芙蓉リース Research Memo(1):2021年3月期は増収増益となり、過去最高業績を更新
[21/07/26]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
芙蓉総合リース<8424>は、1969年に(株)富士銀行(現 みずほフィナンシャルグループ<8411>)や丸紅飯田(株)(現 丸紅<8002>)など芙蓉グループ6社にて設立された総合リース会社である。不動産やエネルギー・環境などに強みがあり、年間の契約実行高1兆3,439億円、営業資産残高2兆5,559億円に上る(2021年3月期実績)。「不動産」など戦略分野に位置付けた事業分野の営業資産が着実に増加していることに加え、M&Aによる「BPOサービス」の拡大などにより、業績は順調に拡大している。
2. 中期経営計画
同社は2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「Frontier Expansion 2021」(5ヶ年)を推進している。「前例のない場所へ。」をスローガンに掲げ、新しいビジネス領域やビジネスモデルへ挑戦することにより、事業ポートフォリオの「フロンティア」を拡大し、国内リース事業を取り巻く環境が大きく変化するなかでも持続的に成長する企業グループを目指している。最終年度の目標は、営業資産残高2兆5,000億円(前倒しで達成済み)、ROA(営業資産経常利益率)2.0%、経常利益500億円である。特に、経常利益については、1)営業資産残高の積み上げ、2)ノンアセット収益の拡大などを通じたROA向上の両方(掛け合わせ)により実現するシナリオとなっている。
3. 2021年3月期決算の概要
2021年3月期の業績は、売上高が前期比3.9%増の7,403億円、営業利益が同7.6%増の446億円、経常利益が同9.0%増の480億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.9%増の296億円と計画を上回る増収増益を実現し、売上高・利益ともに過去最高を更新した。売上高はヤマトリース(株)及びNOCアウトソーシング&コンサルティング(株)(以下、NOC)の連結効果などが増収に寄与した。また、事業本来の業績を示す「差引利益」についても前期比7.8%増の925億円と順調に拡大。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による影響を一部受けたものの、不動産リース及びファイナンス、BPOサービス※の伸びなどで打ち返し、すべてのセグメントで増益を確保した。「営業資産」についても、戦略分野を中心に前期比7.2%増の2兆5,559億円に拡大している。また活動面でも、今後の成長性が見込める「エネルギー・環境」や「新領域(BPOサービス、モビリティビジネス)」などの強化に向けて様々な施策を打ち、一定の成果を残すことができた。
※ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略。顧客企業の業務プロセスの一部を受託することで、業務改善や効率化に貢献するサービスのこと。
4. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績予想については、売上高を前期比17.6%減の6,100億円、営業利益を同4.4%増の465億円、経常利益を同4.2%増の500億円、親会社株主に帰属する当期純利益を同4.8%増の310億円と減収増益となり、経常利益は中期経営計画を達成する見通しである。なお、減収予想となっているのは会計基準の変更によるものであり、実態としては拡大基調が継続する。引き続き各戦略分野の「営業資産」の積み上げやノンアセット収益の拡大が増益に寄与する想定であり、配当についても前期比20円増配の1株当たり260円を予定している。
■Key Points
・2021年3月期の業績は計画を上回る増収増益となり、引き続き過去最高業績を更新
・コロナ禍の影響を一部受けたものの、「不動産」や「エネルギー・環境」分野の積み上げ等により増益を確保
・2022年3月期を最終年度とする中期経営計画についても、営業資産残高の目標を前倒しで達成するなど順調に進捗
・2022年3月期の業績予想については、各戦略分野の「営業資産」の積み上げやノンアセット収益の拡大により増益を見込むとともに、前期比20円増配を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
1. 会社概要
芙蓉総合リース<8424>は、1969年に(株)富士銀行(現 みずほフィナンシャルグループ<8411>)や丸紅飯田(株)(現 丸紅<8002>)など芙蓉グループ6社にて設立された総合リース会社である。不動産やエネルギー・環境などに強みがあり、年間の契約実行高1兆3,439億円、営業資産残高2兆5,559億円に上る(2021年3月期実績)。「不動産」など戦略分野に位置付けた事業分野の営業資産が着実に増加していることに加え、M&Aによる「BPOサービス」の拡大などにより、業績は順調に拡大している。
2. 中期経営計画
同社は2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「Frontier Expansion 2021」(5ヶ年)を推進している。「前例のない場所へ。」をスローガンに掲げ、新しいビジネス領域やビジネスモデルへ挑戦することにより、事業ポートフォリオの「フロンティア」を拡大し、国内リース事業を取り巻く環境が大きく変化するなかでも持続的に成長する企業グループを目指している。最終年度の目標は、営業資産残高2兆5,000億円(前倒しで達成済み)、ROA(営業資産経常利益率)2.0%、経常利益500億円である。特に、経常利益については、1)営業資産残高の積み上げ、2)ノンアセット収益の拡大などを通じたROA向上の両方(掛け合わせ)により実現するシナリオとなっている。
3. 2021年3月期決算の概要
2021年3月期の業績は、売上高が前期比3.9%増の7,403億円、営業利益が同7.6%増の446億円、経常利益が同9.0%増の480億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.9%増の296億円と計画を上回る増収増益を実現し、売上高・利益ともに過去最高を更新した。売上高はヤマトリース(株)及びNOCアウトソーシング&コンサルティング(株)(以下、NOC)の連結効果などが増収に寄与した。また、事業本来の業績を示す「差引利益」についても前期比7.8%増の925億円と順調に拡大。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による影響を一部受けたものの、不動産リース及びファイナンス、BPOサービス※の伸びなどで打ち返し、すべてのセグメントで増益を確保した。「営業資産」についても、戦略分野を中心に前期比7.2%増の2兆5,559億円に拡大している。また活動面でも、今後の成長性が見込める「エネルギー・環境」や「新領域(BPOサービス、モビリティビジネス)」などの強化に向けて様々な施策を打ち、一定の成果を残すことができた。
※ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略。顧客企業の業務プロセスの一部を受託することで、業務改善や効率化に貢献するサービスのこと。
4. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績予想については、売上高を前期比17.6%減の6,100億円、営業利益を同4.4%増の465億円、経常利益を同4.2%増の500億円、親会社株主に帰属する当期純利益を同4.8%増の310億円と減収増益となり、経常利益は中期経営計画を達成する見通しである。なお、減収予想となっているのは会計基準の変更によるものであり、実態としては拡大基調が継続する。引き続き各戦略分野の「営業資産」の積み上げやノンアセット収益の拡大が増益に寄与する想定であり、配当についても前期比20円増配の1株当たり260円を予定している。
■Key Points
・2021年3月期の業績は計画を上回る増収増益となり、引き続き過去最高業績を更新
・コロナ禍の影響を一部受けたものの、「不動産」や「エネルギー・環境」分野の積み上げ等により増益を確保
・2022年3月期を最終年度とする中期経営計画についても、営業資産残高の目標を前倒しで達成するなど順調に進捗
・2022年3月期の業績予想については、各戦略分野の「営業資産」の積み上げやノンアセット収益の拡大により増益を見込むとともに、前期比20円増配を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>