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ピアラ Research Memo(5):市場環境の変化やコロナ禍の影響により、2021年12月期第2四半期は減収減益に

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
ピアラ<7044>の2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比7.3%減の6,810百万円、営業損失11百万円(前年同期は222百万円の利益)、経常損失3百万円(同218百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失62百万円(同151百万円の利益)となった。Web広告に対する規制強化の影響を受けて大型ヒット商品の創出に苦戦したことや、コロナ禍によるマイナス影響を国内外で受けたこと、新規事業への投資が計画通り実行していることなどが収益悪化要因となった。また、今後想定されるリスクに対して各種減損処理を実施したことや評価損を計上したことも、期初会社計画からの下振れ要因となった。

営業利益の増減要因を見ると、イレギュラーな減益要因としてマスクの評価損30百万円(第2四半期に計上)、大手取引先向けの一時的な広告停止により12百万円※、コロナ禍によるマイナス影響として国内リアルプロモーションの中止等により87百万円、海外子会社の事業停滞により48百万円の下振れ要因となった。さらに、Web広告に対する規制強化による大型ヒット商品の低迷により94百万円、新規投資の増加により91百万円の減益要因となった。一方、増益要因としては、通販DXサービスの開始で21百万円、新規ヒット商品の効果で26百万円、販管費の絞り込みで11百万円、新規事業の貢献で32百万円となった。

※同社の主要顧客の1社において、他社が行ったアフィリエイト広告で不適切広告のあったことが発覚し、2021年12月期第2四半期に一時的に広告出稿を自粛した。


四半期ベースの売上高と売上総利益の推移を見ると、第2四半期は売上高で前年同期比3.5%減の3,533百万円、売上総利益で同22.4%減の498百万円となったものの、通販DXサービスを開始したこともあり、第1四半期比では売上高で増収に転じたほか、売上総利益もマスク評価損(30百万円)や大手取引先の一時的な広告停止の影響(12百万円)を除けば増益となっており、若干ながら底打ち感は出ている。

ヒット商品(月額5百万円以上のクライアント)の売上高をマーケティング支援開始年別で見ると、2021年に開始した商品の一部がヒットしたほか、2020年に開始した商品も一部ヒットした。しかしながら全体的には、Web広告に対する規制強化を受けて大ヒット商品が生まれにくくなっていることや、前期に引き続いて主要取引先で他社事由により広告出稿が一時的に停止した影響を受け、売上高は伸び悩んでいる状況にある。

販管費は前年同期比6.7%増の1,031百万円、金額で65百万円増加した。主な増加要因は、人員体制の強化に伴う人件費の増加で34百万円、地代家賃の増加で10百万円、新規事業への投資費用などその他販管費で21百万円となっている。なお、2021年12月期第2四半期末の従業員数は210名と前年同期比で23名増加した。

新規事業の取り組みとしては、通販DXサービスで売上高160百万円を計上したほか、エンタメDX事業は流通取引額で526百万円となった。主に大型アーティストやアイドルグループに関連したEC販売が貢献したものと見られる。そのほか、子会社のピアラベンチャーズが、セルフエステスタジオを全国展開する(株)ボディアーキ・ジャパン並びに健康食品の通販会社である(株)ハーバルアイに、ファンドを通じて投資を実行した。なお、これらの投資先には今後、ピアラベンチャーズからの事業成長のサポートと、同社からのマーケティング支援を提供することを発表している。

また、2021年5月には、美容情報サイト「MOTEHADA(モテハダ)」を事業譲受した。「MOTEHADA」は、エステ、メイク、スキンケア関連に関するコンテンツが豊富な来店誘致型のSEOメディアである。「MOTEHADA」事業譲受により、SEOのノウハウ蓄積のほか、オウンドメディアの運営に携わることでマーケティングデータの蓄積を加速させ、独自のコンテンツ発信によりH&B領域のクライアントの潜在顧客や新規顧客獲得のフック役になることを目指す。なお、エステサロンなど店舗系の顧客獲得が進む可能性もある。


自己資本比率は40%台と安定した財務状況が続く

2. 財務状況
2021年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比78百万円増加の5,135百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では受取手形及び売掛金が116百万円、現金及び預金が84百万円それぞれ減少し、その他流動資産が増加した。また、固定資産では有形固定資産が47百万円、無形固定資産が75百万円、投資有価証券が15百万円それぞれ増加した。

負債合計は前期末比152百万円増加の3,002百万円となった。これは、成長投資のための資金として有利子負債が147百万円増加したことによる。また、純資産合計は同74百万円減少の2,132百万円となった。ピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合が外部より出資を受け入れたことを主因として被支配株主持分が23百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失62百万円の計上及び配当金支出により利益剰余金が97百万円減少した。

経営指標を見ると、有利子負債が増加したことにより有利子負債比率が前期末の51.6%から61.0%に上昇したものの、ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)は897百万円のプラスとなっているほか、自己資本比率も同社が目安としている40%台を維持していることから、財務状況は安定した状態を維持していると判断される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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