テンダ Research Memo(7):2022年5月期は先行投資の実施により増収減益を見込む
[21/09/01]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2022年5月期の業績見通し
テンダ<4198>の2022年5月期の連結業績は、売上高で前期比14.9%増の3,431百万円、営業利益で同6.5%減の320百万円、経常利益で同7.8%減の310百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同1.8%増の228百万円を計画している。同社は、2022年5月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、前期比は新旧数値の単純比較による参考数値となっている。2020年から続くワークスタイル変革ソリューションの需要の高まりを受けて売上高は2ケタ増に転じるが、成長投資を積極的に投下することで営業利益、経常利益は若干の減益を見込んでいる。主な費用増要因としては、研究開発費が前期比47百万円増加の50百万円、広告宣伝費が同62百万円増加の97百万円となり、これらで1億円強の費用増要因となる。また、人員についても前期末比で10〜15名程度の増員を予定している。
ただ、今回の業績計画は2021年6月に発表した2021年5月期の業績計画をベースとしたものであり、その後の原価率の改善効果は反映されていない。また、足元の受注状況は順調に推移していることから、売上高が計画通り達成できれば利益ベースでの上積みは可能と弊社では見ている。なお、収益認識会計基準を2022年5月期から適用しているが、業績に与える影響は軽微となっている。
Dojoシリーズを中心としたビジネスプロダクト事業の売上拡大に取り組む
2. 事業セグメント別見通し
(1) ITソリューション事業
ITソリューション事業は、売上高で前期比5.8%増の1,979百万円、セグメント利益で同2.6%増の578百万円を計画している。企業のワークスタイル変革ソリューションに対するDXニーズは引き続き旺盛で、受託開発、SESともに堅調に推移する見通しだ。受託開発については業務改善コンサルティング案件の獲得に注力していく。また、「テンダラボ」についても新規顧客開拓により、前期比2ケタ増収を目指している。前期は内製化率の向上により利益率が大きく上昇したが、受託開発の回復に伴い外注費が増加する可能性もあり、利益率はやや低下すると見ている。
(2) ビジネスプロダクト事業
ビジネスプロダクト事業は、売上高で前期比31.0%増の700百万円、セグメント利益で同31.4%減の115百万円を計画している。前期はコロナ禍で苦戦した営業活動も、オンライン面談やWebセミナー開催など新たな営業スタイルが浸透し、また、デジタルマーケティングの強化によって見込み顧客の獲得を推進し、新規契約につなげていく戦略となっている。「Dojo」については、前期比22.2%増の689件の新規受注を計画している。
また、「Dojoナビ」についても広告宣伝費を積極的に投下し、認知度を高めていくことで新規顧客の獲得を進めていく。リモートワークの常態化により、システム教育が十分に行えないとの悩みを持つ企業は多く、こうした企業に対して「Dojoナビ」を提案していく。同ツールを活用することで、システム教育の大幅な効率化が実現できるため、潜在ニーズは大きいと見られ、今後の動向が注目される。
また、2021年11月にはDojoシリーズの新製品のリリースも予定している。Webマニュアル作成・管理システムで、スマートフォンやタブレットで撮影した写真や動画コンテンツを用いて、簡便にWebマニュアルを作成できるシステムとなる。飲食店や小売業などの接客用研修マニュアルなどで需要が見込まれ、新たな顧客層を開拓していくことが可能となる。コロナ禍において社員の教育研修もオンライン化が広がってきており、こうしたニーズを取り込んでいく。スマートフォンを活用したマニュアル作成機能は競合の「Teachme biz」が先行していたが、同社も新製品を出すことで対抗していくことになる。
こうした取り組みにより、売上高は大幅増収を見込んでいるが、一方で開発費や広告宣伝費など先行投資を実施することにより、セグメント利益は一時的に落ち込む見通しだ。ただ2023年5月期以降は先行投資が一巡することから利益も増益に転じることが予想される。
(3) ゲームコンテンツ事業
ゲームコンテンツ事業は、売上高で前期比28.5%増の751百万円、セグメント利益で同69.3%増の160百万円と増収増益に転じる見通し。戦略的な人的投資を行い、チーム再編等で運営体制を強化した既存タイトルの売上回復を見込んでいる。また2021年2月末にリリースした受託新タイトル「新選組〜桜華妖乱〜」の配信も各ゲームプラットフォームで本格展開されており、安定的に業績に寄与することを想定している。なおARPPUについては前期比9.7%増の13,328円を見込んでいる。前期の水準からは回復するものの、2020年5月期の水準(15,891円)と比較するとまだ低い。「ヴァンパイア†ブラッド」の収益回復施策は打ったものの、従前の水準まで戻るかどうかまだ不確かなためだ。新タイトルの動向も含めて、業績計画達成の鍵を握ると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2022年5月期の業績見通し
テンダ<4198>の2022年5月期の連結業績は、売上高で前期比14.9%増の3,431百万円、営業利益で同6.5%減の320百万円、経常利益で同7.8%減の310百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同1.8%増の228百万円を計画している。同社は、2022年5月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、前期比は新旧数値の単純比較による参考数値となっている。2020年から続くワークスタイル変革ソリューションの需要の高まりを受けて売上高は2ケタ増に転じるが、成長投資を積極的に投下することで営業利益、経常利益は若干の減益を見込んでいる。主な費用増要因としては、研究開発費が前期比47百万円増加の50百万円、広告宣伝費が同62百万円増加の97百万円となり、これらで1億円強の費用増要因となる。また、人員についても前期末比で10〜15名程度の増員を予定している。
ただ、今回の業績計画は2021年6月に発表した2021年5月期の業績計画をベースとしたものであり、その後の原価率の改善効果は反映されていない。また、足元の受注状況は順調に推移していることから、売上高が計画通り達成できれば利益ベースでの上積みは可能と弊社では見ている。なお、収益認識会計基準を2022年5月期から適用しているが、業績に与える影響は軽微となっている。
Dojoシリーズを中心としたビジネスプロダクト事業の売上拡大に取り組む
2. 事業セグメント別見通し
(1) ITソリューション事業
ITソリューション事業は、売上高で前期比5.8%増の1,979百万円、セグメント利益で同2.6%増の578百万円を計画している。企業のワークスタイル変革ソリューションに対するDXニーズは引き続き旺盛で、受託開発、SESともに堅調に推移する見通しだ。受託開発については業務改善コンサルティング案件の獲得に注力していく。また、「テンダラボ」についても新規顧客開拓により、前期比2ケタ増収を目指している。前期は内製化率の向上により利益率が大きく上昇したが、受託開発の回復に伴い外注費が増加する可能性もあり、利益率はやや低下すると見ている。
(2) ビジネスプロダクト事業
ビジネスプロダクト事業は、売上高で前期比31.0%増の700百万円、セグメント利益で同31.4%減の115百万円を計画している。前期はコロナ禍で苦戦した営業活動も、オンライン面談やWebセミナー開催など新たな営業スタイルが浸透し、また、デジタルマーケティングの強化によって見込み顧客の獲得を推進し、新規契約につなげていく戦略となっている。「Dojo」については、前期比22.2%増の689件の新規受注を計画している。
また、「Dojoナビ」についても広告宣伝費を積極的に投下し、認知度を高めていくことで新規顧客の獲得を進めていく。リモートワークの常態化により、システム教育が十分に行えないとの悩みを持つ企業は多く、こうした企業に対して「Dojoナビ」を提案していく。同ツールを活用することで、システム教育の大幅な効率化が実現できるため、潜在ニーズは大きいと見られ、今後の動向が注目される。
また、2021年11月にはDojoシリーズの新製品のリリースも予定している。Webマニュアル作成・管理システムで、スマートフォンやタブレットで撮影した写真や動画コンテンツを用いて、簡便にWebマニュアルを作成できるシステムとなる。飲食店や小売業などの接客用研修マニュアルなどで需要が見込まれ、新たな顧客層を開拓していくことが可能となる。コロナ禍において社員の教育研修もオンライン化が広がってきており、こうしたニーズを取り込んでいく。スマートフォンを活用したマニュアル作成機能は競合の「Teachme biz」が先行していたが、同社も新製品を出すことで対抗していくことになる。
こうした取り組みにより、売上高は大幅増収を見込んでいるが、一方で開発費や広告宣伝費など先行投資を実施することにより、セグメント利益は一時的に落ち込む見通しだ。ただ2023年5月期以降は先行投資が一巡することから利益も増益に転じることが予想される。
(3) ゲームコンテンツ事業
ゲームコンテンツ事業は、売上高で前期比28.5%増の751百万円、セグメント利益で同69.3%増の160百万円と増収増益に転じる見通し。戦略的な人的投資を行い、チーム再編等で運営体制を強化した既存タイトルの売上回復を見込んでいる。また2021年2月末にリリースした受託新タイトル「新選組〜桜華妖乱〜」の配信も各ゲームプラットフォームで本格展開されており、安定的に業績に寄与することを想定している。なおARPPUについては前期比9.7%増の13,328円を見込んでいる。前期の水準からは回復するものの、2020年5月期の水準(15,891円)と比較するとまだ低い。「ヴァンパイア†ブラッド」の収益回復施策は打ったものの、従前の水準まで戻るかどうかまだ不確かなためだ。新タイトルの動向も含めて、業績計画達成の鍵を握ると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>