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インテリックス Research Memo(1):省エネリノベーションとして業界初となる「ECOCUBE」を発表

注目トピックス 日本株
■要約

インテリックス<8940>は中古マンションをリノベーション(再生)してから販売するリノベーションマンション事業の先駆け的企業で業界最大手。また、新規事業として2016年5月期にアセットシェアリング事業(不動産小口化販売)、2017年5月期にリースバック事業をそれぞれ開始したほか、2019年からは子会社で中古不動産物件の売主直販プラットフォーム「FLIE」の運営も開始している。

1. 2021年5月期の業績概要
2021年5月期の連結業績は、売上高で前期比8.5%増の41,074百万円、営業利益で同95.8%増の2,170百万円と増収増益となった。主力のリノヴェックスマンション事業の売上高が同2.3%増の31,466百万円と堅調に推移したほか、その他不動産事業もリースバック物件の売却収入29億円(信託受益権の譲渡1,941百万円含む)や港区六本木の物件売却収入26億円を計上したこと等により、同35.4%増の9,607百万円と伸長したことが増収要因となった。利益面では、リノヴェックスマンション事業の収益性向上に加えて、好採算の不動産物件を売却したことが増益要因となった。なお、リノヴェックスマンションの販売件数は前期比6.3%増の1,420件と2期連続で増加したが、仕入件数は売り物件が少なくなるなかで同17.4%減の1,181件と3期ぶりに減少した。

2. 2022年5月期の業績見通し
2022年5月期の連結業績は、売上高で前期比5.3%増の43,234百万円、営業利益で同40.9%減の1,283百万円となる見通し。売上高については、リノヴェックスマンション事業が前期比横ばい水準にとどまるものの、リースバック物件を中心にその他不動産物件の売却収入や、リノベーション内装事業の拡大により増収を見込んでいる。一方、利益面では、好採算だった不動産物件の売却が無くなることや、人件費の増加、新商品や新規事業に関連した先行投資費用の増加が減益要因となる。

3. 重点施策
同社は今回、グループの「MISSION(ミッション)」「VISION(ビジョン)」「VALUE(バリュー)」を新たに策定し、これら理念を基にリノベーションで社会課題を解決していくことを事業方針として掲げた。リノベーション住宅という新たな住まいの選択肢を提供するリノベーション事業と、資産としての不動産活用・運用のソリューションを提供するソリューション事業(アセット、リースバック、アセットシェアリング)を二本柱とし、これら事業をIT×金融(財務戦略、ポートフォリオ戦略)のノウハウを活用しながら拡大していく戦略だ。リノベーション事業では、競合が増えるなかで新たな差別化戦略として、業界初となる省エネリノベーション「ECOCUBE(エコキューブ)」を2021年7月に発表し販売を開始している。断熱性・気密性を高め、高効率な換気システムの採用によって冷暖房費の大幅抑制(CO2排出量削減)を実現した環境に優しい商品となる。販売価格は従来比で1割程度高くなるが、国の補助金を活用できることや年間の冷暖房費の削減効果などを考慮すれば需要は見込めるものと思われる。そのほか、ダイレクトリテール部を新設し、仲介手数料を不要とする仕入・販売の取り組みを開始している。2022年5月期はこうした新たな取り組みを推進し、2023年5月期以降の成長につなげていく準備期間となる。ここ数年は首都圏における競争激化によって業績も伸び悩んでいたが、これら戦略の効果が顕在化するであろう2023年5月期以降は、収益も再び成長ステージに入ることが期待される。

■Key Points
・2021年5月期はリノヴェックスマンション及びその他不動産物件の販売増により増収増益に
・2022年5月期は成長に向けた準備期間と位置付ける
・省エネリノベーション「ECOCUBE」を発売、リノベーションで社会課題を解決し収益成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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