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ココナラ Research Memo(1):積極的な開発投資とマーケティング施策を展開中

注目トピックス 日本株
■要約

ココナラ<4176>は2012年の設立で、個人の知識・スキルをオンラインで売買するマッチング型プラットフォーム「ココナラ」のサービスを提供している。当初は「占い」を中心とした相談・プライベート系が中心であったが、ここ2〜3年で制作・ビジネス系カテゴリ(デザイン、Webサイト制作等)の強化を図り、フリーランスや副業の需要を取り込んできたことで流通高が大きく成長、CtoCのマッチング型プラットフォームとして圧倒的なポジションを確立している。流通額の25%※を同社が手数料として受け取り、これが営業収益となる。登録会員数は2021年8月期末で242万人となっている。2021年3月に東証マザーズ市場に上場した。

※従来は出品者から25%程度を徴収していたが、2021年4月12日から出品者20%、購入者5%の手数料に変更した。なお、電話相談サービスに関しては手数料率が約50%となっている。


1. 2021年8月期の業績概要
2021年8月期の業績は、営業収益で前期比54.7%増の2,746百万円、営業利益で89百万円(前期は80百万円の営業損失)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)が続くなかで、サービスマッチングのオンライン化が進み、「ココナラ」の流通高が前期比51.6%増の9,599百万円と大きく伸長したことが高成長につながった。内訳を見ると、制作・ビジネス系が同70.5%増、相談・プライベート系が同31.3%増といずれも伸長した。コロナ禍で在宅勤務が増え、副業を始める人が増加したことにより、出品者が前期比45.5%増の30.4万人と拡大したほか、購入側も非対面で迅速かつ低コストでサービスを購入できる「ココナラ」のメリットが認知され、ビジネスユーザーの利用が広がり、スキルシェアサービスのマーケットプレイスとして基盤を着々と築いている。利益面では、事業拡大に向けた人材投資やシステム投資を積極的に行い関連費用が増加したものの増収効果で吸収し、営業利益で3期ぶりに黒字化した。

2. 2022年8月期の業績見通し
2022年8月期は営業収益で前期比32.9%増の3,650百万円、営業損失で1,290百万円を見込んでいる。引き続き「ココナラ」の購入UU数※1並びに1人当たり購入額※2を伸ばし高成長を目指す。利益面では、「ココナラ」の認知度向上に向けたTVCMなどを積極的に投下する予定で、広告宣伝費が前期の497百万円から1,815百万円(うち、TVCM(テレビコマーシャル)関連費用は174百万円から1,355百万円)に増加するため損失を見込むが、TVCM関連費用を除いた修正後営業利益は黒字を確保する方針となっている。広告宣伝費以外にも高成長を継続していくために必要となる人材投資なども積極的に進めていく予定だ。第1四半期については、TVCMの効果も一定程度出ており、順調な滑り出しを見せているもようだ。

※1 購入UU数:各期間内に有料サービスを購入したユニークユーザー数
※2 1人当たり購入額:各期間内の購入UU×1人当たりの購入金額


3. 成長戦略
同社がターゲットとするオンライン完結型のサービスEC市場は足元の1,000億円規模から、2030年にはEC化率上昇や法人利用の浸透に伴って9,600億円〜1.6兆円に拡大すると同社では試算している。将来的に「ココナラ」をAmazonや楽天市場のような圧倒的強さを有する総合カテゴリ型のサービスECプラットフォームに育成していくことを目指している。このため、2022年8月期及び2023年8月期も「ココナラ」の機能強化と利便性向上を進めていくと同時に、利用ユーザー数拡大のための積極的なマーケティング施策を継続していく予定で、そのため営業利益ベースでは損失が継続する見込みとなっている。スキルシェアサービスの市場成長はまだ始まったばかりであり、当面は流通高の拡大を最重要経営課題として同社では取り組んでいく方針で、今後も年率3割超の成長を継続できるかどうかが注目される。

■Key Points
・個人の知識・スキル・経験を商品化し、オンライン販売するプラットフォーム「ココナラ」の開発・運営企業
・2021年8月期の営業収益は制作・ビジネス系サービスの急成長により1.5倍に拡大
・2022年8月期は積極的なマーケティング投資により、営業収益で3割強の高成長を目指す
・潜在市場規模は2030年で約1.6兆円、サービスECプラットフォームのAmazonを目指し、成長投資を継続方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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