三機サービス Research Memo(2):24時間365日稼働のコールセンターを核に、メンテナンスサービスを展開
[21/08/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要
三機サービス<6044>は、24時間365日稼働のコールセンターを核に、空調機器・電気・厨房・給排水衛生設備といったすべての設備機器を対象とする、設計/施工/保守管理/修理までのトータルメンテナンスサービスを展開する。1977年の設立時は、三洋空調システムサービス(株)(現 パナソニック産機システムズ(株))のメーカー指定店として、大型空調機器のメンテナンス事業を中心としていたが、2000年から事業転換をし、給排気設備、厨房設備、電気設備、給排水設備等の一般設備にもメンテナンス領域を拡大した。さらに、24時間365日体制を整えたことで多店舗展開企業向けのトータルメンテナンス事業へ参入するなど、業容を拡大してきた。オフィス/ビル、商業施設/チェーン店舗、ホテル、病院/高齢者介護施設、官公庁/学校といった、経済・企業活動に不可欠な社会のインフラである施設に対して、トータルメンテナンスを通じて「コスト削減」と「環境改善」の課題を解決する。
主要取引先はパナソニック産機システムズ、ライフコーポレーション<8194>、(株)セブン-イレブン・ジャパン、オークワ<8217>、住友不動産<8830>、アルペン<3028>、サミット(株)、(株)ヤマダデンキ等である。
なお、2020年6月1日付で創業者である中島義兼(なかしまよしかね)氏が代表取締役社長を退いて会長に就任し、北越達男(きたこしたつお)氏が代表取締役社長に昇格した。同社にとっては初めての社長交代となる。北越氏は、同社の基幹業務である大型空調機器部門等の事業部門で経験を積み、関西にある主要拠点のセンター長を歴任。その後、コールセンター責任者を経て、2013年より本社管理部門の統括者として経営に従事するとともにIPOを主導した。また、同社として初の中期経営計画「SANKI2022」の発表や、新基幹システムの導入、内部統制強化など社内外の改革もけん引している。
2015年にJASDAQ上場を果たし、2016年に東証二部、2017年に東証一部への指定変更を行っている。
事業コンセプトは、メンテナンスを核に「環境改善業」を実現すること
2. 事業概要
同社の事業コンセプトは、メンテナンスを核とした「環境改善業」を実現することである。保守管理や修理といった手間を省くことで、施設管理担当者がコア業務に注力できる環境を作るためにトータルメンテナンスによるアウトソーシング事業を展開する。多店舗・多棟展開する顧客企業に対し、設備・メーカーを問わず空調機器をはじめとした設備機器のメンテナンス対応を行い、コールセンター機能であるWebで情報管理を一括することにより、直接メンテナンスコストだけでなく、設備の維持管理費用を含めたトータルコスト削減を実現し、顧客企業の収益性を高める提案を行っている。なお、同社はメンテナンス事業の単一セグメントであるが、主要な事業は、メンテナンス一括受託による施設の資産価値向上を担う「トータルメンテナンス」、メーカー指定店としての「空調メンテナンスサービス」、インバータ化など環境改善に貢献する「省エネサービス」からなる。
(1) トータルメンテナンス
多店舗・多棟展開する顧客企業の全店舗・全事業所の設備を一括管理することにより、諸課題・負担・コストを軽減し、経営をサポートする。定期保守管理は、トータルメンテナンスの一環として、建物設備(空調・電気・厨房・消防・給排水・衛生設備等)を対象に、「予防保全」の観点に立った点検を進めており、事故の未然防止のほか、設備の長寿命化も視野に入れ、建物の設備機器を常に最善の状態に保つ。
また、24時間365日対応のコールセンター受付も行っている。常時オペレーターを配置し、同社サービスエンジニア約250名と全国の協力パートナー・各メーカーとのネットワークを駆使し、顧客へトータルメンテナンスを行う。機器・メーカーを問わず、同社サービスエンジニアが対応できる環境を整えていることが特徴であるとともに強みとなっている。具体的には、データベースとの連携により顧客側の設備内容を把握していることから、緊急で発生した機器トラブルのみならず、その他の機器の予防保全まで行うことができる。さらに、メンテナンス業務の委託先であるパートナーを顧客店舗等へ派遣することにより、日本全国でメンテナンスサービスを提供できる体制を構築しており、顧客の様々な要望に対応している。なお、同社の顧客は、多店舗・多棟展開企業である小売業、飲食業、イベント施設、医療・介護・福祉施設と多岐にわたる。
主なサービス内容は以下のとおり。
a) メンテナンス
コールセンターによる緊急修理対応だけでなく、空調機器をはじめとした厨房機器・電気設備・給排水衛生設備等の定期メンテナンスを提供している。メンテナンスエンジニアが不具合箇所を早期に発見し、事前に修理を行うことにより、突発的な緊急修理の発生を抑制する保全メンテナンスも展開する。
b) 工事
メンテナンスにより設備機器の状況を把握することで、設備機器の更新・改修時期を的確に判断し、建物設備(空調・電気・厨房・給排水衛生設備等)のリニューアル工事及び新店舗工事、改装工事の提案・施工を行う。
c) 省エネ
インバータ制御化によるエネルギー改善や改正省エネ法対策サポートの提案及び施工、LED照明導入提案及び施工、SEMS(ストア・エネルギー・マネジメント・システム:最適な省エネプランを提案するシステム)提案及び販売促進など、環境改善に貢献する業務を幅広く行っている。
(2) 空調メンテナンスサービス
設立当初よりパナソニックグループのメーカーサービス指定店として、大型空調機器(主に吸収式冷温水機)を中心としたメンテナンスを行い、現在では東名阪エリアを中心に全国対応している。主なサービス内容は、業務用設備機器・システムの販売・施工・サービスを担っているパナソニック産機システムズから受託する定期点検、修理対応、トラブルを未然に防止する保全メンテナンスである。近年では長年培ったノウハウを生かし、大型空調機器に付随する機器に対する省エネインバータ化工事及び大型空調機器を含む機器の更新工事なども行っている。
(3) 省エネサービス
病院や老健施設のようなインフラ施設の案件を取り扱ってきた実績から、CO2排出量の削減などの環境に配慮した提案を行っており、CM(コンストラクション・マネジメント)業務※を展開する。同社では、1,000店舗以上の建設に携わったコンストラクション・マネジャーが、発注者に代わって「設計」「施工」管理などを行う。また、建物のエネルギー消費量の約半分を占めると言われている空調を中心とした電気・給排水衛生の一括施工も行っている。
※「設計者」や「施工者」が個別に行うのではなく、専門の第三者がプロジェクト全体をマネジメントする方式。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 会社概要
三機サービス<6044>は、24時間365日稼働のコールセンターを核に、空調機器・電気・厨房・給排水衛生設備といったすべての設備機器を対象とする、設計/施工/保守管理/修理までのトータルメンテナンスサービスを展開する。1977年の設立時は、三洋空調システムサービス(株)(現 パナソニック産機システムズ(株))のメーカー指定店として、大型空調機器のメンテナンス事業を中心としていたが、2000年から事業転換をし、給排気設備、厨房設備、電気設備、給排水設備等の一般設備にもメンテナンス領域を拡大した。さらに、24時間365日体制を整えたことで多店舗展開企業向けのトータルメンテナンス事業へ参入するなど、業容を拡大してきた。オフィス/ビル、商業施設/チェーン店舗、ホテル、病院/高齢者介護施設、官公庁/学校といった、経済・企業活動に不可欠な社会のインフラである施設に対して、トータルメンテナンスを通じて「コスト削減」と「環境改善」の課題を解決する。
主要取引先はパナソニック産機システムズ、ライフコーポレーション<8194>、(株)セブン-イレブン・ジャパン、オークワ<8217>、住友不動産<8830>、アルペン<3028>、サミット(株)、(株)ヤマダデンキ等である。
なお、2020年6月1日付で創業者である中島義兼(なかしまよしかね)氏が代表取締役社長を退いて会長に就任し、北越達男(きたこしたつお)氏が代表取締役社長に昇格した。同社にとっては初めての社長交代となる。北越氏は、同社の基幹業務である大型空調機器部門等の事業部門で経験を積み、関西にある主要拠点のセンター長を歴任。その後、コールセンター責任者を経て、2013年より本社管理部門の統括者として経営に従事するとともにIPOを主導した。また、同社として初の中期経営計画「SANKI2022」の発表や、新基幹システムの導入、内部統制強化など社内外の改革もけん引している。
2015年にJASDAQ上場を果たし、2016年に東証二部、2017年に東証一部への指定変更を行っている。
事業コンセプトは、メンテナンスを核に「環境改善業」を実現すること
2. 事業概要
同社の事業コンセプトは、メンテナンスを核とした「環境改善業」を実現することである。保守管理や修理といった手間を省くことで、施設管理担当者がコア業務に注力できる環境を作るためにトータルメンテナンスによるアウトソーシング事業を展開する。多店舗・多棟展開する顧客企業に対し、設備・メーカーを問わず空調機器をはじめとした設備機器のメンテナンス対応を行い、コールセンター機能であるWebで情報管理を一括することにより、直接メンテナンスコストだけでなく、設備の維持管理費用を含めたトータルコスト削減を実現し、顧客企業の収益性を高める提案を行っている。なお、同社はメンテナンス事業の単一セグメントであるが、主要な事業は、メンテナンス一括受託による施設の資産価値向上を担う「トータルメンテナンス」、メーカー指定店としての「空調メンテナンスサービス」、インバータ化など環境改善に貢献する「省エネサービス」からなる。
(1) トータルメンテナンス
多店舗・多棟展開する顧客企業の全店舗・全事業所の設備を一括管理することにより、諸課題・負担・コストを軽減し、経営をサポートする。定期保守管理は、トータルメンテナンスの一環として、建物設備(空調・電気・厨房・消防・給排水・衛生設備等)を対象に、「予防保全」の観点に立った点検を進めており、事故の未然防止のほか、設備の長寿命化も視野に入れ、建物の設備機器を常に最善の状態に保つ。
また、24時間365日対応のコールセンター受付も行っている。常時オペレーターを配置し、同社サービスエンジニア約250名と全国の協力パートナー・各メーカーとのネットワークを駆使し、顧客へトータルメンテナンスを行う。機器・メーカーを問わず、同社サービスエンジニアが対応できる環境を整えていることが特徴であるとともに強みとなっている。具体的には、データベースとの連携により顧客側の設備内容を把握していることから、緊急で発生した機器トラブルのみならず、その他の機器の予防保全まで行うことができる。さらに、メンテナンス業務の委託先であるパートナーを顧客店舗等へ派遣することにより、日本全国でメンテナンスサービスを提供できる体制を構築しており、顧客の様々な要望に対応している。なお、同社の顧客は、多店舗・多棟展開企業である小売業、飲食業、イベント施設、医療・介護・福祉施設と多岐にわたる。
主なサービス内容は以下のとおり。
a) メンテナンス
コールセンターによる緊急修理対応だけでなく、空調機器をはじめとした厨房機器・電気設備・給排水衛生設備等の定期メンテナンスを提供している。メンテナンスエンジニアが不具合箇所を早期に発見し、事前に修理を行うことにより、突発的な緊急修理の発生を抑制する保全メンテナンスも展開する。
b) 工事
メンテナンスにより設備機器の状況を把握することで、設備機器の更新・改修時期を的確に判断し、建物設備(空調・電気・厨房・給排水衛生設備等)のリニューアル工事及び新店舗工事、改装工事の提案・施工を行う。
c) 省エネ
インバータ制御化によるエネルギー改善や改正省エネ法対策サポートの提案及び施工、LED照明導入提案及び施工、SEMS(ストア・エネルギー・マネジメント・システム:最適な省エネプランを提案するシステム)提案及び販売促進など、環境改善に貢献する業務を幅広く行っている。
(2) 空調メンテナンスサービス
設立当初よりパナソニックグループのメーカーサービス指定店として、大型空調機器(主に吸収式冷温水機)を中心としたメンテナンスを行い、現在では東名阪エリアを中心に全国対応している。主なサービス内容は、業務用設備機器・システムの販売・施工・サービスを担っているパナソニック産機システムズから受託する定期点検、修理対応、トラブルを未然に防止する保全メンテナンスである。近年では長年培ったノウハウを生かし、大型空調機器に付随する機器に対する省エネインバータ化工事及び大型空調機器を含む機器の更新工事なども行っている。
(3) 省エネサービス
病院や老健施設のようなインフラ施設の案件を取り扱ってきた実績から、CO2排出量の削減などの環境に配慮した提案を行っており、CM(コンストラクション・マネジメント)業務※を展開する。同社では、1,000店舗以上の建設に携わったコンストラクション・マネジャーが、発注者に代わって「設計」「施工」管理などを行う。また、建物のエネルギー消費量の約半分を占めると言われている空調を中心とした電気・給排水衛生の一括施工も行っている。
※「設計者」や「施工者」が個別に行うのではなく、専門の第三者がプロジェクト全体をマネジメントする方式。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<YM>