寄与は想定していない。同社は福利厚生関連を中心にサービスサプライヤー等の買収も視野に入れており、グループに取り込むことで利益率改善やクロスセルといったシナジーも期待できる。また、ヘルスケア事業ではワクチン接種業務の手配代行を予定しており、福利厚生サービスとの一体化も計画している。コロナワクチンの接種は、福利厚生サービスを導入していない中小企業などを含め、企業の規模を問わず強いニーズが見込まれる。ワクチン関連サービスを福利厚生サービスと一体化させれば福利厚生自体の会員数の増加が見込めるほか、ワクチン関連サービス自体も毎期経常的な収益計上が期待できるため、業績への寄与は大きい。これらを踏まえ、中期経営計画の業績目標の達成確度は高いと弊社は予想している。
■Key Points
・「働き方改革・健康経営・デジタル化」の潮流が強まり、大手・中堅の会員数の伸長続く
・盤石な財務を武器に大規模なマーケティングで顧客拡大の加速図る
・M&Aやコロナワクチン関連サービスなどの追加業績貢献で中計目標の達成確度高い
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<NB>