C&R社 Research Memo(3):ゲーム、Web、テレビ・映像等のクリエイティブ分野と医療分野で利益を稼ぎ出す
[21/11/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■クリーク・アンド・リバー社<4763>の会社概要
3. 事業別・分野別構成比
2022年2月期第2四半期累計の事業別売上構成比は、プロデュース事業が35%、エージェンシー事業(派遣)が42%、エージェンシー事業(紹介)が14%、ライツマネジメント事業他が9%となっている。一方、売上総利益の構成比は、エージェンシー事業(紹介)が36%と最も高く、次いでプロデュース事業が30%、エージェンシー事業(派遣)が25%、ライツマネジメント事業他が9%となっている。ライツマネジメント事業については、利益率の高い事業がある一方で、まだ収益化していない新規事業も含まれているため、売上総利益率は全社平均並みとなっている。これら新規事業が収益貢献してくれば、中長期的にライツマネジメント事業の利益構成比も上昇していくものと予想される。
また、分野別の売上構成比を見ると、ゲームが23.5%、Webが18.7%、テレビ・映像が17.4%と主力3分野で全体の約6割を占めており、次いで医療が12.5%、韓国事業が8.3%、電子書籍・版権が6.5%、会計が4.2%となっている。一方、分野別の営業利益構成比では、医療が38.8%ともっとも高く、次いでゲームが35.4%、Webが14.0%、電子書籍・版権が10.9%、テレビ・映像が8.9%となっており、これら事業で新規事業や新規子会社の先行投資費用を吸収する収益構造となっている。なお、医療分野については例年、春に医師の異動が多いことや、医学生・研修医向けに開催される「レジナビFair」も第2四半期までに多く開催されることから、上期に年間利益の大半を稼ぎ出す収益構造となっており、通期での利益構成比は直近3期間の平均で見ると約33%となっている。
32万人超のプロフェッショナル人材ネットワークを構築し、4.1万社の顧客にサービス提供
4. 特徴と強み
同社の事業の特徴はプロフェッショナル分野に特化した請負・アウトソーシング、派遣・紹介サービスやライツマネジメント事業を展開していることにあり、一般的な人材サービス会社とは異なると弊社では考えている。
(1) プロフェッショナル分野を対象に事業を展開
同社が定義するプロフェッショナルとは、1)世界中で活躍できる職種、2)機械では代替できない職種、3)知的財産が蓄積される職種、の3条件を満たすものとなる。これら3条件を当てはめて展開しているのが、テレビ・映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、舞台芸術、建築、シェフ、コンピュータサイエンス、ライフサイエンス、アグリ、CXO等のクリエイティブ分野のほか、医療、会計、法曹、ファッション、IT等で合計18分野となる。業績の安定性という観点から見ると、幅広いプロフェッショナル分野を事業領域として展開しているため、景気下降局面でも比較的悪影響を受けにくい収益構造になっていることが特徴と言える。
(2) 制作スタジオの設置によりグループ内にノウハウを蓄積
サービス提供によって人にノウハウが蓄積されていくだけでなく、そのノウハウを組織全体で共有化しながら深掘りし、他分野へ展開していくことで、顧客企業に対してより良い提案やサービス品質の向上につなげている。具体的には、顧客企業で仕事を完了したプロフェッショナルが、就業先でのニーズなどを共有し、他の顧客企業から戻ってきたプロフェッショナルと次の企画提案を共同で練り、新規受注案件の獲得に生かしている。プロフェッショナルの思考の幅が広がり、1社だけの経験では得られないノウハウが蓄積されることで付加価値の高い提案を可能としており、競合他社との差別化要因となっている。この好循環の仕組みによって、テレビやゲーム業界で多数のクライアント企業を獲得しているほか、ここ最近ではWeb制作においても官公庁等から大型案件を受注するケースが増えている。
主力のクリエイティブ分野では、東京(テレビ、ゲーム、Web、VR、YouTube)、名古屋(アミューズメント)、大阪(ゲーム)に制作スタジオを保有しており、こうしたノウハウの蓄積・共有の場としているほか、最近ではリモートワーク体制の整備により、生産性も向上している。
(3) 大きなネットワーク
同社に登録しているプロフェッショナル人材のネットワークは、2021年10月時点で32万人超に達している。主力のクリエイティブ分野では、クリエイター8.5万人、顧客数で1.5万社のネットワークを構築している。このうちテレビ分野では、同社ネットワークに参加するクリエイターの関与する番組が、日本の地上波番組の45%を占めるなど圧倒的な存在感を示している。またゲーム分野では、自社開発タイトルの制作・運用のほか、大手プラットフォーム企業やパブリッシャー、中国企業等との共同開発案件も含めれば、年間で200タイトル前後となり、国内最大規模の開発体制となっている。
医療分野では、国内の勤務医(研修医含む)約23万人のうち過半数を占める約13.4万人が同社サービス(医師向け転職情報サイト「MediGate」、医学生・研修医向けの臨床研修支援サービス「レジナビ」等)に登録しており、顧客となる医療施設数は1.3万施設となっている。同社では医学生・研修医のための「レジナビFair」(臨床研修指定病院合同説明会)を全国規模で開催しており(2020年よりオンラインフェアも開始)、その際に医学生・研修医が「レジナビ」に登録するため、登録会員獲得のための広告宣伝費を抑制することができ、同事業の利益率の高さの一因にもつながっている。また、勤務医は平均3年で転職するため、紹介事業については毎年一定の需要が見込め、安定した収益源になっている。
その他の分野についても、年々、人材ネットワークが拡大している。IT分野ではSEを中心に4千人超、法曹分野では弁護士や法務・知財部員等で1.85万人、会計分野では公認会計士・税理士他で5.7万人が同社ネットワークに登録している。なお、新規ビジネスとなるアグリ分野については、アグリテックのベンチャー企業等を農家や農業法人に紹介するビジネスを展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 事業別・分野別構成比
2022年2月期第2四半期累計の事業別売上構成比は、プロデュース事業が35%、エージェンシー事業(派遣)が42%、エージェンシー事業(紹介)が14%、ライツマネジメント事業他が9%となっている。一方、売上総利益の構成比は、エージェンシー事業(紹介)が36%と最も高く、次いでプロデュース事業が30%、エージェンシー事業(派遣)が25%、ライツマネジメント事業他が9%となっている。ライツマネジメント事業については、利益率の高い事業がある一方で、まだ収益化していない新規事業も含まれているため、売上総利益率は全社平均並みとなっている。これら新規事業が収益貢献してくれば、中長期的にライツマネジメント事業の利益構成比も上昇していくものと予想される。
また、分野別の売上構成比を見ると、ゲームが23.5%、Webが18.7%、テレビ・映像が17.4%と主力3分野で全体の約6割を占めており、次いで医療が12.5%、韓国事業が8.3%、電子書籍・版権が6.5%、会計が4.2%となっている。一方、分野別の営業利益構成比では、医療が38.8%ともっとも高く、次いでゲームが35.4%、Webが14.0%、電子書籍・版権が10.9%、テレビ・映像が8.9%となっており、これら事業で新規事業や新規子会社の先行投資費用を吸収する収益構造となっている。なお、医療分野については例年、春に医師の異動が多いことや、医学生・研修医向けに開催される「レジナビFair」も第2四半期までに多く開催されることから、上期に年間利益の大半を稼ぎ出す収益構造となっており、通期での利益構成比は直近3期間の平均で見ると約33%となっている。
32万人超のプロフェッショナル人材ネットワークを構築し、4.1万社の顧客にサービス提供
4. 特徴と強み
同社の事業の特徴はプロフェッショナル分野に特化した請負・アウトソーシング、派遣・紹介サービスやライツマネジメント事業を展開していることにあり、一般的な人材サービス会社とは異なると弊社では考えている。
(1) プロフェッショナル分野を対象に事業を展開
同社が定義するプロフェッショナルとは、1)世界中で活躍できる職種、2)機械では代替できない職種、3)知的財産が蓄積される職種、の3条件を満たすものとなる。これら3条件を当てはめて展開しているのが、テレビ・映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、舞台芸術、建築、シェフ、コンピュータサイエンス、ライフサイエンス、アグリ、CXO等のクリエイティブ分野のほか、医療、会計、法曹、ファッション、IT等で合計18分野となる。業績の安定性という観点から見ると、幅広いプロフェッショナル分野を事業領域として展開しているため、景気下降局面でも比較的悪影響を受けにくい収益構造になっていることが特徴と言える。
(2) 制作スタジオの設置によりグループ内にノウハウを蓄積
サービス提供によって人にノウハウが蓄積されていくだけでなく、そのノウハウを組織全体で共有化しながら深掘りし、他分野へ展開していくことで、顧客企業に対してより良い提案やサービス品質の向上につなげている。具体的には、顧客企業で仕事を完了したプロフェッショナルが、就業先でのニーズなどを共有し、他の顧客企業から戻ってきたプロフェッショナルと次の企画提案を共同で練り、新規受注案件の獲得に生かしている。プロフェッショナルの思考の幅が広がり、1社だけの経験では得られないノウハウが蓄積されることで付加価値の高い提案を可能としており、競合他社との差別化要因となっている。この好循環の仕組みによって、テレビやゲーム業界で多数のクライアント企業を獲得しているほか、ここ最近ではWeb制作においても官公庁等から大型案件を受注するケースが増えている。
主力のクリエイティブ分野では、東京(テレビ、ゲーム、Web、VR、YouTube)、名古屋(アミューズメント)、大阪(ゲーム)に制作スタジオを保有しており、こうしたノウハウの蓄積・共有の場としているほか、最近ではリモートワーク体制の整備により、生産性も向上している。
(3) 大きなネットワーク
同社に登録しているプロフェッショナル人材のネットワークは、2021年10月時点で32万人超に達している。主力のクリエイティブ分野では、クリエイター8.5万人、顧客数で1.5万社のネットワークを構築している。このうちテレビ分野では、同社ネットワークに参加するクリエイターの関与する番組が、日本の地上波番組の45%を占めるなど圧倒的な存在感を示している。またゲーム分野では、自社開発タイトルの制作・運用のほか、大手プラットフォーム企業やパブリッシャー、中国企業等との共同開発案件も含めれば、年間で200タイトル前後となり、国内最大規模の開発体制となっている。
医療分野では、国内の勤務医(研修医含む)約23万人のうち過半数を占める約13.4万人が同社サービス(医師向け転職情報サイト「MediGate」、医学生・研修医向けの臨床研修支援サービス「レジナビ」等)に登録しており、顧客となる医療施設数は1.3万施設となっている。同社では医学生・研修医のための「レジナビFair」(臨床研修指定病院合同説明会)を全国規模で開催しており(2020年よりオンラインフェアも開始)、その際に医学生・研修医が「レジナビ」に登録するため、登録会員獲得のための広告宣伝費を抑制することができ、同事業の利益率の高さの一因にもつながっている。また、勤務医は平均3年で転職するため、紹介事業については毎年一定の需要が見込め、安定した収益源になっている。
その他の分野についても、年々、人材ネットワークが拡大している。IT分野ではSEを中心に4千人超、法曹分野では弁護士や法務・知財部員等で1.85万人、会計分野では公認会計士・税理士他で5.7万人が同社ネットワークに登録している。なお、新規ビジネスとなるアグリ分野については、アグリテックのベンチャー企業等を農家や農業法人に紹介するビジネスを展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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