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クオールHD Research Memo(4):2021年3月期は減収減益となるも、利益は会社計画を上回る

注目トピックス 日本株
■業績の動向

1. 2021年3月期の業績概要
クオールホールディングス<3034>の2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比2.2%減の161,832百万円、営業利益で同4.8%減の7,364百万円、経常利益で同7.7%減の7,403百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同17.3%減の3,365百万円と減収減益となった。医療関連事業は増収増益を確保したものの、主力の保険薬局事業がコロナ禍の影響を受けて減収減益となった。感染リスクを避けるため医療機関への受診を控える動きや、処方期間を長期化する傾向が続き、処方箋応需枚数が前期比9.8%減と大きく減少したことが主因だ。

会社計画からは売上高こそ未達となったものの、各利益は上振れて着地した。売上高については下期に回復すると見ていた処方箋応需枚数が、感染再拡大により2021年2月まで前年同月比でマイナス基調が続いたこと、また、CMR派遣や薬剤師派遣も下期に入って需要が落ち込んだこと等未達要因となった。一方、利益に関しては保険薬局事業において、コスト適正化プロジェクトによるコスト削減や、薬局の陣配置見直しに取り組んだ効果が大きかったようで、下期は前年同期比で減収ながらも営業利益は増益に転じている。

事業セグメント別の業績を見ると、保険薬局事業は売上高(セグメント間取引控除前、以下同様)で前期比2.9%減の148,778百万円、経営管理料控除前のセグメント利益で同2.3%減の8,074百万円となった。処方箋単価が前期比7.5%上昇したものの、処方箋応需枚数が同9.8%減となったことが響いた。また、費用面では第1四半期に薬剤師等医療関連従事者に対してコロナ禍での勤務に対する感謝金(1人当たり数万円)を支給したことも減益要因となっている。

一方、医療関連事業は売上高で前期比2.7%増の13,811百万円、経営管理料控除前のセグメント利益で同2.0%増の1,476百万円と増収増益となった。2019年8月にグループ化した医薬品製造販売事業がフル寄与したことが主因で、薬剤師等の医療系人材紹介派遣事業については減収減益になったと見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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