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日ダイナミク Research Memo(5):プロジェクト管理・品質管理を徹底

注目トピックス 日本株
■日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>の事業概要

6. リスク要因・収益特性
主要なリスク要因として、IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)においては、大型案件などの受注や個別案件ごとの採算性によって売上や利益が変動する可能性がある。

この対策として、個別案件ごとの採算性に関しては、政策的・戦略的に低採算でも受注する案件もあるが、通常は受注委員会において見積段階から採算をチェックするとともに、受注後も月1回の審議会においてプロジェクト進捗・品質管理状況を厳重にチェックするなど、プロジェクト管理・品質管理を徹底して不採算化防止・採算維持に取り組んでいる。また全社ベースの取り組みとして業務プロセス改善による効率化を推進している。

またシステム開発事業は開発後の保守・運用サービス受託拡大によって、サポート&サービス事業は継続受託案件の積み上げによって、ストック売上が拡大(IT関連事業のストック売上高比率は2021年3月期実績で約8割)し、すでにストック型の安定した収益構造となっている。

パーキングシステム事業においては、利用料収入や駐輪場管理運営などのストック収入が約7割(2020年3月期)を占めている。2021年3月期はコロナ禍に伴う外出自粛の影響で利用者数が大幅減少し、利用料収入も大幅減少したが、この一過性要因を除けば、受注変動がある機器販売のフロー売上に頼らず、管理現場数・管理台数の積み上げによって利用料収入がストック収入となる収益構造だ。

また季節要因として、システム開発事業は企業のIT投資予算の執行時期や検収時期の関係で、第2四半期(7月−9月)及び第4四半期(1月−3月)の構成比が高い傾向がある。このため一時的な大型案件や不採算案件などの影響を除けば、全体として四半期ベースでは第2四半期と第4四半期の構成比が高く、また半期ベースでは下期(10月−3月)の構成比が高い傾向がある。ただしストック型売上が拡大しているため、四半期業績の平準化が進展して季節要因の影響は小さくなっている。


システム開発事業の利益率が上昇基調
7. IT関連事業の利益率が上昇基調
過去5期(2017年3月期−2021年3月期)のセグメント別売上高と構成比を見ると、2021年3月期はパーキングシステム事業がコロナ禍の影響(外出自粛による駐輪場利用料収入減少、工事や商談の延期)を大きく受けたが、この一過性要因を除けば、構成比はおおむねIT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)が6割強、パーキングシステム事業が3割強で推移している。

過去5期(2017年3月期−2021年3月期)のセグメント別営業利益と構成比(連結調整前)を見ると、2021年3月期はパーキングシステム事業がコロナ禍の影響を受けたが、この一過性要因を除いてもIT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)の構成比が上昇傾向である。

過去5期(2017年3月期−2021年3月期)のセグメント別営業利益率を見ると、システム開発事業は、プロジェクト管理・品質管理徹底などの施策の成果で利益率が上昇基調である。サポート&サービス事業は、新規受託の大型案件(他社案件からの切り替え受託を含む)で一時的なコストが発生した場合に、利益率が低下する傾向(2017年3月期、2020年3月期)があるが、2021年3月期は大幅に改善した。またパーキングシステム事業は、2021年3月期にコロナ禍の影響を受けたが、この一過性要因を除けば10%台の高い水準で推移している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)




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