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LeTech Research Memo(4):不動産オーナー向けプラットフォーム「YANUSY」などDX力が新たな強み

注目トピックス 日本株
■ビジネスモデルと強み

1. ビジネスモデルの特徴・強み
LeTech<3497>は任意売却事業で培った法律知識に基づく問題解決力を生かした企画・開発力を用いて、仲介、賃貸、開発、売却と不動産に関わる幅広い事業領域において総合不動産ディベロッパーとしてハイブリッドな事業戦略を展開している。それを可能にしているのが以下の3つの特徴・強みである。

第1に、「地域、用途、規模にかかわらず、不動産価値を最大化・最適化させる提案力」である。マンション、土地有効活用、中古バリューアップ、オフィスビル、民泊マンション、ホテル開発など、エリアやプレイヤーに応じて不動産価値の最大化・最適化を図る提案を実施し、時代に合った事業展開を行うことができる。こうした提案力の高さが、同社が総合不動産開発会社として成長を続けている理由と言えるだろう。

第2に、「大阪・東京それぞれの事業環境を見極めた最適な事業戦略」である。東京と大阪では市場の動き方も不動産に対する消費者や投資家のスタンスも大きく異なるため、それぞれの事業環境に合わせた異なる事業戦略を立案し、実行することが必要である。同社では、両エリアにおいてそれぞれ最適の事業戦略を推進することで着実に業績を伸ばしている。

第3に、「変化する事業環境に対して自らも変化させる柔軟性」である。現状維持に甘んじることなく変化する事業環境の先を見据えた戦略を実行する。例えば将来のあるべき姿・長期的な見通しに基づいて組織を構成するなど、変化する事業環境に対して柔軟に対応している。また事業戦略として、現在のコロナ禍における中長期的な経営環境の変化を見据えて不動産テック(不動産取引のDX)に注力するのもその一例と言えるだろう。

2. 新ビジネスモデル:不動産オーナー向けプラットフォーム「YANUSY」
不動産オーナー向けプラットフォーム「YANUSY」は、不動産とITが融合した不動産テック(不動産取引のDX)による新しいビジネスモデルである。同社は、ZUU<4387>と共同で、多様化・複雑化する社会に未来のマーケットを作ることを目指している。すなわち不動産分野における商品開発力・新サービス開発力とオーナー向けのノウハウを有する同社と、インターネットサービス開発・運営ノウハウやデータマーケティングノウハウを持つZUUが手を組むことで新たな不動産プラットフォームを構築し、オウンドメディア(自社で保有するメディア)を軸に不動産テックを推進する計画だ。

「YANUSY」は2019年7月のリリース以降、国内最大級の不動産オーナー向けプラットフォームに成長し、2021年9月時点で月間ページビュー100万PV、オーナー会員数8,000人を超えている。

同社では、不動産オーナー向けプラットフォーム「YANUSY」を核に、OMO(Online Merges with Offline)型企業を目指す。すなわちオンラインとオフラインの情報・サービスを融合させながら、契約・決済・資金調達・投資・コミュニティなど「住」に関する多様なタッチポイントを構築する。これによって広告収入を得るだけでなく、訪問者を他の商材につなげることで既存3事業を伸ばすことを計画している。メニューは大きく「YANUSY Funding」「YANUSY Investment」「YANUSY Management」の3つに分かれる。「YANUSY Funding」は不動産投資未経験層を主な対象をしており、小口から始められる不動産投資サービス(クラウドファンディング)などを提供予定だ。「YANUSY Investment」は、不動産投資初級者層を主な対象としており、物件情報提供、融資サポート、物件オンライン査定など不動産売買を支える情報、サービスをラインナップする。「YANUSY Management」は不動産投資中・上級者層を主な対象としており、原状回復業務DX、不動産管理サポート、パートナーマッチングなど不動産オーナーの疑問や運用課題を解決するサービスを提供する。不動産オーナーの属性やニーズに応じた付加価値を提供し、富裕層へのステップアップを支援するのが「YANUSY」の役割である。

2021年9月には、「YANUSY」に代表されるDX推進の取り組みが評価され、経済産業省が定める「DX 認定事業者」の認定を取得した。DX認定制度とは、2020年5月15日施行の「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づき、DXに対するビジョンや戦略・体制の整備などを行い、DX推進の準備が整っている事業者を経済産業省が認定する制度である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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