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ODK Research Memo(6):「データビジネスによる新たな価値の創造」を基本方針とし、さらなる成長を目指す

注目トピックス 日本株
■成長戦略

ODKソリューションズ<3839>は、2021年3月期実績の状況を踏まえて経営環境変化に対応し、前期の中期経営計画を見直し、ロールオーバーした新中期経営計画(2022年3月期〜2024年3月期)を公表した。それによると、最終年度である2024年3月期の業績目標値(連結)は売上高8,000百万円、経常利益800百万円と、売上高・経常利益ともに過去最高を目指す。また、配当については従来どおり、年10円の安定配当を堅持する方針である。

1. 基本方針と具体的な取り組み
単体での基本方針として「データビジネスによる新たな価値の創造」、基本戦略として「保有するデータ量・種類の拡大」を掲げ、重点課題として「アライアンス・M&Aの推進」「各事業領域における提供サービスの拡充」「事業横断サービスの開発」の3つを挙げている。特に、教育業務の『UCARO(R)』をデータのプラットフォームとして育成し、各事業領域をつなぐハブとした事業横断サービスの開発などを推進することで、サービスの拡張を目指す。

また、中期経営計画達成に向けた具体的な取り組みとしては、教育関連サービスの拡大に向けて教育ソリューション部の組織体制を整備する。組織体制変更の目的としては、プロダクト中心の推進体制構築、『UCARO(R)』の全大学・全社共通プラットフォーム化(データ収集の最大化・データドリブンへのシフト)、新規事業開発のスピードアップ、先端テクノロジー人材の育成と登用としている。そのほか、カスタマーサクセスオートメーションツール『pottos(R)』の拡販に向けて、2021年2月に機能拡張したVer.2の提供を開始、4月に独立部署としてpottos事業推進室を新設した。これらの取り組みによって、主力事業のさらなる拡大を目指す。

2. 社会的環境変化に対する戦略
教育業界における社会的環境変化(企業間連携・協業による教育サービス提供の増加)に対する戦略としては、協業によって『UCARO(R)』サービスの拡充を推進し、受託校数の拡大を図る。特に『UCARO(R)』のユーザIDと学研グループのユーザIDの連携による新サービス開発など、筆頭株主である学研グループとの連係を強化する。2021年4月には(株)学研教育みらいと協業して、新サービス「入試・リメディアル ソリューションサービス」の提供を開始した。作問のリソース確保や主体性・思考力測定など大学入試領域の課題を解決するとともに、総合型選抜入学者の学力差縮小や学生の文章力向上を図る。

証券業界における社会的環境変化(総合取引所の始動)に対する戦略としては、不公正売買監視システム『Watch21』が新たに商品先物取引に対応した。日本証券業協会及び取引所が定める売買監視基準のほか、各証券会社が定めた任意の抽出基準を設定可能であり、抽出基準に基づく該当事案を自動抽出して業務負荷を軽減する。

同社は証券金融グループ主体の事業モデルから脱却し、教育関連サービスを主力とする独立系IT企業として業容を拡大している。今後は、M&Aやアライアンスも積極活用してデータプラットフォーマーとしてのグループ成長を目指す方針であることからも、新たな成長ステージを迎えたと評価できるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)




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