ポート Research Memo(1):第1四半期は売上収益・利益指標ともに会社計画を上回り、収益性の改善が進む
[21/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ポート<7047>はインターネットメディアを複数運営している。メディアのジャンルは多岐にわたるが、「就職領域」「リフォーム領域」「カードローン領域」の3つの領域を主力としつつ、新規領域として自治体向けや医療系などのメディアも開発・育成している。
1. 業績動向
2022年3月期第1四半期の連結業績は、売上収益が1,422百万円(前年同期比87.1%増)、営業利益が26百万円(前年同期は20百万円の損失)、税引前利益が16百万円(同35百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が2百万円(同35百万円の損失)となった※。売上収益は四半期ベースで過去最高を更新したことに加え、戦略的な大規模投資を実行しながらも、各利益は黒字転換し、収益性の改善が見られた。就職領域及びカードローン領域では、人員強化などの社内施策が奏効し各KPIが伸長した結果、売上収益も成長した。利益面では、事業拡大に向けて人件費、広告宣伝費、外注費を戦略的に投下したものの、増収が寄与し、各利益で黒字転換した。なお、第1四半期に実行した戦略的投資に対し、第2四半期以降は新卒の戦力化や広告宣伝費率の改善などにより、売上伸長に対して費用比率低下による利益拡大を見込んでいる。
※2022年3月期第1四半期よりIFRSへ移行していること、前年同期は非連結であることから、前年同期比は参考値。
2. 今後の見通し
2022年3月期の連結業績見通しについては、第1四半期業績は売上、利益とも会社四半期計画を上回り、通年での売上収益が7,000〜7,500百万円(前期比48.8%増〜59.4%増)、EBITDAが500〜900百万円(同164.7%増〜376.5%増)、営業利益が400〜700百万円、税引前利益が400〜700百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が300〜500百万円とする期初計画を据え置いている。新規事業やM&Aは織り込んでおらず、主要3領域でのオーガニック成長で売上収益7,000百万円を超える水準での着地を計画している。同社では、事業成長に向けた重要指標として「送客先の獲得」に注力する。2021年3月期までに行ったコンテンツ投資及びシステム投資を通じて、主要3領域ともにユーザーは計画を上回る水準で獲得できているものの、送客ボリュームに対して送客枠が不足しているためである。このため、受け皿となる送客先を獲得することで2022年3月期業績の達成を目指す。具体的には、主要3領域で積極的に業務提携を進めており、進捗は良好だ。送客先というボトルネックが解消されることで、2022年3月期の通期業績はもちろん、2023年3月期以降の成長ポテンシャルも高まると弊社では予想している。
3. 中長期の成長戦略
同社は業績拡大に向けた施策として、新規領域への参入及びM&Aを掲げている。対象領域は主に「マッチング」「クロスセル」「サプライチェーン」の3領域を想定しており、シナジー創造に向けたシナリオは各領域で多岐にわたる。M&Aは事業会社やメディアを対象とするが、このうちメディアを対象としたM&Aについては、明確な参入基準を当てはめ、選別を図っている。この参入基準は同社の強みである「メディア運営効率化」を最大限生かすことを想定して練られており、それゆえ事前のビジネス・デューデリジェンスの段階で成功確度を高く分析でき、結果としてM&Aに伴うリスクは低くなる。このような方針は、中長期的な成長において大きな強みになると弊社では評価している。
また、同社ではガバナンス体制の強化にも取り組んでいる。一例を挙げると、就職領域でチェンジ<3962>と資本業務提携を締結しており、第三者割当増資によって新株式を26万9,100株発行し、2021年7月に約2億円を調達した。人的リソースの拡充、広告宣伝費、システム開発費用に充当する資金を得たほか、事業面でも関係性の強い大株主が増えたことで、ガバナンス体制はより強化されたと評価できる。また、チェンジの代表取締役兼執行役員社長の福留大士氏が経営アドバイザーとして着任し、経営チームとの定期的なディスカッションにより知見やノウハウを吸収している。さらに、財務やIRで知見の豊富な辻本拓氏を執行役員として迎え入れた。両名ともに時価総額などの点で同社よりも規模の大きな企業で専門経験を積んだ人材である。こうした外部の人的リソースを積極的に活用する姿勢も、評価に値する。
■Key Points
・ 2022年3月期第1四半期は戦略的な大規模投資を実行しながらも、四半期ベースで過去最高売上を更新、各利益も黒字転換するなど順調に進捗
・2022年3月期第1四半期に実行した戦略的投資に対し、第2四半期以降は新卒の戦力化や広告宣伝費率の改善などにより、通期での利益拡大を見込む
・業務提携やM&A戦略により中長期の成長を目指すほか、外部人材登用などによりガバナンス体制の強化を推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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ポート<7047>はインターネットメディアを複数運営している。メディアのジャンルは多岐にわたるが、「就職領域」「リフォーム領域」「カードローン領域」の3つの領域を主力としつつ、新規領域として自治体向けや医療系などのメディアも開発・育成している。
1. 業績動向
2022年3月期第1四半期の連結業績は、売上収益が1,422百万円(前年同期比87.1%増)、営業利益が26百万円(前年同期は20百万円の損失)、税引前利益が16百万円(同35百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が2百万円(同35百万円の損失)となった※。売上収益は四半期ベースで過去最高を更新したことに加え、戦略的な大規模投資を実行しながらも、各利益は黒字転換し、収益性の改善が見られた。就職領域及びカードローン領域では、人員強化などの社内施策が奏効し各KPIが伸長した結果、売上収益も成長した。利益面では、事業拡大に向けて人件費、広告宣伝費、外注費を戦略的に投下したものの、増収が寄与し、各利益で黒字転換した。なお、第1四半期に実行した戦略的投資に対し、第2四半期以降は新卒の戦力化や広告宣伝費率の改善などにより、売上伸長に対して費用比率低下による利益拡大を見込んでいる。
※2022年3月期第1四半期よりIFRSへ移行していること、前年同期は非連結であることから、前年同期比は参考値。
2. 今後の見通し
2022年3月期の連結業績見通しについては、第1四半期業績は売上、利益とも会社四半期計画を上回り、通年での売上収益が7,000〜7,500百万円(前期比48.8%増〜59.4%増)、EBITDAが500〜900百万円(同164.7%増〜376.5%増)、営業利益が400〜700百万円、税引前利益が400〜700百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が300〜500百万円とする期初計画を据え置いている。新規事業やM&Aは織り込んでおらず、主要3領域でのオーガニック成長で売上収益7,000百万円を超える水準での着地を計画している。同社では、事業成長に向けた重要指標として「送客先の獲得」に注力する。2021年3月期までに行ったコンテンツ投資及びシステム投資を通じて、主要3領域ともにユーザーは計画を上回る水準で獲得できているものの、送客ボリュームに対して送客枠が不足しているためである。このため、受け皿となる送客先を獲得することで2022年3月期業績の達成を目指す。具体的には、主要3領域で積極的に業務提携を進めており、進捗は良好だ。送客先というボトルネックが解消されることで、2022年3月期の通期業績はもちろん、2023年3月期以降の成長ポテンシャルも高まると弊社では予想している。
3. 中長期の成長戦略
同社は業績拡大に向けた施策として、新規領域への参入及びM&Aを掲げている。対象領域は主に「マッチング」「クロスセル」「サプライチェーン」の3領域を想定しており、シナジー創造に向けたシナリオは各領域で多岐にわたる。M&Aは事業会社やメディアを対象とするが、このうちメディアを対象としたM&Aについては、明確な参入基準を当てはめ、選別を図っている。この参入基準は同社の強みである「メディア運営効率化」を最大限生かすことを想定して練られており、それゆえ事前のビジネス・デューデリジェンスの段階で成功確度を高く分析でき、結果としてM&Aに伴うリスクは低くなる。このような方針は、中長期的な成長において大きな強みになると弊社では評価している。
また、同社ではガバナンス体制の強化にも取り組んでいる。一例を挙げると、就職領域でチェンジ<3962>と資本業務提携を締結しており、第三者割当増資によって新株式を26万9,100株発行し、2021年7月に約2億円を調達した。人的リソースの拡充、広告宣伝費、システム開発費用に充当する資金を得たほか、事業面でも関係性の強い大株主が増えたことで、ガバナンス体制はより強化されたと評価できる。また、チェンジの代表取締役兼執行役員社長の福留大士氏が経営アドバイザーとして着任し、経営チームとの定期的なディスカッションにより知見やノウハウを吸収している。さらに、財務やIRで知見の豊富な辻本拓氏を執行役員として迎え入れた。両名ともに時価総額などの点で同社よりも規模の大きな企業で専門経験を積んだ人材である。こうした外部の人的リソースを積極的に活用する姿勢も、評価に値する。
■Key Points
・ 2022年3月期第1四半期は戦略的な大規模投資を実行しながらも、四半期ベースで過去最高売上を更新、各利益も黒字転換するなど順調に進捗
・2022年3月期第1四半期に実行した戦略的投資に対し、第2四半期以降は新卒の戦力化や広告宣伝費率の改善などにより、通期での利益拡大を見込む
・業務提携やM&A戦略により中長期の成長を目指すほか、外部人材登用などによりガバナンス体制の強化を推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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