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ベネ・ワン Research Memo(2):サブスクリプションによる安定収入と福利厚生の根強い需要が強み

注目トピックス 日本株
■会社概要

1. 会社概要
ベネフィット・ワン<2412>はサービス業における新たな流通市場の創造を自社の役割と捉えており、それに向け、自社事業を通じてサービス業界全般の需要と供給をマッチングさせている。

同社は1996年の設立当初から福利厚生サービスを手掛けてきており、その後もM&Aなどを通じて業容を拡大させてきた。2021年現在、福利厚生事業、インセンティブ事業、ヘルスケア事業、購買・精算代行事業、ペイメント事業などを展開している。主力サービスの「ベネワン・プラットフォーム」を軸に、顧客の人事分野でのデジタル化を推進することで、「HRDXのリーディングカンパニー」への転換を図っていく。

同社は人材派遣を手掛けるパソナグループ<2168>の子会社である。パソナグループとは資本関係以外にも、福利厚生のアウトソーシングなどを受託し、人材派遣を受けるという取引関係がある。

同社は2004年12月にJASDAQ市場において株式を公開した。2006年3月には東証2部に市場変更し、2018年11月には同1部に指定替えをした。株価は2015年頃から長期的に上昇し続け、2020年11月時点での時価総額は約5,000億円となっている。

2. 事業概要
同社は福利厚生事業、パーソナル事業、CRM事業、インセンティブ事業、ヘルスケア事業、購買・精算代行事業、ペイメント事業、海外事業などを手掛けており、定額制サブスクリプションモデルをビジネスの柱として展開している。

福利厚生事業、パーソナル事業、CRM事業についてはユーザー課金型サービスマッチングサイト「ベネフィット・ステーション」を共通ツールとして提供している。「ベネフィット・ステーション」は大企業や官公庁などを中心に1万社以上が導入しており、業界のリーディングブランドとしてのポジションを築いている。

(1) 福利厚生事業
主力の福利厚生事業では、「ベネフィット・ステーション」に入会した顧客企業の従業員に向けて、提携先企業のサービスを割引価格で提供している。サービスは宿泊施設や飲食店、スポーツクラブ、レジャー施設、介護・育児サービスなど140万点以上がある。同社は顧客企業から従業員数に応じた月額利用料を安定的に受け取っている。顧客企業はアウトソーシングによって福利厚生関連費用を削減できるほか、企業規模に関係なく充実した福利厚生制度を従業員に提供することができる。従業員が宿泊施設などを利用した際には、加入コースに応じて同社は補助金を支払っている。

(2) パーソナル事業
パーソナル事業では、主に協業企業が抱える個人顧客向けに「ベネフィット・ステーション」上のサービスを提供している。協業先は携帯キャリアやフィットネスクラブ、不動産仲介会社などがある。個人会員から月額利用料を受け取り、協業企業とシェアしている。

(3) インセンティブ事業
インセンティブ事業では、ロイヤリティ・モチベーション向上施策支援としてインセンティブ・ポイントの発行、管理運営を行っている。顧客企業は従業員や代理店スタッフに対してポイントを付与し、受け取った側は約2万点のアイテムと交換できる。同社は顧客企業から付与ポイントに相当する金銭を受け取り、そのうち従業員がポイントを使った際のポイント代金が売上として計上され、アイテム仕入代金が原価に計上される仕組みだ。

主な顧客は携帯キャリアや保険会社、自動車販売会社、医薬品会社、レストラン運営会社などとなっている。最近ではロイヤリティ・モチベーション向上のほか、採用強化や優秀な人材の確保、評価機会の拡大などの目的でも導入されている。

(4) ヘルスケア事業
ヘルスケア事業では、健康保険組合や事業主から業務委託料を受け取り、健診サービスや保健指導、健康ポイント、ストレスチェックといった健康支援サービスを提供している。健診予約の後、何割かで保健指導のニーズが発生し、そこで売上が積み上がってくるという収益モデルである。同社は健診・保健指導ともに業界のリーディングカンパニーという位置付けである。

(5) HRマネジメントを中核としたほかの事業
法人向けでは、福利厚生に加えてHRマネジメントにおける重点要素を中核に据えた事業を展開している。主要要素である福利厚生、健康、教育研修、インセンティブのほか、購買精算、給与天引き、金融などの機能を、外部サービスも活用しつつ顧客の要望に応じて組み合わせながら提供している。人事データを核として、HRマネジメントの土台となる上記サービスを統合的に提供できる点が強みでもある。

(6) 海外事業
海外では主にインセンティブ事業を手掛けている。2012年に中国と米国で子会社を設立したことから始まり、2013年には東南アジア地域に進出し、シンガポール、タイ、インドネシアに拠点を保有している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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