コニシ Research Memo(5):2022年3月期は先行き不透明ながら、増収増益を目指す(1)
[21/06/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2022年3月期の業績見通し
コニシ<4956>の2022年3月期の業績は、売上高109,500百万円(前期比※2.3%増)、営業利益7,200百万円(同1.7%増)、経常利益7,500百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,940百万円(同0.2%増)が予想されている。ボンド、化成品は2021年3月期下期からの流れを受けて増収見込みだが、工事事業(旧 土木建設事業で工事請負を担っていた子会社5社のセグメント)は2021年3月期の反動もあり減収予想となった。利益も同様で、ボンド、化成品は増益予想となったが、工事事業は事業環境については悪くないものの2021年3月期の反動を受けて減益の見込みとなった。営業利益は前期比1.7%増予想となったのは、主に2021年3月期は例年に比べ押さえられていた販管費が2022年3月期は従来の水準に戻り前期比増となるためである。設備投資額は、子会社であるサンライズの小山工場関連を含めて、全体で8,295百万円、減価償却費は2,214百万円の見込み。年間配当は2021年3月期と同じ40円を維持する方針である。
※2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用するため、前期比数値もこれに合わせて修正して記載。
なお、同社は2022年3月期より「ボンド」「土木建設」のセグメントの組み替えを行う。2021年3月期まで「土木建設」であった同社の土木建設用事業(土木建設分野に使用される接着剤・シーリング材等)は、「ボンド」へ移行する。これにより「土木建設」は「工事事業」となり、ボンドエンジニアリング、コニシ工営、近畿鉄筋コンクリート、角丸建設、山昇建設の5社が工事請負事業を担っていく。工事請負事業を拡大し、連携を強めていく方針である。
2. 2022年3月期の主な取り組み(セグメント別)
(1) ボンド事業
a) 一般家庭用
以下の主力製品の拡販に注力していく。
・「プレミアムクイック」(「ウルトラ多用途SU」速硬化タイプ。2021年3月発売)
・「ボンド裁ほう上手シリーズ」(2012年の発売より、累計1,000万本以上を販売)
b) 住宅関連用
・水性形接着剤(集成材・建材・紙関連分野)の販売強化し、同社製品のシェア拡大を目指す
・サンライズ、ウォールボンド工業との連携を強化し、リフォーム、インテリアルートへの拡販を行う
c) 産業資材用
・ 自動車・電材・複層ガラス・構造用両面テープなど、将来の柱となる製品開発を行い、新規業界への進出を目指す
d) 土木建設用
・成長分野である「土木建設分野」への取り組みを強化し、各種ボンド補修工法のシェア拡大へ注力していく
・「土木建築用シーリング材」で改修分野、新築分野を強化し、同社製品のシェア拡大を目指す
(2) 化成品事業
同社は「メーカー機能を併せ持った商社」を目指し、新しい技術・商材の開発を推進している。具体的な施策は以下のとおり。
a) 「新規商材、新規顧客の開拓」を継続して強化
・ 車載用途向けモーター用マグネット、シリコーン、センサー用ウエハーの電子材料・部品販売に注力していく
・丸安産業と協業し、仕入・販売の機会を増やす
・ボンド販売先へ化成品商材の販売を強化していく
b) 同社の材料科学研究所と連携し、自社技術を生かした製品開発を強化
・化成品部門からテーマを受け、接着剤に捉われない技術・製品開発を推進していく。たとえば、車載用途向け封止材、塗料業界向け中間原料などが挙げられる
(3) 工事事業
同セグメントでは、同社における第3の柱として早急に売上高30,000百万円達成を目指す。そのための施策は以下のとおりとなる。
・社会インフラ(道路、鉄道、橋梁)の補修・改修工事の取り込みを一段と推進
・主力のボンドエンジニアリングの売上拡大
・関係会社の連携を強化
・土木建設工事に関連する企業の積極的なM&Aの実施を継続
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
1. 2022年3月期の業績見通し
コニシ<4956>の2022年3月期の業績は、売上高109,500百万円(前期比※2.3%増)、営業利益7,200百万円(同1.7%増)、経常利益7,500百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,940百万円(同0.2%増)が予想されている。ボンド、化成品は2021年3月期下期からの流れを受けて増収見込みだが、工事事業(旧 土木建設事業で工事請負を担っていた子会社5社のセグメント)は2021年3月期の反動もあり減収予想となった。利益も同様で、ボンド、化成品は増益予想となったが、工事事業は事業環境については悪くないものの2021年3月期の反動を受けて減益の見込みとなった。営業利益は前期比1.7%増予想となったのは、主に2021年3月期は例年に比べ押さえられていた販管費が2022年3月期は従来の水準に戻り前期比増となるためである。設備投資額は、子会社であるサンライズの小山工場関連を含めて、全体で8,295百万円、減価償却費は2,214百万円の見込み。年間配当は2021年3月期と同じ40円を維持する方針である。
※2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用するため、前期比数値もこれに合わせて修正して記載。
なお、同社は2022年3月期より「ボンド」「土木建設」のセグメントの組み替えを行う。2021年3月期まで「土木建設」であった同社の土木建設用事業(土木建設分野に使用される接着剤・シーリング材等)は、「ボンド」へ移行する。これにより「土木建設」は「工事事業」となり、ボンドエンジニアリング、コニシ工営、近畿鉄筋コンクリート、角丸建設、山昇建設の5社が工事請負事業を担っていく。工事請負事業を拡大し、連携を強めていく方針である。
2. 2022年3月期の主な取り組み(セグメント別)
(1) ボンド事業
a) 一般家庭用
以下の主力製品の拡販に注力していく。
・「プレミアムクイック」(「ウルトラ多用途SU」速硬化タイプ。2021年3月発売)
・「ボンド裁ほう上手シリーズ」(2012年の発売より、累計1,000万本以上を販売)
b) 住宅関連用
・水性形接着剤(集成材・建材・紙関連分野)の販売強化し、同社製品のシェア拡大を目指す
・サンライズ、ウォールボンド工業との連携を強化し、リフォーム、インテリアルートへの拡販を行う
c) 産業資材用
・ 自動車・電材・複層ガラス・構造用両面テープなど、将来の柱となる製品開発を行い、新規業界への進出を目指す
d) 土木建設用
・成長分野である「土木建設分野」への取り組みを強化し、各種ボンド補修工法のシェア拡大へ注力していく
・「土木建築用シーリング材」で改修分野、新築分野を強化し、同社製品のシェア拡大を目指す
(2) 化成品事業
同社は「メーカー機能を併せ持った商社」を目指し、新しい技術・商材の開発を推進している。具体的な施策は以下のとおり。
a) 「新規商材、新規顧客の開拓」を継続して強化
・ 車載用途向けモーター用マグネット、シリコーン、センサー用ウエハーの電子材料・部品販売に注力していく
・丸安産業と協業し、仕入・販売の機会を増やす
・ボンド販売先へ化成品商材の販売を強化していく
b) 同社の材料科学研究所と連携し、自社技術を生かした製品開発を強化
・化成品部門からテーマを受け、接着剤に捉われない技術・製品開発を推進していく。たとえば、車載用途向け封止材、塗料業界向け中間原料などが挙げられる
(3) 工事事業
同セグメントでは、同社における第3の柱として早急に売上高30,000百万円達成を目指す。そのための施策は以下のとおりとなる。
・社会インフラ(道路、鉄道、橋梁)の補修・改修工事の取り込みを一段と推進
・主力のボンドエンジニアリングの売上拡大
・関係会社の連携を強化
・土木建設工事に関連する企業の積極的なM&Aの実施を継続
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>