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品川リフラ Research Memo(1):業績回復と基準配当性向を高め、大幅増配を計画

注目トピックス 日本株
■要約

品川リフラクトリーズ<5351>は、世界で五指に入る工業用耐火物メーカー。2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)により鉄鋼関連企業の業績は大きな影響を受けたが、同社は比較的安定した経営を継続した。2022年3月期は、業績の回復と株主還元策の強化により、大幅増配を計画している。

1. 業績動向 − 2021年3月期実績と2022年3月期予想
2020年度の国内粗鋼生産は、コロナ禍の影響を受け、前年度比15.9%減の8,279万トンと10年ぶりに1億トンを割った。2021年3月期の同社連結業績は、売上高と経常利益がそれぞれ前期比16.0%と16.5%減少したものの、売上高経常利益率が8.2%と高水準に維持された。賃貸物件を主とした固定資産減損損失3,384百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は同61.9%の減少となった。

2022年3月期は、売上高が前期比10.0%増の108,000百万円、経常利益が同9.8%増の9,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同173.5%増の5,800百万円と見込む。売上高経常利益率は8.3%の予想である。

2. 配当政策 − 2022年3月期は、前期比80円増の1株当たり年190円を計画
2021年3月期は、期中に1株当たり配当金を中間45円、期末45円と計画していた。下期に業績が予想以上に回復したため4月に通期予想を上方修正し、期末を65円に引き上げて年110円とした。2022年3月期は、基準とする配当性向を従来の20%から30%に改め、業績も増収増益を見込んでいることから、コロナ禍前の前々期の年130円、前期の110円を大幅に上回る年190円(中間95円、期末95円)を計画している。

3. 第5次中期経営計画 − 過去最高の業績を目指す
2024年3月期までの3ヶ年をカバーする第5次中期経営計画は、最終年度の売上高を115,000百万円、経常利益を11,500百万円、ROS 10%と過去最高の業績を目指す。前提条件として、国内粗鋼生産が少子高齢化により内需が漸減して年9,000万トンにとどまり、為替レートを1米ドル当たり105円とした。国内では、生産基盤強化の積極的な設備投資により競争力を高め、同社の強みを生かした炉の設計から施工までの一貫サービスにより、鉄鋼以外の販売を拡大する。カーボンニュートラルに向け需要が高まる省エネ商品の開発などで、グループシナジーを発揮する。新興国の経済成長に伴い、鉄鋼やセメントなどの成長が期待されることから、海外ビジネスの強化と拡販を推進し、海外売上高比率を16%から20%へ引き上げる計画でいる。

■Key Points
・2022年3月期は、10%程度の増収・経常増益予想
・第5次中期経営計画では、国内鉄鋼需要の漸減下でも過去最高益を目指す
・配当は増益と基準配当性向引き上げにより、年190円と大幅増配へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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