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コニシ Research Memo(1):国内トップクラスの接着剤メーカー。シェアアップに加えM&Aも活用し事業拡大中

注目トピックス 日本株
■要約

コニシ<4956>は、「ボンド」ブランドで知られる国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカーである。一般家庭用が有名であるが、産業用、住宅・建材用、建築・土木用と幅広い製品をそろえており、主たる市場は住宅・建築・土木関連である。

1. 2021年3月期の業績動向
2021年3月期の業績は、売上高133,736百万円(前期比1.1%減)、営業利益7,285百万円(同2.4%増)、経常利益7,428百万円(同2.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,934百万円(同7.6%増)となった。土木建設事業は堅調であったが、主力のボンド事業が新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ過)の影響もあり減収となったことから、全体も減収となった。しかし土木建設事業が好調だったことや、販管費の削減、原材料費が低下したことなどから営業利益は増益となり、過去最高を記録した。セグメント別では、主力のボンド事業は減収減益となったが、土木建設事業は増収増益となった。化成品事業は、コンデンサ向けが好調だった子会社の丸安産業(株)以外はすべて低迷し減収となったが、原材料費の低下によりセグメント利益は増益となった。設備投資額は3,747百万円、減価償却費は1,810百万円であった。

2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績は、売上高109,500百万円(前期比※2.3%増)、営業利益7,200百万円(同1.7%増)、経常利益7,500百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,940百万円(同0.2%増)が予想されている。ボンド、化成品は2021年3月期下期からの流れを受けて増収見込みだが、工事事業(旧 土木建設事業で工事請負を担っていた子会社5社のセグメント)は2021年3月期の反動もあり減収予想となった。利益も同様で、ボンド、化成品は増益予想となったが、工事事業は事業環境については悪くないものの2021年3月期の反動を受けて減益の見込みとなった。営業利益は前期比1.7%増予想となったのは、主に2021年3月期は例年に比べ押さえられていた販管費が2022年3月期は従来の水準に戻り前期比増となるためである。設備投資額は、子会社であるサンライズ(株)の小山工場関連を含めて、全体で8,295百万円、減価償却費は2,214百万円の見込み。年間配当は2021年3月期と同じ40円を維持する方針である。

※2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用するため、前期比数値もこれに合わせて修正して記載。


3. 中期経営計画
同社は「中期経営計画2021」を推進してきたが、コロナ過の影響を受け目標達成が難しくなってきたため、計画をいったん白紙とした。数値目標は、2021年3月期に売上高1,500億円(2018年3月期比16.7%増)、営業利益86億円(同18.8%増)、営業利益率5.7%(同0.1ポイント増)、ROE9.0%(同0.4ポイント増)であった。現在は、同社設立100周年となる2025年3月期を最終年度とする、新中期経営計画(2023年3月期〜2025年3月期)を策定中であり、発表は2022年春頃を予定している。この新中期経営計画の内容がどのようなものになるか、注目である。

■Key Points
・国内最大級の接着剤・シーリング材メーカー。向け先は住宅用、産業用、土木建築用等幅広い
・2022年3月期はコロナ禍の影響で先行き不透明ながら2021年3月期並みの利益を目指す
・推進していた「中期経営計画2021」はいったん白紙とし、新中期経営計画を2022年春に発表予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




<NB>

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