アクセル Research Memo(8):自動運転向けAIチップやセキュリティ製品、ブロックチェーンなどへも注力
[21/07/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(3) 自動運転向けAIチップ
NEDOの公募事業の一環として2017年から研究を進めてきた「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」に関しては、順調に開発が進んでおり、2021年頃に試作チップが完成する見通しとなっている。完全自動運転の実用化に向けて、資本業務提携先の(株)ティアフォーや複数の大学と共同で開発を進めてきたプロジェクトで、ティアフォーがアプリケーションソフト(完全自動運転・監視)、埼玉大学がミドルウェア、東京大学がコンパイラ・OSの開発をそれぞれ担当し、アクセル<6730>は半導体の設計・開発を担当した。
今後のロードマップとしては、試作チップをもとに、2022年以降に実証実験を行い、製品化につなげていきたい考えだ。用途としては、工場内で走行する自動搬送車両や過疎地域における高齢者向け移動車などを想定している。また、自動運転用途以外のAI活用領域への転用も可能なことから、IP化してロイヤリティ収入を得るといったビジネスモデルも考えられる。自動運転市場は市場規模も大きく実証実験の動向が注目される。
(4) セキュリティ製品
セキュリティ製品としては、暗号技術を用いたソリューション「SHALO」を搭載したUSBドングルの販売を2020年9月より開始している。国内セキュリティ市場において同社のターゲットとなる市場規模は、NPO日本ネットワークセキュリティ協会「2019年度国内情報セキュリティ市場調査」(従来分類版)によると、暗号化製品で404億円、アイデンティティ・アクセス管理で1,348億円と見られており、成長ポテンシャルは大きい。情報セキュリティに対する意識は年々高くなっており、唯一の国産品であることの強みを活かして、売上を拡大していきたい考えだ。現在は法人向けのみだが、個人向けの販売も検討している。今後、いかに認知度を高めていくことができるかが、売上成長の鍵を握るものと考えられる。
(5) ブロックチェーン
ブロックチェーンの取り組みとしては、2020年3月にマイニングハードウェア「VMINE」の販売を開始している。2021年3月期は対象となる暗号通貨の価格が冴えなかったことから、販売は低調だったが、足元では価格が上昇傾向となっていることから、引き合いも増加傾向にあると言う。
また、同年10月にはビジネスコンサルティングやシステム構築を行う(株)CryptoLabと、ブロックチェーン技術を基盤としたソリューション及びサービス事業で協業することを発表した。(株)VIPPOOLが持つサイドチェーン等のブロックチェーンのコア技術や、インフラを支えるハードウェア開発と、CryptoLabの豊富なブロックチェーンアプリの開発実績・ノウハウを合わせることで、ブロックチェーンビジネスの拡大を図っていくことになっている。
さらに、同年11月には高砂熱学工業<1969>が新設した「高砂熱学イノベーションセンター」の省エネソリューションの一環である「高砂エコポイントシステム」に同社のプロックチェーン技術が採用されたことを発表している。スマートコントラクト上のトークンとしてポイントを実装するなど、ブロックチェーン技術を活用したシステム全体の開発に携わり、高度な耐障害性や相互運用性の実現に貢献している。
2022年3月期の重点施策としては、ブロックチェーン企業としての認知度を高めるため、技術ブログやWebサイトの策新、アライアンスの推進を図っていくほか、VMINEやサイドチェーンを活用したブロックチェーン・プラットフォームの構築に取り組んでいく。様々な社会インフラへのブロックチェーン技術の普及が今後進むと予想されるなか、実績を数多く積み重ねブランド力を高めていくことができるかが事業拡大の鍵を握ると言え、アライアンス戦略も含めた積極な事業展開が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(3) 自動運転向けAIチップ
NEDOの公募事業の一環として2017年から研究を進めてきた「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」に関しては、順調に開発が進んでおり、2021年頃に試作チップが完成する見通しとなっている。完全自動運転の実用化に向けて、資本業務提携先の(株)ティアフォーや複数の大学と共同で開発を進めてきたプロジェクトで、ティアフォーがアプリケーションソフト(完全自動運転・監視)、埼玉大学がミドルウェア、東京大学がコンパイラ・OSの開発をそれぞれ担当し、アクセル<6730>は半導体の設計・開発を担当した。
今後のロードマップとしては、試作チップをもとに、2022年以降に実証実験を行い、製品化につなげていきたい考えだ。用途としては、工場内で走行する自動搬送車両や過疎地域における高齢者向け移動車などを想定している。また、自動運転用途以外のAI活用領域への転用も可能なことから、IP化してロイヤリティ収入を得るといったビジネスモデルも考えられる。自動運転市場は市場規模も大きく実証実験の動向が注目される。
(4) セキュリティ製品
セキュリティ製品としては、暗号技術を用いたソリューション「SHALO」を搭載したUSBドングルの販売を2020年9月より開始している。国内セキュリティ市場において同社のターゲットとなる市場規模は、NPO日本ネットワークセキュリティ協会「2019年度国内情報セキュリティ市場調査」(従来分類版)によると、暗号化製品で404億円、アイデンティティ・アクセス管理で1,348億円と見られており、成長ポテンシャルは大きい。情報セキュリティに対する意識は年々高くなっており、唯一の国産品であることの強みを活かして、売上を拡大していきたい考えだ。現在は法人向けのみだが、個人向けの販売も検討している。今後、いかに認知度を高めていくことができるかが、売上成長の鍵を握るものと考えられる。
(5) ブロックチェーン
ブロックチェーンの取り組みとしては、2020年3月にマイニングハードウェア「VMINE」の販売を開始している。2021年3月期は対象となる暗号通貨の価格が冴えなかったことから、販売は低調だったが、足元では価格が上昇傾向となっていることから、引き合いも増加傾向にあると言う。
また、同年10月にはビジネスコンサルティングやシステム構築を行う(株)CryptoLabと、ブロックチェーン技術を基盤としたソリューション及びサービス事業で協業することを発表した。(株)VIPPOOLが持つサイドチェーン等のブロックチェーンのコア技術や、インフラを支えるハードウェア開発と、CryptoLabの豊富なブロックチェーンアプリの開発実績・ノウハウを合わせることで、ブロックチェーンビジネスの拡大を図っていくことになっている。
さらに、同年11月には高砂熱学工業<1969>が新設した「高砂熱学イノベーションセンター」の省エネソリューションの一環である「高砂エコポイントシステム」に同社のプロックチェーン技術が採用されたことを発表している。スマートコントラクト上のトークンとしてポイントを実装するなど、ブロックチェーン技術を活用したシステム全体の開発に携わり、高度な耐障害性や相互運用性の実現に貢献している。
2022年3月期の重点施策としては、ブロックチェーン企業としての認知度を高めるため、技術ブログやWebサイトの策新、アライアンスの推進を図っていくほか、VMINEやサイドチェーンを活用したブロックチェーン・プラットフォームの構築に取り組んでいく。様々な社会インフラへのブロックチェーン技術の普及が今後進むと予想されるなか、実績を数多く積み重ねブランド力を高めていくことができるかが事業拡大の鍵を握ると言え、アライアンス戦略も含めた積極な事業展開が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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