プロパスト Research Memo(3):高いデザイン性を武器に、都心の単身層やDINKSをターゲットに展開
[21/08/03]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■分譲開発事業
1. 事業概要
首都圏エリアを中心にプロパスト<3236>の企画力・デザイン力を生かした分譲マンションを開発し、単身者層やDINKSを主たる対象とした魅力あるマンションを販売している。分譲開発事業は、期間1〜2年程度かかる長期プロジェクトである。企画やデザインについては、当該物件の土地の特性や地域性及び周辺環境とのバランスを考慮して、プロジェクトごとに独立したコンセプトによる空間デザインを創り出す。このため、ネーミングに関しても、それぞれのコンセプトにふさわしい個別の名付けが行われる。また、この事業には、専有卸のスキームで引き受けたうえで実需に基づいて分譲販売するケースも含まれる。その場合の期間は1年程度である。なお、ローンが付きやすいため、RC造(鉄筋コンクリート造)を多く手掛ける。最近では1戸当たりの広さ30〜60平米、販売価格は50〜80百万円のマンションが中心である。
分譲開発事業の2021年5月期の売上高は921百万円(前期比83.8%減)、営業利益(全社費用控除前。以下同)は42百万円(同77.7%減)で、大幅な減収減益なった。2021年5月期は、プルームヌーベル武蔵野(東京都武蔵野市)の販売のみにとどまったことや、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の発出により、モデルルームでの販売開始時期の遅れや集客業務への制限等が発生したことが影響したようだ。この結果、売上高で会社全体の4.9%、営業利益で1.5%を占めるにとどまった。同事業では、2017年5月期は15%を上回る高い営業利益率であったが、首都圏市場全体で地価や建築費が上昇して販売価格が高くなりすぎたことで売れ行きが鈍り、営業利益率は4.6%に低下している。
2. 特長
同社の強みの1つは、デザイン性の良さにある。特に、都会で生活を送る大人向けのマンションと位置付けられており、間接照明がくつろぎを誘うような雰囲気を出している。同社「作品」のデザインは自社内の設計部が行っており、これも強みにつながっている。また、同社では、土地の仕入力、企画力、販売力などにも自信を持っている。
不動産業では、市況価格の変動が業績に最も大きな影響を与える。リーマンショック後には、完成物件の下落率は5〜10%にとどまった一方、土地及び仕掛物件では下落幅は30〜40%に及んだ。同社では、仕入れてから1〜2年後には販売しているため、価格下落リスクは比較的低く抑制できており、10〜15%程度の市況下落でも損失を出さない仕組みを構築している。ここ4〜5年、首都圏の新築マンションの1戸当たり平均価格は高水準で推移しており、それに伴い契約率は低下し販売戸数も減少傾向にある。2020年以降のコロナ禍の影響により、首都圏マンションの販売戸数が一時大きく減少したが、2020年後半には前年並みの水準に回復し、また価格や契約率は高水準で推移している。ただ、同社では、当面は無理をせず慎重に仕入れを行う方針だ。同社の強みである「仕入力」「企画力」「デザイン力」などを生かして、事業環境の悪化にも対応できると見られる。
3. 実績例
(1) アスデュール日本橋人形町
アスデュール日本橋人形町(東京都中央区日本橋堀留町、2019年11月竣工、27戸)は、同社第6の日本橋プロジェクトとして、「洗練」「伝統」「普遍」をテーマに日本橋という歴史と文化を感じさせる土地に呼応した、和魂洋才の建築を志向している。
天然木や那智石など素材1つ1つに徹底したこだわりを反映し、格子や坪庭をはじめとする「和」のエッセンスとガラスやタイルなどの素材を組み合わせることで、質感を超えた美しい表情に仕上げており、既に全戸を完売している。
(2) ドゥアージュ コラッド松濤
ドゥアージュ コラッド松濤(東京都渋谷区松濤、2019年12月竣工、22戸)は、静謐を保ち、気高く刻を重ねてきた地「松濤」に呼応する邸宅であるために、日本の美が息づくエッセンスと、この地に伝わる地脈と気高さを融合させ、日本伝統の和の空気を纏いながらそれらが共鳴し、美しくモダンな非日常の世界を創り上げている。同物件についても、既に全戸を完売している。
(3) プルームヌーベル武蔵野
プルームヌーベル武蔵野(東京都武蔵野市中町、2019年11月竣工、31戸+店舗1)は、武蔵野市アドレスにおける「三鷹」駅最寄りでは、約2.3%しか存在しなかった駅徒歩4分圏内の場所にあり、「立地を背景とする資産性」は住まい選びの選択基準の1つと言える。また、安心の「完成後販売」のため実際の部屋を確認できる購入者は、入居後の安心を得ることができる。2020年4月には、マンションの資産価値等を比較する不動産情報サイト「住まいサーフィン」で「資産性指数ランキング東京市部」の1位を獲得している人気物件であり、現在販売中である。
(4) その他
その他の実績例としては、ザ・グランプルーヴ上馬(東京都世田谷区上馬、2019年7月竣工)、グランデバンセ御殿山 ザ・レジデンス(東京都品川区北品川、2018年4月竣工)、バンデルーチェ北斎通り(東京都墨田区亀沢、2017年6月竣工)、ヴァントヌーベル代々木(東京都渋谷区千駄ヶ谷、2017年2月竣工)、ベグレッタ トーレ(東京都葛飾区新小岩、2016年4月竣工)などがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<EY>
1. 事業概要
首都圏エリアを中心にプロパスト<3236>の企画力・デザイン力を生かした分譲マンションを開発し、単身者層やDINKSを主たる対象とした魅力あるマンションを販売している。分譲開発事業は、期間1〜2年程度かかる長期プロジェクトである。企画やデザインについては、当該物件の土地の特性や地域性及び周辺環境とのバランスを考慮して、プロジェクトごとに独立したコンセプトによる空間デザインを創り出す。このため、ネーミングに関しても、それぞれのコンセプトにふさわしい個別の名付けが行われる。また、この事業には、専有卸のスキームで引き受けたうえで実需に基づいて分譲販売するケースも含まれる。その場合の期間は1年程度である。なお、ローンが付きやすいため、RC造(鉄筋コンクリート造)を多く手掛ける。最近では1戸当たりの広さ30〜60平米、販売価格は50〜80百万円のマンションが中心である。
分譲開発事業の2021年5月期の売上高は921百万円(前期比83.8%減)、営業利益(全社費用控除前。以下同)は42百万円(同77.7%減)で、大幅な減収減益なった。2021年5月期は、プルームヌーベル武蔵野(東京都武蔵野市)の販売のみにとどまったことや、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の発出により、モデルルームでの販売開始時期の遅れや集客業務への制限等が発生したことが影響したようだ。この結果、売上高で会社全体の4.9%、営業利益で1.5%を占めるにとどまった。同事業では、2017年5月期は15%を上回る高い営業利益率であったが、首都圏市場全体で地価や建築費が上昇して販売価格が高くなりすぎたことで売れ行きが鈍り、営業利益率は4.6%に低下している。
2. 特長
同社の強みの1つは、デザイン性の良さにある。特に、都会で生活を送る大人向けのマンションと位置付けられており、間接照明がくつろぎを誘うような雰囲気を出している。同社「作品」のデザインは自社内の設計部が行っており、これも強みにつながっている。また、同社では、土地の仕入力、企画力、販売力などにも自信を持っている。
不動産業では、市況価格の変動が業績に最も大きな影響を与える。リーマンショック後には、完成物件の下落率は5〜10%にとどまった一方、土地及び仕掛物件では下落幅は30〜40%に及んだ。同社では、仕入れてから1〜2年後には販売しているため、価格下落リスクは比較的低く抑制できており、10〜15%程度の市況下落でも損失を出さない仕組みを構築している。ここ4〜5年、首都圏の新築マンションの1戸当たり平均価格は高水準で推移しており、それに伴い契約率は低下し販売戸数も減少傾向にある。2020年以降のコロナ禍の影響により、首都圏マンションの販売戸数が一時大きく減少したが、2020年後半には前年並みの水準に回復し、また価格や契約率は高水準で推移している。ただ、同社では、当面は無理をせず慎重に仕入れを行う方針だ。同社の強みである「仕入力」「企画力」「デザイン力」などを生かして、事業環境の悪化にも対応できると見られる。
3. 実績例
(1) アスデュール日本橋人形町
アスデュール日本橋人形町(東京都中央区日本橋堀留町、2019年11月竣工、27戸)は、同社第6の日本橋プロジェクトとして、「洗練」「伝統」「普遍」をテーマに日本橋という歴史と文化を感じさせる土地に呼応した、和魂洋才の建築を志向している。
天然木や那智石など素材1つ1つに徹底したこだわりを反映し、格子や坪庭をはじめとする「和」のエッセンスとガラスやタイルなどの素材を組み合わせることで、質感を超えた美しい表情に仕上げており、既に全戸を完売している。
(2) ドゥアージュ コラッド松濤
ドゥアージュ コラッド松濤(東京都渋谷区松濤、2019年12月竣工、22戸)は、静謐を保ち、気高く刻を重ねてきた地「松濤」に呼応する邸宅であるために、日本の美が息づくエッセンスと、この地に伝わる地脈と気高さを融合させ、日本伝統の和の空気を纏いながらそれらが共鳴し、美しくモダンな非日常の世界を創り上げている。同物件についても、既に全戸を完売している。
(3) プルームヌーベル武蔵野
プルームヌーベル武蔵野(東京都武蔵野市中町、2019年11月竣工、31戸+店舗1)は、武蔵野市アドレスにおける「三鷹」駅最寄りでは、約2.3%しか存在しなかった駅徒歩4分圏内の場所にあり、「立地を背景とする資産性」は住まい選びの選択基準の1つと言える。また、安心の「完成後販売」のため実際の部屋を確認できる購入者は、入居後の安心を得ることができる。2020年4月には、マンションの資産価値等を比較する不動産情報サイト「住まいサーフィン」で「資産性指数ランキング東京市部」の1位を獲得している人気物件であり、現在販売中である。
(4) その他
その他の実績例としては、ザ・グランプルーヴ上馬(東京都世田谷区上馬、2019年7月竣工)、グランデバンセ御殿山 ザ・レジデンス(東京都品川区北品川、2018年4月竣工)、バンデルーチェ北斎通り(東京都墨田区亀沢、2017年6月竣工)、ヴァントヌーベル代々木(東京都渋谷区千駄ヶ谷、2017年2月竣工)、ベグレッタ トーレ(東京都葛飾区新小岩、2016年4月竣工)などがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<EY>