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ポート Research Memo(3):就職領域及びカードローン領域のオーガニック成長が顕著

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2022年3月期第1四半期連結業績の概要
ポート<7047>の2022年3月期第1四半期の連結業績は、売上収益が1,422百万円(前年同期比87.1%増)、調整後EBITDA※1が261百万円(同177.7%増)、EBITDA※2が75百万円(同473.6%増)、営業利益が26百万円(前年同期は20百万円の損失)、税引前利益が16百万円(同35百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が2百万円(同35百万円の損失)となった。売上収益は四半期ベースで過去最高を更新したことに加え、戦略的な大規模投資を実行しながらも、各利益は黒字転換し、収益性の改善が見られた。なお、利益面については、第1四半期に実行した戦略的投資に対し、第2四半期以降は新卒の戦力化や広告宣伝費率の改善と通年の季節性として第3四半期、第4四半期に売上が伸長することも含め、売上伸長に対して費用比率低下による利益拡大を見込んでいる。

※1 調整後EBITDA=EBITDA+アカウント投資+コンテンツ投資+システム投資。同社は投資資産化の特性が強く、投資額は期によって増減があることから、投資額の影響を除いて平準化された収益として調整後EBITDAを設定し、重要指標としている。
※2 EBITDA=営業利益+減価償却費


就職領域及びカードローン領域では、人員強化などの社内施策が奏効し各KPIが伸長した結果、売上収益も成長した。就職領域のKPIを見ると、積極的な営業により送客予算が前年同期比104%増、マッチング担当の組織拡大により人材紹介数は同37%増となった。この結果、就職領域の売上収益は同63.9%増と好調に推移した。また、カードローン領域は前期第4四半期に行った広告宣伝費の戦略的な投下効果もあり、顧客の予算シェアを順調に獲得できた結果、送客数は同86%増となり、売上収益は同97.3%増となった。なお、両領域ともに成長率も通期目標達成の水準を満たしていることから、足元は良好な事業展開が進んでいることが伺える。一方、リフォーム領域は、ユーザーからの問い合わせ数は増加傾向にあるものの、送客先の枠の不足により、売上収益は同1.6%増※となった。ただし、送客先の枠の不足に対して、施工業を手掛ける個人事業主に労災保険を提供する(一社)一人親方労災保険組合と業務提携するなど、積極的に改善を進めた。

※2020年8月から連結化のため参考値。


利益面では、事業拡大に向けて人件費、広告宣伝費、外注費を戦略的に投下したものの、増収が寄与し、各利益で黒字転換した。なお、営業費用については例年、第1四半期は10億円未満で推移していたものの、2022年3月期第1四半期は10億円半ばに増加している。例年と比較すると、広告宣伝費、人件費、外注費が増加している。広告宣伝費はM&Aによるドアーズ分の加算、人件費は新卒を含めた人員強化、外注費はコンテンツ投資、システム投資、リフォーム領域の業務委託費増加などが影響している。ただし、計画水準での運用であることに注意したい。また、2022年3月期第2四半期以降は、新卒の戦力化や広告宣伝費率の改善などにより、売上伸長に対して費用比率低下による利益拡大を見込んでいる。

各領域の業績については、以下のとおり。

(1) 就職領域
売上収益は400百万円(前年同期比63.9%増)、事業利益は158百万円(同75.6%増)となった。会員シェア率70%の基盤を生かし、さらに送客先の拡充や人員拡充が進んだ結果、順調に推移した。就職領域は下期偏重(特に第4四半期)であるものの、第1四半期から堅調に成長している。

(2) リフォーム領域
売上収益は252百万円(前年同期比1.6%増※)、事業利益は22百万円※となった。ユーザーからの問い合わせ数は増加傾向にあるものの、送客先の枠の不足により軟調に推移した。

※2020年8月から連結化のため、売上収益の前年同期比は参考値、事業利益の前年同期比較はない。


(3) カードローン領域
売上収益は590百万円(前年同期比97.3%増)、事業利益は109百万円(同122.4%増)となった。業界シェアを拡大し、大きく成長した。また、アライアンスメディアが好調に推移したことにより、事業利益率は改善傾向となっている。

(4) その他・新規領域
売上収益は180百万円(前年同期比16.7%減)、事業利益は17百万円(同74.2%減)となった。フリーランス支援サービスは順調に推移したものの、新規メディアが軟調に推移した。


短期的な財務懸念はなく、資本増強によりレバレッジ活用可能な体制へ

2. 財務状況と経営指標
2022年3月期第1四半期末の資産合計は前期末比254百万円減少の6,501百万円となった。流動資産は225百万円減少し、3,555百万円となった。主な要因は、現金及び現金同等物が90百万円、営業債権及びその他の債権が160百万円減少したことによる。非流動資産は29百万円減少し、2,946百万円となった。主な要因は、使用権資産が26百万円減少したことによる。一方で、流動負債が256百万円減少したことにより、負債合計は同257百万円減の4,475百万円となった。資本合計は、同3百万円増の2,025百万円となった。

経営指標を見ると、流動比率が前期末比12.7ポイント上昇の192.5%であることから、短期的な財務懸念はないと弊社では見ている。また、親会社所有者帰属持分比率は同1.3ポイント上昇の31.2%となった。同社は、M&Aに関するリリース内でも積極的な負債活用を掲げていることから、現状の資本構成は方針に沿った展開であると言える。これに加え、チェンジとの資本業務提携に基づき2021年7月に約2億円を調達したことにより、さらに負債を活用しやすくなったと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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