シュッピン Research Memo(5):21年3月期は第4四半期に売上高で過去最高(四半期ベース)を更新(2)
[21/06/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■シュッピン<3179>の決算概要
3. 四半期業績とKPIの推移
(1) 四半期業績の推移
四半期売上高の推移を見ると、2020年3月期第2四半期に過去2番目の水準を達成した後、同第3四半期は消費増税、同第4四半期はコロナ禍の影響を受けて伸び悩み、さらに2021年3月期に入ってからは、緊急事態宣言発令に伴う店舗休業等により第1四半期に大きく落ち込んだ。ただ、第2四半期からは、EC売上(自社サイト)の伸びにより、コロナ禍前の水準に戻ってきた。特に、第3四半期のEC売上は過去最高に到達すると、第4四半期は免税売上の伸びもあり、売上高全体でも過去最高(四半期ベース)を更新することができ、ECを軸とした業績の回復及び成長回帰への道筋が見えてきた。
(2) Web会員数
2021年3月期末のWeb会員数は前期末比12.7%増の514,460名と順調に伸びた。特に、7月以降の月間当たりの新規会員獲得は月5,000名台(前期の月平均は4,131名)が継続し、これまでのEC強化策が軌道に乗ってきたことがうかがえる。世代別の構成比を見ると、年齢層は幅広いが、10代〜30代の割合は41.9%を占め、インスタグラムなどのSNSの普及により、10代〜30代の女性比率が22.3%と高く、新たなターゲット層となっている。また、若い世代が構成比で増加しているなかでも、利用平均単価は維持されているところも特筆すべき傾向と言える。
(3) 購入会員数とアクティブ率
購入会員数とアクティブ率についても、第1四半期に落ち込んだものの、第2四半期から第3四半期にかけてはEC強化策(人員リソースのシフト、商品掲載数やコンテンツの拡充等)やカメラ新製品の効果もあり、2期連続で過去最高を更新した。欲しいリスト登録数や入荷お知らせメール登録数も順調に伸びており、それらのOne to Oneマーケティング施策もアクティブ率を高める要因になっているものと考えられる。
(4) 中古カメラ買取額
一方、中古カメラ買取額についても、第2四半期以降、好調に推移し、第4四半期においても前年同期比121.4%と大きく拡大した。これまで取り組んできた「先取交換」などの施策に加え、6月には「AIによる顔認証本人確認サービス」を開始したことや、新製品効果が相互に作用し合っているものと考えられる。特に、下取・先取交換件数は、EC強化やフルサイズミラーレス一眼の新製品効果により大きく増加している。
4. 2021年3月期の総括
コロナ禍の影響を受けた店舗売上の急激な落ち込みに加え、ECへのリソースシフトに一定の時間を要したことから、第1四半期こそ大きく後退したが、その後はECシフトへの体制を整え、巣ごもり需要等を取り込みながら、第4四半期には過去最高の売上高(四半期ベース)を更新しており、通期業績の数値以上に好調に推移(成長が持続)しているとの見方が妥当である。特に、主軸とするEC売上や関連するKPIが、コロナ禍を追い風として想定以上に伸びたところは、今後の成長を占ううえでもプラスの材料と言えるだろう。また、後述のとおり、EC強化への投資を継続し、今後の成長加速に向けて一定の成果を残すこともできた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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3. 四半期業績とKPIの推移
(1) 四半期業績の推移
四半期売上高の推移を見ると、2020年3月期第2四半期に過去2番目の水準を達成した後、同第3四半期は消費増税、同第4四半期はコロナ禍の影響を受けて伸び悩み、さらに2021年3月期に入ってからは、緊急事態宣言発令に伴う店舗休業等により第1四半期に大きく落ち込んだ。ただ、第2四半期からは、EC売上(自社サイト)の伸びにより、コロナ禍前の水準に戻ってきた。特に、第3四半期のEC売上は過去最高に到達すると、第4四半期は免税売上の伸びもあり、売上高全体でも過去最高(四半期ベース)を更新することができ、ECを軸とした業績の回復及び成長回帰への道筋が見えてきた。
(2) Web会員数
2021年3月期末のWeb会員数は前期末比12.7%増の514,460名と順調に伸びた。特に、7月以降の月間当たりの新規会員獲得は月5,000名台(前期の月平均は4,131名)が継続し、これまでのEC強化策が軌道に乗ってきたことがうかがえる。世代別の構成比を見ると、年齢層は幅広いが、10代〜30代の割合は41.9%を占め、インスタグラムなどのSNSの普及により、10代〜30代の女性比率が22.3%と高く、新たなターゲット層となっている。また、若い世代が構成比で増加しているなかでも、利用平均単価は維持されているところも特筆すべき傾向と言える。
(3) 購入会員数とアクティブ率
購入会員数とアクティブ率についても、第1四半期に落ち込んだものの、第2四半期から第3四半期にかけてはEC強化策(人員リソースのシフト、商品掲載数やコンテンツの拡充等)やカメラ新製品の効果もあり、2期連続で過去最高を更新した。欲しいリスト登録数や入荷お知らせメール登録数も順調に伸びており、それらのOne to Oneマーケティング施策もアクティブ率を高める要因になっているものと考えられる。
(4) 中古カメラ買取額
一方、中古カメラ買取額についても、第2四半期以降、好調に推移し、第4四半期においても前年同期比121.4%と大きく拡大した。これまで取り組んできた「先取交換」などの施策に加え、6月には「AIによる顔認証本人確認サービス」を開始したことや、新製品効果が相互に作用し合っているものと考えられる。特に、下取・先取交換件数は、EC強化やフルサイズミラーレス一眼の新製品効果により大きく増加している。
4. 2021年3月期の総括
コロナ禍の影響を受けた店舗売上の急激な落ち込みに加え、ECへのリソースシフトに一定の時間を要したことから、第1四半期こそ大きく後退したが、その後はECシフトへの体制を整え、巣ごもり需要等を取り込みながら、第4四半期には過去最高の売上高(四半期ベース)を更新しており、通期業績の数値以上に好調に推移(成長が持続)しているとの見方が妥当である。特に、主軸とするEC売上や関連するKPIが、コロナ禍を追い風として想定以上に伸びたところは、今後の成長を占ううえでもプラスの材料と言えるだろう。また、後述のとおり、EC強化への投資を継続し、今後の成長加速に向けて一定の成果を残すこともできた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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