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NexusB Research Memo(4):Fintech事業がM&A効果で大幅増収増益に

注目トピックス 日本株
■Nexus Bank<4764>の業績動向

2. 事業セグメント別業績
(1) Fintech事業
Fintech事業の営業収益は前年同期比5,305百万円増の5,353百万円、営業利益は同1,653百万円増の1,620百万円となった。このうち、海外エリア(JT親愛貯蓄銀行)の営業収益は5,178百万円、営業利益で1,650百万円と大半を占めている。2020年12月期第4四半期は2ヶ月間の寄与で営業収益が3,284百万円、営業利益が702百万円であったことから、月平均で見れば、営業収益は前第4半期比で5.1%増、営業利益は貸倒引当金戻入551百万円の効果を除いたベースで4.3%増と堅調に推移していることになる。

韓国では金融業界における総量規制や上限貸付金利規制をはじめとした貸付規制強化が続くなか、徹底した顧客分析と審査による中金利帯の個人向け無担保貸付を中心に新規貸付を継続した結果、貸付残高が1,869億円※と前年同期比2.3%増加するなど堅調に推移したこと、また、Fintech技術を活用した非対面による金融取引サービス(口座開設?貸付?送金等)を実現するスマートフォンアプリ等の機能拡充に加えて、AIを活用した信用評価サポートシステムの導入・追加開発、消費者貸付システム、コールインフラシステムの高度化等、ITを駆使した貸付審査業務の最適化、顧客応対業務の効率化に取り組んでいることも、業績が順調に推移している要因となっている。

※韓国現地の会計基準(K-GAAP)によるものであり、日本基準では1,848億円となる。


一方、国内Fintechの営業収益は前年同期比126百万円増の174百万円、営業損失は同2百万円縮小の30百万円となった。営業収益は、Nexus Cardを子会社化したことによる増加が主因となっている。費用面では在留外国人等を対象としたデポジット型クレジットカード事業や株式譲渡前のクラウドファンディングサービスへの先行投資により、前年同期並みの水準にとどまった。

(2) ITソリューション事業
ITソリューション事業の営業収益は前年同期比3百万円増の62百万円、営業利益は同3百万円増の16百万円となった。営業収益は、「Fast Connector」シリーズを中心としたミドルウェアソリューションの案件獲得に注力したことに加え、グループ間連携による内部取引高17百万円を計上したことが増収要因となった。なお、営業収益の構成比を見ると、ミドルウェアソリューションが24.7%。グループ内取引高が28.8%、システム開発ソリューションが46.5%となっている。

同社ではグループのサービス基盤強化に向けてSAMURAI TECHNOLORYの開発リソースを活用していく予定としており、今後も内部取引高は増加していくものと予想される。

(3) その他
その他として賃貸不動産事業を行っており、営業収益は前年同期比3百万円減の12百万円、営業利益は同2百万円減の10百万円となった。コロナ禍の影響で2020年12月期第2四半期以降、賃貸不動産(大阪市中央区東心斎橋)の賃料減額を実施、継続していることが減少要因となっている。


M&A効果により総資産は2,000億円を超える

3. 財務状況
2021年12月期第1四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比16,015百万円増の228,382百万円となった。営業貸付金が8,614百万円増加したほか、現預金が3,620百万円増加、貸倒引当金が667百万円減少(増加要因)したことによる。また、固定資産では有形固定資産が146百万円、投資その他資産が125百万円それぞれ増加した。

負債合計は前期末比13,664百万円増加の201,852百万円となった。流動負債では、銀行業における預金が14,684百万円増加し、未払法人税等が632百万円減少した。固定負債では、繰延税金負債が105百万円増加している。有利子負債合計は同125百万円減少の1,139百万円となっている。

純資産合計は前期末比2,350百万円増加の26,529百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益998百万円の計上等により利益剰余金が1,559百万円増加したほか、期末為替レートが円安に進んだことにより為替換算調整勘定が565百万円増加した。

経営指標について見ると、財務の健全性を表す自己資本比率は前期末の11.4%から11.6%となっている。水準として低く見えるが、これはJT親愛貯蓄銀行を連結化しているためで、同銀行の自己資本比率はBIS水準を上回っており、財務面での懸念は無いと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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