ベネ・ワン Research Memo(5):ヘルスケア事業を中心とした成長で11期連続増益目指す
[21/06/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2022年3月期の業績見通し
ベネフィット・ワン<2412>の2022年3月期通期の連結業績予想は、売上高で前期比1.4%減の37,310百万円、営業利益で同20.2%増の11,750百万円、経常利益で同20.0%増の11,830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.0%増の8,120百万円と増収増益の見通しだ。営業利益については、計画達成となれば11期連続増益となる。なお上記の数値は、2022年3月期から適用する「収益認識に関する会計基準」等に基づき売上高の計上方法を変更したもので、従来の方法により計上した場合、売上高は49,200百万円(同30.0%増)となる。
2022年3月期はペイメント事業で先行投資による減益を見込んでいるほかは、全事業で増収を見込んでいる。そのほか大きな動きとしては、基幹システムの刷新とデジタルマーケティングへの投資を計画している。現金及び預金と営業活動によるキャッシュ・フローを背景に投資資金は十分確保できているほか、アジャイル開発の手法を採ることで開発にかかる期間・費用ともに抑制できている。
また、同社では2022年3月期以降の見通しについてはM&A戦略の効果を取り入れていない。M&Aを実施した場合は売上・利益ともに変動することには留意が必要だろう。同社とのM&Aシナジーが高い事業会社としては、類似サービスを提供する事業会社のほか、提供サービスの供給元であるサプライヤー企業も含まれ、買収の裾野は広く、利益率の高い事業展開が期待されると弊社は考える。
ベネワン・プラットフォームを軸に顧客企業人事部門のDX推進、HRDXの業界標準を目指す
2. ベネワン・プラットフォームの普及推進
同社は従来単品売りしていた各サービスをパッケージ化した「ベネワン・プラットフォーム」を2020年6月にリリースした。2021年4月時点の総会員数としては福利厚生会員が633万人、CRM会員が122万人、パーソナル会員が108万人の合計863万人となっている。2022年3月期末の総会員数予想は福利厚生会員が664万人、CRM会員が124万人、パーソナル会員が115万人の合計903万人としている。営業組織とシステム統合を行ったことで様々な商材とのクロスセルが可能になったことを生かしていくほか、デジタルマーケティングへの積極的な投資を背景に会員拡大を目指していく予定だ。同プラットフォームは、パソコンにたとえると基本ソフト(OS)にあたり、その上にアプリケーションに相当する各サービスが乗る。同社が取り扱っていない機能については、プラットフォーム上で他社サービスとも連携できるような柔軟な設計になっている。また、ミドルウェアとして各サービスの利用実績や従業員の健康、そのほか多様な人事関連のビッグデータも融合する。それらを組み合わせることで顧客企業の人事分野でのデジタル化を推進し、「HRDXのリーディングカンパニー」として業界標準としての地位確立を目指す。
コロナ禍において「働き方改革・健康経営・デジタル化」という課題に向けた企業の取り組みが活発化するなか、ビッグデータの融合による利便性も重なり、同プラットフォームの普及はスムーズに進むと予想される。普及の先には、ヘルスケアやポイント、福利厚生といった課金アプリケーションの利用による収益計上が期待される。
給与天引き決済サービスは好調なスタート、初年度利用4億円を目指す
3. 給与天引きプラットフォームの普及推進
同社は2021年6月より給与天引き決済サービス「給トク払い」をリリースし普及を推進している。給与天引きが適用されるメニューを通じて、会員企業の従業員に対し様々な特典や割引を提案する。同社としては決済代行の対価として得る決済手数料を新たな収益源とする。初年度は年間利用総額400百万円(手数料収入6百万円)を見込む。
今後はガス、携帯電話、賃貸といった生活インフラ関連の月額課金型サービス等、日常的に利用されるメニューも給与天引き対象とすべく順次開発していく。サプライヤーの多角化にも注力しているが、保険商品や携帯電話は業法上やや苦戦しているもようである。しかし、ユーザーファーストの観点から考慮すると、将来的には広範囲なサービスを最安値で提供するプラットフォームへと仕上げる計画であり、足元ではそれに向けた事業基盤が構築されつつある状況だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<NB>
1. 2022年3月期の業績見通し
ベネフィット・ワン<2412>の2022年3月期通期の連結業績予想は、売上高で前期比1.4%減の37,310百万円、営業利益で同20.2%増の11,750百万円、経常利益で同20.0%増の11,830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.0%増の8,120百万円と増収増益の見通しだ。営業利益については、計画達成となれば11期連続増益となる。なお上記の数値は、2022年3月期から適用する「収益認識に関する会計基準」等に基づき売上高の計上方法を変更したもので、従来の方法により計上した場合、売上高は49,200百万円(同30.0%増)となる。
2022年3月期はペイメント事業で先行投資による減益を見込んでいるほかは、全事業で増収を見込んでいる。そのほか大きな動きとしては、基幹システムの刷新とデジタルマーケティングへの投資を計画している。現金及び預金と営業活動によるキャッシュ・フローを背景に投資資金は十分確保できているほか、アジャイル開発の手法を採ることで開発にかかる期間・費用ともに抑制できている。
また、同社では2022年3月期以降の見通しについてはM&A戦略の効果を取り入れていない。M&Aを実施した場合は売上・利益ともに変動することには留意が必要だろう。同社とのM&Aシナジーが高い事業会社としては、類似サービスを提供する事業会社のほか、提供サービスの供給元であるサプライヤー企業も含まれ、買収の裾野は広く、利益率の高い事業展開が期待されると弊社は考える。
ベネワン・プラットフォームを軸に顧客企業人事部門のDX推進、HRDXの業界標準を目指す
2. ベネワン・プラットフォームの普及推進
同社は従来単品売りしていた各サービスをパッケージ化した「ベネワン・プラットフォーム」を2020年6月にリリースした。2021年4月時点の総会員数としては福利厚生会員が633万人、CRM会員が122万人、パーソナル会員が108万人の合計863万人となっている。2022年3月期末の総会員数予想は福利厚生会員が664万人、CRM会員が124万人、パーソナル会員が115万人の合計903万人としている。営業組織とシステム統合を行ったことで様々な商材とのクロスセルが可能になったことを生かしていくほか、デジタルマーケティングへの積極的な投資を背景に会員拡大を目指していく予定だ。同プラットフォームは、パソコンにたとえると基本ソフト(OS)にあたり、その上にアプリケーションに相当する各サービスが乗る。同社が取り扱っていない機能については、プラットフォーム上で他社サービスとも連携できるような柔軟な設計になっている。また、ミドルウェアとして各サービスの利用実績や従業員の健康、そのほか多様な人事関連のビッグデータも融合する。それらを組み合わせることで顧客企業の人事分野でのデジタル化を推進し、「HRDXのリーディングカンパニー」として業界標準としての地位確立を目指す。
コロナ禍において「働き方改革・健康経営・デジタル化」という課題に向けた企業の取り組みが活発化するなか、ビッグデータの融合による利便性も重なり、同プラットフォームの普及はスムーズに進むと予想される。普及の先には、ヘルスケアやポイント、福利厚生といった課金アプリケーションの利用による収益計上が期待される。
給与天引き決済サービスは好調なスタート、初年度利用4億円を目指す
3. 給与天引きプラットフォームの普及推進
同社は2021年6月より給与天引き決済サービス「給トク払い」をリリースし普及を推進している。給与天引きが適用されるメニューを通じて、会員企業の従業員に対し様々な特典や割引を提案する。同社としては決済代行の対価として得る決済手数料を新たな収益源とする。初年度は年間利用総額400百万円(手数料収入6百万円)を見込む。
今後はガス、携帯電話、賃貸といった生活インフラ関連の月額課金型サービス等、日常的に利用されるメニューも給与天引き対象とすべく順次開発していく。サプライヤーの多角化にも注力しているが、保険商品や携帯電話は業法上やや苦戦しているもようである。しかし、ユーザーファーストの観点から考慮すると、将来的には広範囲なサービスを最安値で提供するプラットフォームへと仕上げる計画であり、足元ではそれに向けた事業基盤が構築されつつある状況だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<NB>