HCH Research Memo(6):M&Aや人材育成での独自ノウハウ構築でさらなる差別化・収益拡大へ
[21/07/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
4. M&Aによるインオーガニック成長
IT人材派遣業界では、中小企業を中心に再編が加速し買収機会が豊富である。その中から慎重に投資判断を行い、PMIを早期に実現にする戦略的なM&Aを今後も継続的に実施し、インオーガニックな売上高・利益成長を目指している。
ヒューマンクリエイションホールディングス<7361>はM&Aの仲介会社20社以上と契約しており、紹介は平均160件/月に上る。エンジニアを豊富に有する過去案件と同規模の企業を主たるターゲットとし、継続的なM&Aによるインオーガニック成長を目指す。企業買収を行った直後はPMIのイニシャルコストが発生することによって、一時的な収益の低下が避けられないため、その後のPMIとスケールメリットを生かすことが期待される。
直近では、ACFが(株)グローステクノロジーズの営む事業の一部と、事業に関わる資産を譲受した。譲受事業の内容は非開示であるものの、グローステクノロジーズは「営業先リスト自動収集AI」や、高速かつコスト低減を実現する「サスティナブルハイブリッドクラウド」、工事不要・最短1日でVPN環境をスタートできる「挿すだけVPN」など、DX分野における高度なソリューションを有していることから、ACFのコンサルティング・受託機能の強化に資するとみられる。それ以外にもCLS・BKSのように上流・中流工程に位置し、工程に厚みを持たせるための買収を過去に行っており、保守運用に関してはSLGも買収している。
M&Aにおける社内でのノウハウ獲得・蓄積にも精力的で、人材面では大手コンサルティングファーム等でのM&A推進やハンズオンでの企業業績改善、総合商社でのシステムインテグレータ事業の戦略策定やヘルスケア事業のPMI推進などの実績を有する音吉元樹氏を執行役員に招き入れている。音吉氏主導のもと、場当たり的でない、各リスクをコントロールし、シナジーを生みやすいM&Aをこなしていくことで、社内ではさらにノウハウが蓄積され、その後の成長を後押しすると弊社は予想する。
マクロ環境としては、市場規模は堅調に推移しており、かつエンジニア不足は加速度的に進行する中でこれらの企業の買収はコンサルティング・受託分野のバリューチェーンを補完するものとして重要なマイルストーンとなっている。
インオーガニックのM&A戦略では、従来企業内で有していたリソースを活用できるかどうかというポイントもさることながら、リスク面の認識も重要である。すなわち、国内外の経済環境の変化等の理由から、同社グループがPMIにおいて十分なコントロールを行えない可能性があること、また買収等した企業の顧客基盤や人財が流出する可能性もあり、当初に期待したシナジーを得られない可能性もある。
このようなリスクに対して、同社は対象企業の選別に注力し、対象企業についてはファイナンシャルアドバイザー等の外部機関を活用した十分な調査の実施、買収メリット等を総合的に勘案し検討している。また、買収後は100日プロジェクトの作成・実行など入念にPMIを行い、速やかなリスク低減の策を講じているため、新興企業ながらM&Aに慣れている会社であると弊社は判断する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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4. M&Aによるインオーガニック成長
IT人材派遣業界では、中小企業を中心に再編が加速し買収機会が豊富である。その中から慎重に投資判断を行い、PMIを早期に実現にする戦略的なM&Aを今後も継続的に実施し、インオーガニックな売上高・利益成長を目指している。
ヒューマンクリエイションホールディングス<7361>はM&Aの仲介会社20社以上と契約しており、紹介は平均160件/月に上る。エンジニアを豊富に有する過去案件と同規模の企業を主たるターゲットとし、継続的なM&Aによるインオーガニック成長を目指す。企業買収を行った直後はPMIのイニシャルコストが発生することによって、一時的な収益の低下が避けられないため、その後のPMIとスケールメリットを生かすことが期待される。
直近では、ACFが(株)グローステクノロジーズの営む事業の一部と、事業に関わる資産を譲受した。譲受事業の内容は非開示であるものの、グローステクノロジーズは「営業先リスト自動収集AI」や、高速かつコスト低減を実現する「サスティナブルハイブリッドクラウド」、工事不要・最短1日でVPN環境をスタートできる「挿すだけVPN」など、DX分野における高度なソリューションを有していることから、ACFのコンサルティング・受託機能の強化に資するとみられる。それ以外にもCLS・BKSのように上流・中流工程に位置し、工程に厚みを持たせるための買収を過去に行っており、保守運用に関してはSLGも買収している。
M&Aにおける社内でのノウハウ獲得・蓄積にも精力的で、人材面では大手コンサルティングファーム等でのM&A推進やハンズオンでの企業業績改善、総合商社でのシステムインテグレータ事業の戦略策定やヘルスケア事業のPMI推進などの実績を有する音吉元樹氏を執行役員に招き入れている。音吉氏主導のもと、場当たり的でない、各リスクをコントロールし、シナジーを生みやすいM&Aをこなしていくことで、社内ではさらにノウハウが蓄積され、その後の成長を後押しすると弊社は予想する。
マクロ環境としては、市場規模は堅調に推移しており、かつエンジニア不足は加速度的に進行する中でこれらの企業の買収はコンサルティング・受託分野のバリューチェーンを補完するものとして重要なマイルストーンとなっている。
インオーガニックのM&A戦略では、従来企業内で有していたリソースを活用できるかどうかというポイントもさることながら、リスク面の認識も重要である。すなわち、国内外の経済環境の変化等の理由から、同社グループがPMIにおいて十分なコントロールを行えない可能性があること、また買収等した企業の顧客基盤や人財が流出する可能性もあり、当初に期待したシナジーを得られない可能性もある。
このようなリスクに対して、同社は対象企業の選別に注力し、対象企業についてはファイナンシャルアドバイザー等の外部機関を活用した十分な調査の実施、買収メリット等を総合的に勘案し検討している。また、買収後は100日プロジェクトの作成・実行など入念にPMIを行い、速やかなリスク低減の策を講じているため、新興企業ながらM&Aに慣れている会社であると弊社は判断する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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