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芙蓉リース Research Memo(9):代表的なESGインデックスの構成銘柄に採用

注目トピックス 日本株
■社会的課題への対応

芙蓉総合リース<8424>は、前述のとおり中期経営計画において、「エネルギー・環境」を戦略分野の1つと定め、持続可能な社会構築のために太陽光発電事業の拡大や省エネ・脱炭素に資するインフラ・設備のファイナンスなどを推進してきた。特に再生可能エネルギーの普及をはじめとした気候変動問題への取り組みは喫緊の課題として認識しており、2018年9月には、「RE100」※に日本の総合リース会社として初めて加盟している。同社は、2030年までに事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーに切り替える(2024年7月までに少なくとも50%)とともに、カーボンニュートラルを達成することを目標としている。ビジネスの分野においても、1)再生可能エネルギー発電事業のさらなる拡大による国内外への貢献、2)再生可能エネルギーの利用及び省エネルギーに資するインフラや設備の導入にあたってのソリューション及びサービスの提供(提案型ソリューションビジネスの展開)、3)再生可能エネルギー普及に資する新技術を保有するベンチャー企業等への出資・業務提携、商品化した際の販売推進サポートなどを通じ、持続可能な社会の実現と同社自らの事業機会の創出を目指していく方針である。

※事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる国際的な企業連合。


また、2019年5月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」※1提言への賛同を表明。さらには「再エネ100宣言」設立協議会に参画すると、グリーンボンドを活用した独自のサポートプログラムの運用をスタートしたほか、国内金融機関初となるサステナビリティ・リンク・ボンド※2を発行するなど、様々な取り組みを行っている。2020年10月には新たな環境ファイナンスプログラムとして、「芙蓉ゼロカーボンシティ・サポートプログラム」※3をスタート。2020年11月にはサーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進する英国エレン・マッカーサー財団に日本の金融機関では初めてメンバーとして加盟した。サーキュラーエコノミーに関する知見の獲得や能力開発、ネットワークの構築を進めるとともに、ほかの企業や研究機関との連携に狙いがある。

※1 金融安定理事会により設置されたタスクフォース。2017年6月には気候変動が財務にもたらすリスクと機会についての情報開示の枠組みを示した提言書を公表している。
※2 発行体のサステナビリティ・ESGの取り組みと目標(SPTs)を投資家が評価し投資する調達形態。同社では、1)グループ消費電力の再生可能エネルギー使用率50%以上、2)「芙蓉 再エネ100宣言・サポートプログラム」及び「芙蓉ゼロカーボンシティ・サポートプログラム」の取扱額50億円以上、を目標とする予定である(いずれも期限は2024年7月)。
※3 「ゼロカーボンシティ」を表明した自治体エリア内にある事務所・拠点(企業、教育機関・医療機関等の団体、自治体等)に導入する再生可能エネルギー設備、省エネルギー設備等への優遇ファイナンスを行うとともに、顧客と連名で寄付を行う寄付型プログラム。


それらの取り組みが評価されたことにより、ESG(環境、社会、ガバナンス)への対応に優れた企業が選定される「FTSE4Good Index Series」並びに「FTSE Blossom Japan Index」「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」など、数々のESGインデックス※1の構成銘柄に採用されている。2020年2月には環境省が主催する「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」※2のボンド部門において、金賞(環境大臣賞)を受賞した。

※1 これらのESGインデックスのうち、「FTSE Blossom Japan Index」「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」は、世界最大級の年金基金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のESGパッシブ運用のベンチマークに採用されている。
※2 2019年度に環境省によって創設された評価・表彰制度。ESG金融やグリーンプロジェクトに関して積極的に取り組み、環境・社会に優れたインパクトを与えた投資家・金融機関等、また環境関連の重要な機会とリスクを企業価値向上に向け経営戦略に取り込み、企業価値と環境へインパクトを生み出している企業の取り組みを社会で共有することが目的である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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