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ホットリンク Research Memo(6):2021年12月期業績予想の達成確度高い

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2021年12月期の業績見通し
ホットリンク<3680>の2021年12月期の業績見通しについては、売上高で前期比22.4%増の5,366百万円、営業利益で147百万円(前期は25百万円の損失)、税引前利益で224百万円(同84百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で167百万円(前期比799.5%増)となっている。第2四半期累計の各進捗率を見ると、売上高で49.1%、営業利益で52.7%、当期利益88.6%となっており、ビジネスモデルの下期偏重という性質を考慮すると非常に進捗は良好で、業績予想の上方修正の発表や通期計画上振れの着地の可能性は高いと弊社は予想する。

SNSマーケティング支援事業では、2021年12月期第2四半期は第1四半期末の予算消化によって収益の積み上げが良好となった。第2四半期における緊急事態宣言の発出を背景としたプロモーションの延期により一見すると伸びが鈍化しているように見えるが、既存顧客の契約者数は着実に伸びており、また継続率も90%以上で、事業展開は総じて好調となっている。新型コロナウイルス感染症の蔓延が継続するなか、SNSを活用したマーケティングの需要は今後も堅調に膨らむ見通しであり、業界内で大手との取引が増えるなど順調にプレゼンスを強める同社にとっては追い風が続き、今後も売上は好調に伸びることが予想される。

加えて直近ではサービスラインの拡充も進む。同社は2021年8月、インフルエンサーマーケティング支援を本格開始すると発表した。同社の強みであるSNSビッグデータに基づく「インフルエンサーの発掘・キャスティング」「データ分析に基づく施策実行」を支援する。SNSが浸透した現代では、メディア企業だけでなく個人も高い発信力を持つようになったことから、インフルエンサー活用に対する関心が高まっている。デジタル広告の規制が進む昨今では、ソーシャルメディア上のクチコミがそれらに代わる手法として注目されており、インフルエンサー活用はその解決策の1つとなる。一方、多くの会社では「PR投稿後の成果が見えない」「ブランドに合ったインフルエンサーの最適な起用がわからない(フォロワー数の多さ以外の判断基準がわからない)」「購入につながらない」といった課題に直面するケースがある。同社はインフルエンサーマーケティング支援を通じて独自の手法「データエビデンスドキャスティング」によりブランドとの親和性が高いインフルエンサー候補を洗い出し、データに基づいた成功確率の高いキャスティングを提供する。また、キャスティングによる「誰が言うか」の設計だけでなく、「何をどう言うか」のメッセージやインフルエンサーとの関係構築も成果創出において重要であり、売れる話題づくりのノウハウで企画を支援する。このインフルエンサーマーケティング支援は顧客からの需要主導でスタートするものであり、サービスラインの拡充はもちろん、ローンチ時点で需要が一定数確保できているほか、顧客との強い取引・信頼関係もベースとなっている点で、非常にポジティブと評価できる。

中国のクロスバウンド事業に関しては、毎年下期に売上が偏重する季節性があり、上期を超える売上の伸びが予想できる。かつ、2020年12月期後半より事業構造の変革を目指し、継続型またはトランザクション型の新サービスの立ち上げもスピーディーに行ったことで2021年12月期上期も売上が伸びた。顧客の評判も良く、下期も引き続き大きな成長が期待できる。加えて、既述のとおり他社との協業をベースとしたサービス機能の改善も進み、訴求力アップに伴う受注拡大も期待できる。さらに、需要面での拡大と供給面での改善が重なることで中・長期的にも売上増加の見通しは濃いと弊社は考える。

2. 好調な事業環境
国内のインターネット広告の市場規模は年率2ケタ成長が続いており、2019年には初めてテレビ広告を上回るに至った。広告を出稿する企業にとっては、訴求したいターゲット層に広告を配信しやすいこと、費用対効果がデジタルに可視化できることなどから、プロモーション施策の1つとして利用する企業が急速に増えている。なかでも今後主戦場になると見られるのがソーシャルメディア広告と言われている。TwitterやFacebook、YouTubeなどのソーシャルメディアがここ数年で急速に普及しており、ユーザーの1日当たり利用時間も増加している。また、Twitterではユーザーが商品の感想などを書き込むことで自然発生的に情報が拡散しやすく、結果的に費用対効果の高いプロモーション効果が得られることなどが背景にあると見られる。

このように市場規模が膨らむなか、成長産業として大小多くのプレイヤーがSNSマーケティング業界で競争を繰り広げており、シェアの取り合いは激しい。ただ、同社はテクノロジー企業ということで米国子会社であるEffyisの所有を背景としたSNS関連のビッグデータという資産を収集しているほか、それを分析・活用する場面でも長年のノウハウ・実績があり、結果として後に詳述するプラットフォームサービスという形態のもと大きな強みとなった。これは目先はシェアのさらなる拡大につながり、長期的にはシェアの安定化や価格競争での回避要因にもなると弊社は見る。インターネット広告事業は成長産業として投資家の注目度が高く、同社は好調な実績と併せてこうした強みが評価されることで、特に注目を集めることになると弊社は予想する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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