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昭和産業 Research Memo(1):焼成パン事業の商品開発力強化やグループ効率化による利益成長へ

注目トピックス 日本株
■要約

昭和産業<2004>は、1960年に世界で初めて家庭用天ぷら粉を発売した食品企業である。「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」をグループ経営理念とし、小麦・大豆・菜種・トウモロコシの4つの穀物を国内食品メーカーの中で唯一取り扱う企業であり、ブランドメッセージである「穀物ソリューション・カンパニー」を掲げている。

1. 2021年3月期の業績
2021年3月期の業績は、売上高255,997百万円(前期比0.8%増)、営業利益7,594百万円(同13.8%減)、経常利益9,213百万円(同9.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益10,115百万円(同49.5%増)となった。売上高については、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響による減収分は約100億円と見られるものの、ボーソー油脂(株)を子会社化したことにより業務用油脂の販売数量が伸びたほか、サンエイ糖化(株)の子会社化によって糖化品の販売数量が伸びて増収での着地となった。

2. 2022年3月期の業績予想
2022年3月期の業績については、売上高280,000百万円、営業利益7,900百万円、経常利益9,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,000百万円を見込んでいる。なお、同社は2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、前期比は記載していない。これによる売上高減少の影響は、約200億円弱となるもようだ。ただし穀物原料相場の上昇に伴う価格改定の徹底による効果のほか、2021年3月期に子会社化したボーソー油脂、サンエイ糖化が通年で業績に寄与することなどにより、増収を見込んでいる。

3. 中長期の成長戦略
同社グループは、同社90周年を迎える2025年度(2026年3月期)のありたい姿として、長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」(2017〜2025年度の9年間)を策定し、3次にわたり中期経営計画を展開している。2020年4月からは2nd Stageである「中期経営計画20-22」を進めている。「基盤事業の強化」の進捗については、サンエイ糖化との取り組みがメインとなっており、2020年12月の子会社化により同社グループの「糖質事業」に加わった。「事業領域の拡大」の進捗については、2020年9月に子会社化したボーソー油脂との取り組みが中心で、そのほかには大豆たん白の販売強化及び加工食品へのメニュー提案強化、新規事業としてアグリビジネスを進める。具体的には、鹿島第二工場エリアに完全人工光型の植物工場「グリーンソリューションファクトリー」を創設し、2023年3月期に売上高2億円とする目標を掲げている。

■Key Points
・2022年3月期にボーソー油脂及びサンエイ糖化が通年で業績に寄与
・大豆たん白食品の開発を進め、2022年3月期の売上高目標は20億円
・完全人工光型の植物工場「グリーンソリューションファクトリー」が2021年3月操業開始
・東南アジアでの海外展開を加速させるべく、海外事業の再強化を行う

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)




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