オプティム Research Memo(4):AI・IoTプラットフォームを活用し、建設・農業・医療などで実績多数(2)
[21/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■オプティム<3694>の事業概要
(4) 「〇〇×IT」
プラットフォーマーのためのプラットフォームである「OPTiM Cloud IoT OS」を活用し、各産業とIT(AI・IoTなど)を組み合わせて全ての産業を第4次産業革命型産業へと再発明していく「○○×IT」と呼ぶこの取り組みは、実証実験から始まり、特定の顧客企業向けの正式な事業やサービスとして育っていく。先行する業界は、「建設×IT」「農業×IT」「医療×IT」であり、既に事業として立ち上がっているものもある。
a) 建設×IT
建設xIT分野は最もAI・IoT活用が進んだ分野の1つである。コマツが主導する建設・土木における新プラットフォーム「LANDLOG」に対して「OPTiM Cloud IoT OS」を提供し、安全で生産性の高い未来の現場の実現を目指す。建設生産プロセス全体のあらゆる「モノ」のデータを集め(ショベルカー、ダンプカー、ドローンなどの管理・解析が可能)、そのデータを適切な権限管理のもとに多くのプロバイダーがアプリを提供し(現在55社がアプリケーションを「LANDLOG」プラットフォームに提供)、多くの建設現場ユーザーが利用できる。また、2020年には、建設DXとICT(情報通信技術)施工を推進する「(株)ランドログマーケティング」を設立し、スマートコンストラクション・レトロフィットキット※の販売や、建設向けDXソリューションのマーケティングの実施を開始した。
※今使用している使い慣れた油圧ショベルに、最新のデジタル機器を“後付け”することで、ICTによる高機能化を実現する。
その他の取り組みとしては、九州最大のゼネコンである松尾建設(株)と共同で、LiDARセンサー付きタブレットで土構造物等の測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できるアプリケーション「OPTiM Geo Scan」を、世界に先駆けて開発し提供を開始した。これは、ドローンやレーザースキャナなどの利用が難しい小規模現場での利用が想定され、従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大6割削減することができる。また、測量には専門知識は不要で、一人で手軽に測量を行うことが可能であるため、人手不足や技術者不足解消にも役立つとしている。
b) 農業×IT
農業xITの分野においては、世界初のピンポイント農薬散布テクノロジーをはじめとしたAI・IoT・Roboticsの技術・プラットフォーム(農業DXサービス)を総合的に整備し、農業の省力化と高収益化を支援している。同社が開発したサービスには、ピンポイント農薬散布以外にも、ドローンを使った播種テクノジー、圃場をAI・IoTで画像・センサー解析するサービス(Agri Field Manager)、グライダー型ドローンを使った広域圃場管理システムなどがあり、いずれも最先端のスマート農業を支える技術となっている。
同社では、スマート農業を普及させ、“楽しく、かっこよく、稼げる農業”を実現するために、ビジネスモデル面でも革新的な取り組みを行ってきた。その1つが“スマートアグリフード”である。同社は生産者に対して最新のテクノロジーを無償提供し、付加価値の高い農作物を生産してもらう。それらを同社が全量買い取り、ブランドをつけて販売し、生産者とレベニューシェアをする。米の事例では、2020年にはピンポイント散布・施肥テクノロジー等を活用して作られた米「スマート米」が7品種生産され、ネット販売で好評を博しているようだ。
c) 医療×IT
同社は、医療分野においてもIoT・AI技術を組み合わせ、医療が抱える様々な課題の解決に取り組んでいる。一例を挙げると、2016年に遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表し、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2016」でグランプリを受賞した。2020年には、オンライン診療システムを手軽かつスピーディーに開発することができる「オンライン診療プラットフォーム」のOEM提供を開始している。さらに同年には、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボット「hinotori」向けの手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」の運用支援、安全・効率的な手術室の活用支援及び手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークサポートシステムのプラットフォーム「MINS(マインズ:Medicaroid Intelligent Network System)」の共同開発を行っている。「MINS」は、「hinotori」に搭載された各種センサー情報や内視鏡映像、手術室全体の映像等の情報をリアルタイムで収集・解析・提供するオープンプラットフォームであり、同社の「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに開発されている。
3. 同社の強み
同社は、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・Big Dataのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。なお、同社の強みは1) 豊富な技術的発想力、2) 高度な技術力、3) サービス企画・開発・運用力、4) 強固なライセンス収益、5) コンサルティング力、6) 事業創造力、の6点に整理することができる。
また、ミック経済研究所による2020年度版の市場調査では、同社のAIソリューションは5部門(業種別売上高動向の「農林水産業」部門、「医療」部門、ユーザー従業員数300名未満の「ユーザー従業員数300名未満の売上動向」部門、測定・観察・探索市場動向の「測定・観察・探索ベンダーシェア」部門、「アプリケーション」部門)で市場シェア1位を獲得した。このうち「測定・観察・探索ベンダーシェア」にはカメラソリューションが含まれ、該当製品に「OPTiM AI Camera」がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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(4) 「〇〇×IT」
プラットフォーマーのためのプラットフォームである「OPTiM Cloud IoT OS」を活用し、各産業とIT(AI・IoTなど)を組み合わせて全ての産業を第4次産業革命型産業へと再発明していく「○○×IT」と呼ぶこの取り組みは、実証実験から始まり、特定の顧客企業向けの正式な事業やサービスとして育っていく。先行する業界は、「建設×IT」「農業×IT」「医療×IT」であり、既に事業として立ち上がっているものもある。
a) 建設×IT
建設xIT分野は最もAI・IoT活用が進んだ分野の1つである。コマツが主導する建設・土木における新プラットフォーム「LANDLOG」に対して「OPTiM Cloud IoT OS」を提供し、安全で生産性の高い未来の現場の実現を目指す。建設生産プロセス全体のあらゆる「モノ」のデータを集め(ショベルカー、ダンプカー、ドローンなどの管理・解析が可能)、そのデータを適切な権限管理のもとに多くのプロバイダーがアプリを提供し(現在55社がアプリケーションを「LANDLOG」プラットフォームに提供)、多くの建設現場ユーザーが利用できる。また、2020年には、建設DXとICT(情報通信技術)施工を推進する「(株)ランドログマーケティング」を設立し、スマートコンストラクション・レトロフィットキット※の販売や、建設向けDXソリューションのマーケティングの実施を開始した。
※今使用している使い慣れた油圧ショベルに、最新のデジタル機器を“後付け”することで、ICTによる高機能化を実現する。
その他の取り組みとしては、九州最大のゼネコンである松尾建設(株)と共同で、LiDARセンサー付きタブレットで土構造物等の測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できるアプリケーション「OPTiM Geo Scan」を、世界に先駆けて開発し提供を開始した。これは、ドローンやレーザースキャナなどの利用が難しい小規模現場での利用が想定され、従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大6割削減することができる。また、測量には専門知識は不要で、一人で手軽に測量を行うことが可能であるため、人手不足や技術者不足解消にも役立つとしている。
b) 農業×IT
農業xITの分野においては、世界初のピンポイント農薬散布テクノロジーをはじめとしたAI・IoT・Roboticsの技術・プラットフォーム(農業DXサービス)を総合的に整備し、農業の省力化と高収益化を支援している。同社が開発したサービスには、ピンポイント農薬散布以外にも、ドローンを使った播種テクノジー、圃場をAI・IoTで画像・センサー解析するサービス(Agri Field Manager)、グライダー型ドローンを使った広域圃場管理システムなどがあり、いずれも最先端のスマート農業を支える技術となっている。
同社では、スマート農業を普及させ、“楽しく、かっこよく、稼げる農業”を実現するために、ビジネスモデル面でも革新的な取り組みを行ってきた。その1つが“スマートアグリフード”である。同社は生産者に対して最新のテクノロジーを無償提供し、付加価値の高い農作物を生産してもらう。それらを同社が全量買い取り、ブランドをつけて販売し、生産者とレベニューシェアをする。米の事例では、2020年にはピンポイント散布・施肥テクノロジー等を活用して作られた米「スマート米」が7品種生産され、ネット販売で好評を博しているようだ。
c) 医療×IT
同社は、医療分野においてもIoT・AI技術を組み合わせ、医療が抱える様々な課題の解決に取り組んでいる。一例を挙げると、2016年に遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表し、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2016」でグランプリを受賞した。2020年には、オンライン診療システムを手軽かつスピーディーに開発することができる「オンライン診療プラットフォーム」のOEM提供を開始している。さらに同年には、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボット「hinotori」向けの手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」の運用支援、安全・効率的な手術室の活用支援及び手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークサポートシステムのプラットフォーム「MINS(マインズ:Medicaroid Intelligent Network System)」の共同開発を行っている。「MINS」は、「hinotori」に搭載された各種センサー情報や内視鏡映像、手術室全体の映像等の情報をリアルタイムで収集・解析・提供するオープンプラットフォームであり、同社の「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに開発されている。
3. 同社の強み
同社は、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・Big Dataのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。なお、同社の強みは1) 豊富な技術的発想力、2) 高度な技術力、3) サービス企画・開発・運用力、4) 強固なライセンス収益、5) コンサルティング力、6) 事業創造力、の6点に整理することができる。
また、ミック経済研究所による2020年度版の市場調査では、同社のAIソリューションは5部門(業種別売上高動向の「農林水産業」部門、「医療」部門、ユーザー従業員数300名未満の「ユーザー従業員数300名未満の売上動向」部門、測定・観察・探索市場動向の「測定・観察・探索ベンダーシェア」部門、「アプリケーション」部門)で市場シェア1位を獲得した。このうち「測定・観察・探索ベンダーシェア」にはカメラソリューションが含まれ、該当製品に「OPTiM AI Camera」がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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