ハウスドゥ Research Memo(7):成長強化事業への積極的な投資効果により、2022年6月期も増収増益を見込む
[21/09/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2022年6月期の業績見通し
2022年6月期における日本経済は、新型コロナウイルスワクチン接種が進み、経済活動は回復していくものと見られているものの、変異型ウイルスによる感染再拡大やウッドショックの影響など、依然として先行き不透明な状況にある。このような状況を踏まえてハウスドゥ<3457>は、2022年6月期の業績予想をレンジ形式で開示している。売上高は前期比0.2%増〜13.8%増の39,100〜44,438百万円、営業利益は同14.8%増〜41.9%増の2,973〜3,673百万円、経常利益は同11.4%増〜39.2%増の2,800〜3,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同14.3%増〜42.9%増の1,848〜2,310百万円を見込んでいる。成長強化事業への積極的な投資を継続することで収益拡大を目指すことに加え、堅調な住宅需要の下支えにより増収増益を見込む。なお、レンジ予想については、下限値をベースとして、経済活動の改善状況及び各種取り組みの効果を想定し、上限値を設定している。
事業セグメントごとの業績予想は、レンジ予想のハウス・リースバック事業、金融事業、不動産売買事業と単一計画値のフランチャイズ事業、不動産流通事業、リフォーム事業、小山建設グループに分かれる。安定成長が見込まれるフランチャイズ事業に加え、ハウス・リースバック事業へ先行投資を継続することで事業拡大を図る。なお、不動産売買事業の業績予想値は他社の事業活動が活発化していることから、前期の好環境を前提としていない。また、レンジ予想の事業は、コロナ禍の影響の余波や外部環境の変化を勘案している。
(1) フランチャイズ事業
売上高で前期比6.8%増の3,563百万円、営業利益で同8.2%増の2,408百万円を見込んでいる。成長強化事業として、引き続き積み上げ型の安定的な収益確保を目指す。
(2) ハウス・リースバック事業
売上高で前期比19.4%〜29.0%増の15,942百万円〜17,228百万円、営業利益で同27.0%増〜41.3%増の2,100百万円〜2,335百万円を見込んでいる。継続的な広告宣伝・人材投資により、物件取得数で同24.0%〜32.3%増の993〜1,060件、累計保有物件数で527〜532件を目指す。
(3) 金融事業
売上高で前期比13.0%減〜7.5%減の952百万円〜1,012百万円、営業利益で同31.4%増〜110.6%増の100百万円〜160百万円を見込んでいる。リバースモーゲージ保証事業では提携金融機関が1年間で2倍以上に増加し、個々の金融機関の活動も活発化していることから、引き続き同事業に注力することで、新規保証件数675〜878件(前期は221件)、リバースモーゲージ保証件数1,237〜1,440件(同562件)、保証残高10,688百万円〜12,825百万円(同5,343百万円)へと拡大を目指す。
一方、不動産担保融資事業は残高より質を重視するため、融資残高は7,600百万円(前期末は9,744百万円)へ縮小する計画である。また、事業性融資の需要に関しては、金融機関の法人向け融資と連携し、不動産の担保評価の範囲内で保証事業を進める方針だ。なお、不動産担保融資事業で獲得した資金は、ハウス・リースバック事業への投資に活用するとしている。
(4) 不動産売買事業
売上高で前期比25.2%減〜2.1%増の10,936百万円〜14,929百万円、営業利益で同20.4%減〜16.9%増の861百万円〜1,265百万円を見込んでいるが、他社の事業活動が活発化していることから、前期の好環境を前提としていない。取引件数は前期比23.4%減〜9.0%増の544〜774件を想定している。販売用不動産及び仕掛販売用不動産の期初在庫は前期水準を下回るものの、足元の売却が好調であることから、仲介事業と連携して仕入の強化を図る。
そのほか、「買取パートナー制度」を拡大する方針である。「買取パートナー制度」とは、パートナーとなる不動産会社からの「良質な不動産情報」の提供を受け、同社が物件を買い取り、従来の仲介手数料(物件価格×3%+6万円)に加え、売却益の10%から最大40%相当の業務委託料を支払う制度である。金融機関の不動産融資に対する審査が厳しいことから、多くの不動産会社が良質な物件の買取チャンスを逃していることが背景にあるようだ。同様のスキームをフランチャイズ事業の加盟店と行っているが、対象を「買取パートナー制度」に応募する不動産会社に拡げ、事業機会の拡大を目指す。
(5) 不動産流通事業
売上高で前期比1.1%増の2,337百万円、営業利益で同4.6%増の623百万円を見込んでいる。ワンストップサービスの起点としてグループシナジーを生かす方針であるが、ハウス・リースバック事業などの成長強化事業へ人材を供給するため、微増の計画となっている。
(6) リフォーム事業
売上高で前期比9.4%増の2,972百万円、営業利益で同37.7%増の236百万円を見込んでいる。受注は回復傾向にあることから、仲介事業との連携を強化することで、中古リフォーム受注に繋げる方針だ。
(7) 小山建設グループ
売上高で前期比40.4%増の3,007百万円、営業利益で同47.9%増の189百万円を見込んでいる。地域に密着した基盤とグループシナジーを生かして、一層の仕入強化を図る。
2022年1月に会社分割方式により持株会社体制へ移行する計画、商号を「And Doホールディングス」に変更へ
2. 持株会社体制への移行
同社は、2022年1月1日に、会社分割方式により持株会社体制へ移行することを発表した。これにより、グループガバナンスの強化、経営資源配分の最適化、次世代に向けた経営人材の育成のほか、機動的な組織体制構築の推進を目指す。また、同社の商号を「And Doホールディングス」に変更することも合わせて発表した。今後は住宅だけでなく、さまざまな不動産を手がけることを企図して、社名から「ハウス」を外している。同社を分割会社とし、ハウス・リースバック事業を残すものの、フランチャイズ事業はハウスドゥ住宅販売、不動産売買事業及びリフォーム事業はハウスドゥ・ジャパンに承継される。また、小山不動産を消滅会社とし、同子会社の不動産売買仲介事業をハウスドゥ住宅販売へ吸収分割し、不動産賃貸仲介・管理事業を小山建設が吸収合併する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 2022年6月期の業績見通し
2022年6月期における日本経済は、新型コロナウイルスワクチン接種が進み、経済活動は回復していくものと見られているものの、変異型ウイルスによる感染再拡大やウッドショックの影響など、依然として先行き不透明な状況にある。このような状況を踏まえてハウスドゥ<3457>は、2022年6月期の業績予想をレンジ形式で開示している。売上高は前期比0.2%増〜13.8%増の39,100〜44,438百万円、営業利益は同14.8%増〜41.9%増の2,973〜3,673百万円、経常利益は同11.4%増〜39.2%増の2,800〜3,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同14.3%増〜42.9%増の1,848〜2,310百万円を見込んでいる。成長強化事業への積極的な投資を継続することで収益拡大を目指すことに加え、堅調な住宅需要の下支えにより増収増益を見込む。なお、レンジ予想については、下限値をベースとして、経済活動の改善状況及び各種取り組みの効果を想定し、上限値を設定している。
事業セグメントごとの業績予想は、レンジ予想のハウス・リースバック事業、金融事業、不動産売買事業と単一計画値のフランチャイズ事業、不動産流通事業、リフォーム事業、小山建設グループに分かれる。安定成長が見込まれるフランチャイズ事業に加え、ハウス・リースバック事業へ先行投資を継続することで事業拡大を図る。なお、不動産売買事業の業績予想値は他社の事業活動が活発化していることから、前期の好環境を前提としていない。また、レンジ予想の事業は、コロナ禍の影響の余波や外部環境の変化を勘案している。
(1) フランチャイズ事業
売上高で前期比6.8%増の3,563百万円、営業利益で同8.2%増の2,408百万円を見込んでいる。成長強化事業として、引き続き積み上げ型の安定的な収益確保を目指す。
(2) ハウス・リースバック事業
売上高で前期比19.4%〜29.0%増の15,942百万円〜17,228百万円、営業利益で同27.0%増〜41.3%増の2,100百万円〜2,335百万円を見込んでいる。継続的な広告宣伝・人材投資により、物件取得数で同24.0%〜32.3%増の993〜1,060件、累計保有物件数で527〜532件を目指す。
(3) 金融事業
売上高で前期比13.0%減〜7.5%減の952百万円〜1,012百万円、営業利益で同31.4%増〜110.6%増の100百万円〜160百万円を見込んでいる。リバースモーゲージ保証事業では提携金融機関が1年間で2倍以上に増加し、個々の金融機関の活動も活発化していることから、引き続き同事業に注力することで、新規保証件数675〜878件(前期は221件)、リバースモーゲージ保証件数1,237〜1,440件(同562件)、保証残高10,688百万円〜12,825百万円(同5,343百万円)へと拡大を目指す。
一方、不動産担保融資事業は残高より質を重視するため、融資残高は7,600百万円(前期末は9,744百万円)へ縮小する計画である。また、事業性融資の需要に関しては、金融機関の法人向け融資と連携し、不動産の担保評価の範囲内で保証事業を進める方針だ。なお、不動産担保融資事業で獲得した資金は、ハウス・リースバック事業への投資に活用するとしている。
(4) 不動産売買事業
売上高で前期比25.2%減〜2.1%増の10,936百万円〜14,929百万円、営業利益で同20.4%減〜16.9%増の861百万円〜1,265百万円を見込んでいるが、他社の事業活動が活発化していることから、前期の好環境を前提としていない。取引件数は前期比23.4%減〜9.0%増の544〜774件を想定している。販売用不動産及び仕掛販売用不動産の期初在庫は前期水準を下回るものの、足元の売却が好調であることから、仲介事業と連携して仕入の強化を図る。
そのほか、「買取パートナー制度」を拡大する方針である。「買取パートナー制度」とは、パートナーとなる不動産会社からの「良質な不動産情報」の提供を受け、同社が物件を買い取り、従来の仲介手数料(物件価格×3%+6万円)に加え、売却益の10%から最大40%相当の業務委託料を支払う制度である。金融機関の不動産融資に対する審査が厳しいことから、多くの不動産会社が良質な物件の買取チャンスを逃していることが背景にあるようだ。同様のスキームをフランチャイズ事業の加盟店と行っているが、対象を「買取パートナー制度」に応募する不動産会社に拡げ、事業機会の拡大を目指す。
(5) 不動産流通事業
売上高で前期比1.1%増の2,337百万円、営業利益で同4.6%増の623百万円を見込んでいる。ワンストップサービスの起点としてグループシナジーを生かす方針であるが、ハウス・リースバック事業などの成長強化事業へ人材を供給するため、微増の計画となっている。
(6) リフォーム事業
売上高で前期比9.4%増の2,972百万円、営業利益で同37.7%増の236百万円を見込んでいる。受注は回復傾向にあることから、仲介事業との連携を強化することで、中古リフォーム受注に繋げる方針だ。
(7) 小山建設グループ
売上高で前期比40.4%増の3,007百万円、営業利益で同47.9%増の189百万円を見込んでいる。地域に密着した基盤とグループシナジーを生かして、一層の仕入強化を図る。
2022年1月に会社分割方式により持株会社体制へ移行する計画、商号を「And Doホールディングス」に変更へ
2. 持株会社体制への移行
同社は、2022年1月1日に、会社分割方式により持株会社体制へ移行することを発表した。これにより、グループガバナンスの強化、経営資源配分の最適化、次世代に向けた経営人材の育成のほか、機動的な組織体制構築の推進を目指す。また、同社の商号を「And Doホールディングス」に変更することも合わせて発表した。今後は住宅だけでなく、さまざまな不動産を手がけることを企図して、社名から「ハウス」を外している。同社を分割会社とし、ハウス・リースバック事業を残すものの、フランチャイズ事業はハウスドゥ住宅販売、不動産売買事業及びリフォーム事業はハウスドゥ・ジャパンに承継される。また、小山不動産を消滅会社とし、同子会社の不動産売買仲介事業をハウスドゥ住宅販売へ吸収分割し、不動産賃貸仲介・管理事業を小山建設が吸収合併する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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