サインポスト Research Memo(1):社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジー企業
[21/11/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
サインポスト<3996>は、創業の理念「孫の代まで豊かな社会を創る一翼を担う」を事業活動の最上位概念として、社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジー企業である。
1. 課題解決とオープンイノベーション
報告セグメントはコンサルティング事業、ソリューション事業、イノベーション事業としている。事業の全体像としては、企業や社会の課題解決に取り組むとともに、成長のスピードアップを図るため事業開発や営業面においてオープンイノベーションを推進している。協業企業との製品・サービスの共同開発、提供、販売提携によって効率的に事業展開していることが特徴である。
2. コンサルティング事業は勘定系システム構築に対する知見が強み
コンサルティング事業は、金融業界の企業や、国・地方公共団体向けに、顧客の経営・業務課題の解決に主眼を置いた情報化戦略や業務改善などを提案し、システム企画・設計からマネジメント支援といった解決策の実行までをサポートするコンサルティングサービスを提供している。勘定系システムの構築に熟知した知見を活用し、「顧客のIT部門の一員として」具体的な課題解決を行うことを特徴・強みとしている。地域銀行とは同社設立からわずか十数年で既に30行以上との取引実績があり、同社のコンサルティングが高い評価・信頼を受けて実質的な業界スタンダードとなっている。このため競合企業が見当たらないことも特徴だ。
3. イノベーション事業は無人レジや地方共創を展開
イノベーション事業は、企業の経営・業務課題の解決にとどまらず、社会問題の解決や地域との共創に向けて、新技術の研究開発やオープンイノベーションによる協力企業との協業によって、新たな製品・ソリューションの具現化を目指す事業である。具体的には、独自開発の人工知能「SPAI」など同社が保有する要素技術を活用し、小売業向けに自社開発した設置型AI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」や、完全スルー型の無人決済システム「スーパーワンダーレジ」の導入・設置を推進している。さらに地域の課題を解決することを目的として地方共創への取り組みも開始している。
4. 2022年2月期第2四半期累計業績は営業・経常損失が縮小
2022年2月期第2四半期累計業績(非連結)は、売上高が前年同期比4.8%減の967百万円、営業損失が263百万円(前年同期は352百万円の損失)、経常損失が266百万円(同361百万円の損失)、四半期純損失が378百万円(同335百万円の損失)だった。全体として売上高が小幅減となり、採用増に伴って人件費や人材採用費が増加したが、研究開発費の減少により営業・経常損失が縮小した。
5. 2022年2月期通期業績予想を下方修正したが前期比では損失縮小
2022年2月期通期業績(非連結)予想は下方修正(2021年10月12日付)して、売上高が前期比0.6%増の2,050百万円、営業損失が460百万円(前期は596百万円の損失)、経常損失が465百万円(同611百万円の損失)、当期純損失が360百万円(同786百万円の損失)としている。なお特別損失に減損損失110百万円を計上(第2四半期に計上済み)する。売上高が従来予想を下回ることに加えて、中途採用者の増加に伴う人件費や人材採用費の増加も影響する。ただし前期比では各利益の損失幅が縮小する見込みだ。
6. 中長期的な成長ポテンシャルは大きい
2022年2月期までは「成長への種まき期」と位置付けて積極的な先行投資を実行してきたが、2023年2月期からは「収穫期」と位置付けて成長の実現と収益化のフェーズに移行し、早期の営業黒字転換を目指す方針だ。さらに中長期成長に向けた経営戦略の基本方針として、3つのコア・コンピタンスをベースに、保有技術とオープンイノベーションによってエコシステム(協業モデル)を推進し、社会に新たな価値を創出する新たなソリューションを具現化することを目指している。蒲原寧(かんばら やすし)代表取締役社長は「中長期的には世界に進出して日本を代表するグローバル企業を目指したい」と語る。当面は先行投資負担が続くが、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。
■Key Points
・社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジー企業
・金融業界向けコンサルティング事業や小売業向け無人レジなどを展開
・当面は先行投資負担が続くが中長期的な成長ポテンシャルは大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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サインポスト<3996>は、創業の理念「孫の代まで豊かな社会を創る一翼を担う」を事業活動の最上位概念として、社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジー企業である。
1. 課題解決とオープンイノベーション
報告セグメントはコンサルティング事業、ソリューション事業、イノベーション事業としている。事業の全体像としては、企業や社会の課題解決に取り組むとともに、成長のスピードアップを図るため事業開発や営業面においてオープンイノベーションを推進している。協業企業との製品・サービスの共同開発、提供、販売提携によって効率的に事業展開していることが特徴である。
2. コンサルティング事業は勘定系システム構築に対する知見が強み
コンサルティング事業は、金融業界の企業や、国・地方公共団体向けに、顧客の経営・業務課題の解決に主眼を置いた情報化戦略や業務改善などを提案し、システム企画・設計からマネジメント支援といった解決策の実行までをサポートするコンサルティングサービスを提供している。勘定系システムの構築に熟知した知見を活用し、「顧客のIT部門の一員として」具体的な課題解決を行うことを特徴・強みとしている。地域銀行とは同社設立からわずか十数年で既に30行以上との取引実績があり、同社のコンサルティングが高い評価・信頼を受けて実質的な業界スタンダードとなっている。このため競合企業が見当たらないことも特徴だ。
3. イノベーション事業は無人レジや地方共創を展開
イノベーション事業は、企業の経営・業務課題の解決にとどまらず、社会問題の解決や地域との共創に向けて、新技術の研究開発やオープンイノベーションによる協力企業との協業によって、新たな製品・ソリューションの具現化を目指す事業である。具体的には、独自開発の人工知能「SPAI」など同社が保有する要素技術を活用し、小売業向けに自社開発した設置型AI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」や、完全スルー型の無人決済システム「スーパーワンダーレジ」の導入・設置を推進している。さらに地域の課題を解決することを目的として地方共創への取り組みも開始している。
4. 2022年2月期第2四半期累計業績は営業・経常損失が縮小
2022年2月期第2四半期累計業績(非連結)は、売上高が前年同期比4.8%減の967百万円、営業損失が263百万円(前年同期は352百万円の損失)、経常損失が266百万円(同361百万円の損失)、四半期純損失が378百万円(同335百万円の損失)だった。全体として売上高が小幅減となり、採用増に伴って人件費や人材採用費が増加したが、研究開発費の減少により営業・経常損失が縮小した。
5. 2022年2月期通期業績予想を下方修正したが前期比では損失縮小
2022年2月期通期業績(非連結)予想は下方修正(2021年10月12日付)して、売上高が前期比0.6%増の2,050百万円、営業損失が460百万円(前期は596百万円の損失)、経常損失が465百万円(同611百万円の損失)、当期純損失が360百万円(同786百万円の損失)としている。なお特別損失に減損損失110百万円を計上(第2四半期に計上済み)する。売上高が従来予想を下回ることに加えて、中途採用者の増加に伴う人件費や人材採用費の増加も影響する。ただし前期比では各利益の損失幅が縮小する見込みだ。
6. 中長期的な成長ポテンシャルは大きい
2022年2月期までは「成長への種まき期」と位置付けて積極的な先行投資を実行してきたが、2023年2月期からは「収穫期」と位置付けて成長の実現と収益化のフェーズに移行し、早期の営業黒字転換を目指す方針だ。さらに中長期成長に向けた経営戦略の基本方針として、3つのコア・コンピタンスをベースに、保有技術とオープンイノベーションによってエコシステム(協業モデル)を推進し、社会に新たな価値を創出する新たなソリューションを具現化することを目指している。蒲原寧(かんばら やすし)代表取締役社長は「中長期的には世界に進出して日本を代表するグローバル企業を目指したい」と語る。当面は先行投資負担が続くが、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。
■Key Points
・社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジー企業
・金融業界向けコンサルティング事業や小売業向け無人レジなどを展開
・当面は先行投資負担が続くが中長期的な成長ポテンシャルは大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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