ODK Research Memo(1):データのプラットフォーマーとしての立ち位置を確立すべく、新たな成長ステージへ
[21/07/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
ODKソリューションズ<3839>は、機密性の高い大量データ処理に強みを持つ独立系のIT企業である。同社の主力サービスは、大学入試業務をはじめとする教育関連サービスと、証券会社等のバックオフィス業務をサポートする金融関連サービス。教育関連サービスにおいては、2021年の入試で、約110万人の志願者データを処理、13期連続して大学入学共通テストの志願者数を上回る処理実績を有し、民間企業でシェアトップ。この他、これまで培ってきた強みを活かして医療やカスタマーサクセスといった新たな領域にも進出し、第3の成長ドライバーと位置付け強化している。
現在75大学に導入されている日本初の大学横断型受験ポータルサイト『UCARO(R)(ウカロ)』を中心にデータのプラットフォーマーとしてのポジションを確立すべく、新たな取り組みを推し進めている。
2. 業績動向
一部指定変更後初となる2021年3月期の連結業績については、売上高が前期比5.0%増の5,412百万円、営業利益が同27.8%増の669百万円、経常利益が同25.6%増の695百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.7%増の474百万円となった。期初計画では減益予想であったものの、2ケタ増益で着地した。教育業務における既存顧客との取引深耕や新規受託、証券業務におけるサーバーリプレイス案件などがけん引した。
2022年3月期の連結業績予想については、売上高が前期比10.9%増の6,000百万円、営業利益が同4.4%減の640百万円、経常利益が同3.6%減の670百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.0%減の460百万円を見込んでいる。市況の影響や成長投資などを考慮して減益予想としているが、保守的な印象が強く、会社予想を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は、前年の中期経営計画を見直し、ロールオーバーした新中期経営計画(2022年3月期〜2024年3月期)を公表した。新中期経営計画からは新たにグループ戦略が盛り込まれた。ODKグループの各事業や企業が得意領域を伸長し、自立した企業の連合体を目指すための経営基盤の確立を目指す。目標値として2024年3月期に連結売上高8,000百万円、経常利益800百万円、年10円の安定配当堅持を掲げている。
ODK単体の基本方針では、データビジネスによる新たな価値創造に向け、保有するデータ量・種類の拡大をするとともに、『UCARO(R)』を主軸に利用者個人の人生に寄り添い、より豊かな人生を実現するサポートを目指すとしている。これらの戦略により、同社はデータのプラットフォーマーとしての立ち位置の確立を目指す方針だ。
■Key Points
・機密性の高い大量のデータ処理に強みを持つIT企業
・2021年3月期は増収増益で着地。2022年3月期は減益予想とするも、保守的な印象が強く上振れの可能性も
・ 新たにグループ戦略を策定。『UCARO(R)』を主軸に利用者個人の人生に寄り添い、データのプラットフォーマーとしての立ち位置を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<YM>
1. 会社概要
ODKソリューションズ<3839>は、機密性の高い大量データ処理に強みを持つ独立系のIT企業である。同社の主力サービスは、大学入試業務をはじめとする教育関連サービスと、証券会社等のバックオフィス業務をサポートする金融関連サービス。教育関連サービスにおいては、2021年の入試で、約110万人の志願者データを処理、13期連続して大学入学共通テストの志願者数を上回る処理実績を有し、民間企業でシェアトップ。この他、これまで培ってきた強みを活かして医療やカスタマーサクセスといった新たな領域にも進出し、第3の成長ドライバーと位置付け強化している。
現在75大学に導入されている日本初の大学横断型受験ポータルサイト『UCARO(R)(ウカロ)』を中心にデータのプラットフォーマーとしてのポジションを確立すべく、新たな取り組みを推し進めている。
2. 業績動向
一部指定変更後初となる2021年3月期の連結業績については、売上高が前期比5.0%増の5,412百万円、営業利益が同27.8%増の669百万円、経常利益が同25.6%増の695百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.7%増の474百万円となった。期初計画では減益予想であったものの、2ケタ増益で着地した。教育業務における既存顧客との取引深耕や新規受託、証券業務におけるサーバーリプレイス案件などがけん引した。
2022年3月期の連結業績予想については、売上高が前期比10.9%増の6,000百万円、営業利益が同4.4%減の640百万円、経常利益が同3.6%減の670百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.0%減の460百万円を見込んでいる。市況の影響や成長投資などを考慮して減益予想としているが、保守的な印象が強く、会社予想を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は、前年の中期経営計画を見直し、ロールオーバーした新中期経営計画(2022年3月期〜2024年3月期)を公表した。新中期経営計画からは新たにグループ戦略が盛り込まれた。ODKグループの各事業や企業が得意領域を伸長し、自立した企業の連合体を目指すための経営基盤の確立を目指す。目標値として2024年3月期に連結売上高8,000百万円、経常利益800百万円、年10円の安定配当堅持を掲げている。
ODK単体の基本方針では、データビジネスによる新たな価値創造に向け、保有するデータ量・種類の拡大をするとともに、『UCARO(R)』を主軸に利用者個人の人生に寄り添い、より豊かな人生を実現するサポートを目指すとしている。これらの戦略により、同社はデータのプラットフォーマーとしての立ち位置の確立を目指す方針だ。
■Key Points
・機密性の高い大量のデータ処理に強みを持つIT企業
・2021年3月期は増収増益で着地。2022年3月期は減益予想とするも、保守的な印象が強く上振れの可能性も
・ 新たにグループ戦略を策定。『UCARO(R)』を主軸に利用者個人の人生に寄り添い、データのプラットフォーマーとしての立ち位置を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<YM>