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窪田製薬HD Research Memo(8):2021年12月期第2四半期はおおむね計画どおりの進捗

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
窪田製薬ホールディングス<4596>の2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、事業収益がなく、営業損失で1,335百万円(前年同期は1,292百万円の損失)、税引前損失で1,350百万円(同1,253百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失で1,350百万円(同1,253百万円の損失)となり、前年同期からは損失額がやや拡大する格好となったが、おおむね会社計画どおりの進捗となっている。

費用の内訳を見ると、研究開発費が前年同期比23百万円減少の986百万円となった。「クボタメガネ」の開発費用が増加したものの、「PBOS」の開発費用を中心にそのほかの開発費用が減少した。また、一般管理費は同28百万円増加の348百万円となった。各プロジェクトの進展に伴い、特許関連費用及び事業開発関連費用が増加した。


2021年12月期は「クボタメガネ」の商業化を最優先目標に取り組む方針
2. 2021年12月期業績の見通し
2021年12月期の連結業績は、事業収益で10百万円、営業損失で2,900百万円、税引前当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失でそれぞれ2,800百万円とする、期初計画を据え置いている。事業収益は、2021年内の販売開始を目標としている「クボタメガネ」の収入を見込んでいる。

費用面について見ると、研究開発費はスターガルト病を対象とした第3相臨床試験費用や「クボタメガネ」の商業化に向けた開発費用等が中心となり、そのほかの開発費用については絞り込む予定のため、全体では前期比で若干の減少を見込んでいる。一方、一般管理費については「クボタメガネ」の商業化へ向けた関連費用の増加を見込んでおり、営業損失が拡大する主因となっている。なお、為替前提レートは105円/米ドルとしている。


手元資金は50億円以上で、当面の事業活動資金は賄える水準
3. 財務状況
2021年12月期第2四半期末の資産合計は前期末比817百万円減少の5,874百万円となった。主な変動要因は、事業活動に伴う手元資金の支出によるもので、流動資産・非流動資産を合わせた手元資金(現金及び現金同等物、その他の金融資産)が同806百万円減少の5,532百万円となった。

負債合計は前期末比39百万円減少の659百万円となった。未払債務が52百万円増加した一方で、買掛金が28百万円、未払報酬が11百万円、リース負債が長短合わせて52百万円減少した。また、資本合計は前期末比778百万円減少の5,214百万円となった。新株予約権の行使等に伴う株式発行により、資本金及び資本剰余金が合わせて298百万円増加した一方で、親会社の所有者に帰属する四半期損失1,350百万円の計上により繰越損失が拡大した。

2021年12月期第2四半期末の手元資金は5,532百万円と当面の事業活動を継続していくには問題のない水準となっている。同社は、開発投資が先行することに鑑みて、2020年7月に第三者割当による新株予約権を発行し資金調達を進めている。潜在株式数900万株(希薄化率21.3%)に対して、2021年8月末時点で未行使分は544万株相当まで減少している。調達した資金はスターガルト病の第3相臨床試験に関する費用約17.4億円(2020年約8億円、2021年約5億円、2022年約4億円)と、「クボタメガネ」及びスマートコンタクトレンズのプロトタイプの開発費用約18億円(2020年約6億円、2021年約12億円)に充当していく予定となっている。なお、2022年12月期も開発ステージが続く見込みであることから、ライセンス契約等の一時金収入がなければ資金調達をいずれ行う可能性がある点には留意しておく必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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