ナノキャリア Research Memo(3):創薬バイオベンチャーとして着実に進化・成長(2)
[21/07/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
3. 特徴と強み
(1) 特徴と強み
ナノキャリア<4571>は、自社プラットフォーム技術で創薬を目指す数少ない国内バイオベンチャー企業で、既存の抗がん剤をミセル化ナノ粒子に封入し、患部に直接届けることで、より副作用を少なくして効用を高めることで創薬の裾野拡大に貢献している。また、当該技術は不安定な物質の安定化にも寄与し、核酸などの新しいモダリティの開発にも貢献する。
同社はこれまで数多くの臨床試験(治験)に取り組んできており、後期ステージの開発も複数実施するなど、結果として、大量生産における品質管理などが厳格に管理される治験薬製造も含めた臨床開発に関連する豊富な経験・知識と、がん領域から次世代医薬品(抗体、核酸)まで幅広い技術資産が蓄積されている。
抗がん剤市場は、全世界で2020年に約144億米国ドルを売上げた免疫チェックポイント阻害薬キートルーダなど近年画期的な新薬が上市されるなどにより世界的に拡大を続けている。同社は、世界のがん治療トレンドに合わせフレキシブルに開発戦略を修正し、同社開発品において、がん治療の中心となったキイトルーダの併用薬として製剤価値を付加することで、製薬企業の関心を高めるなど、抗がん剤市場の先を見通し、開発を推進していることが強みとしてあげられる。また、同社は、開発を主体としており、抗がん剤領域の開発に関するエキスパートが集合していることから、VB-111のように、海外製品の導入において、市場性や革新性などを自社で評価できることも強みである。
また、核酸医薬については、これまでになかった市場を切り開くもので、2030年には市場性は2.1兆円規模になるとの予測もあり、国内でトップを走っていた核酸創薬に特化したアキュルナを取り込んだことは、mRNAなどの核酸領域のこれまでの地道な研究実績の蓄積が今後確実に強みとして生きてくると考えられる。
(2) ビジネスモデル
自社創製製品及び導入製品(ライセンスイン)などにおいて、臨床開発を行い、自社販売することによる収入の確保、並びに開発の途中ステージで他社へライセンスアウトすることによる契約一時金、マイルストーン及びロイヤリティ収入の確保を見込んでいる。
a) ライセンスイン
他社が保有する有望な医薬品候補を導入し、同社が開発・販売することで販売収入を計上。ただし、ライセンス元に対して契約一時金、マイルストーン、販売高に対するロイヤリティや製剤供給費用を同社が支払う。ライセンスインについては、開発後期段階の有望な医薬品候補を導入するため一定の費用が発生するが、初期段階から開発を行うよりも短期間で上市が期待できる。
b) ライセンスアウト
自社で研究開発中の医薬品候補を導出し、契約時点までの知的財産権を含む研究開発成果及び開発・販売・製造権の実施許諾に対する契約一時金、並びに所定の開発段階に到達したときに支払われるマイルストーン収入及び医薬品上市後の販売高に対するロイヤリティ収入等を見込む。ライセンス契約による提携は、同社が保有する特許権及びノウハウについての実施許諾、さらに同社が独占的な実施権を有する特許権の再実施許諾がベースになる。ライセンス契約後の研究開発等の経費は提携先が負担することになり、同社の開発コスト及び開発リスクが軽減される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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3. 特徴と強み
(1) 特徴と強み
ナノキャリア<4571>は、自社プラットフォーム技術で創薬を目指す数少ない国内バイオベンチャー企業で、既存の抗がん剤をミセル化ナノ粒子に封入し、患部に直接届けることで、より副作用を少なくして効用を高めることで創薬の裾野拡大に貢献している。また、当該技術は不安定な物質の安定化にも寄与し、核酸などの新しいモダリティの開発にも貢献する。
同社はこれまで数多くの臨床試験(治験)に取り組んできており、後期ステージの開発も複数実施するなど、結果として、大量生産における品質管理などが厳格に管理される治験薬製造も含めた臨床開発に関連する豊富な経験・知識と、がん領域から次世代医薬品(抗体、核酸)まで幅広い技術資産が蓄積されている。
抗がん剤市場は、全世界で2020年に約144億米国ドルを売上げた免疫チェックポイント阻害薬キートルーダなど近年画期的な新薬が上市されるなどにより世界的に拡大を続けている。同社は、世界のがん治療トレンドに合わせフレキシブルに開発戦略を修正し、同社開発品において、がん治療の中心となったキイトルーダの併用薬として製剤価値を付加することで、製薬企業の関心を高めるなど、抗がん剤市場の先を見通し、開発を推進していることが強みとしてあげられる。また、同社は、開発を主体としており、抗がん剤領域の開発に関するエキスパートが集合していることから、VB-111のように、海外製品の導入において、市場性や革新性などを自社で評価できることも強みである。
また、核酸医薬については、これまでになかった市場を切り開くもので、2030年には市場性は2.1兆円規模になるとの予測もあり、国内でトップを走っていた核酸創薬に特化したアキュルナを取り込んだことは、mRNAなどの核酸領域のこれまでの地道な研究実績の蓄積が今後確実に強みとして生きてくると考えられる。
(2) ビジネスモデル
自社創製製品及び導入製品(ライセンスイン)などにおいて、臨床開発を行い、自社販売することによる収入の確保、並びに開発の途中ステージで他社へライセンスアウトすることによる契約一時金、マイルストーン及びロイヤリティ収入の確保を見込んでいる。
a) ライセンスイン
他社が保有する有望な医薬品候補を導入し、同社が開発・販売することで販売収入を計上。ただし、ライセンス元に対して契約一時金、マイルストーン、販売高に対するロイヤリティや製剤供給費用を同社が支払う。ライセンスインについては、開発後期段階の有望な医薬品候補を導入するため一定の費用が発生するが、初期段階から開発を行うよりも短期間で上市が期待できる。
b) ライセンスアウト
自社で研究開発中の医薬品候補を導出し、契約時点までの知的財産権を含む研究開発成果及び開発・販売・製造権の実施許諾に対する契約一時金、並びに所定の開発段階に到達したときに支払われるマイルストーン収入及び医薬品上市後の販売高に対するロイヤリティ収入等を見込む。ライセンス契約による提携は、同社が保有する特許権及びノウハウについての実施許諾、さらに同社が独占的な実施権を有する特許権の再実施許諾がベースになる。ライセンス契約後の研究開発等の経費は提携先が負担することになり、同社の開発コスト及び開発リスクが軽減される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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