TOKAI Research Memo(4):情報通信、CATV、建築設備不動産事業が増益(1)
[21/11/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
2.事業セグメント別動向
(1) エネルギー事業
TOKAIホールディングス<3167>のエネルギー事業の売上高は前年同期比8.1%増の36,153百万円、営業利益(間接費用等配賦前営業利益となり、決算短信とは算出方法が異なる。以下、同様)は同17.6%減の1,963百万円となった。会計方針の変更による売上高の影響額は9億円の減少要因となっている。営業利益の増減要因を見ると、顧客件数の増加で5.2億円、仕入コストの低減で0.6億円の増益要因となった一方で、顧客獲得コストの増加で5.0億円、気温変動や巣ごもり需要の反動減による販売量の減少で3.7億円、人件費やその他コストの増加で1.3億円の減益要因となった。
ただ、社内計画比では売上高、営業利益とも上回って進捗した。売上高については、仕入連動による販売価格の上昇や工業用の販売量増加を主因として約10億円の上振れとなった。また、営業利益は家庭用の顧客件数並びに顧客当たり販売量が計画を下回ったほか、解約防止コストや仕入れコストが計画を上回ったが、人件費や各種経費が計画を下回ったことにより全体では数億円の上振れとなった。LPガスの顧客件数については前期末比で16千件の増加となったものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)でM&A交渉が遅れた影響等により計画比では0.8千件下回っている。
LPガス事業の売上高は前年同期比10.3%増の30,712百万円となり、顧客件数は前年同期末比で30千件増加の697千件となった。増収要因は販売価格の上昇と販売量の増加による。販売価格については家庭用が前年同期比1%の上昇にとどまったが、仕入価格に連動する業務用や工業用が同49%の上昇となり、全体では2〜3%の上昇となった。一方、販売量は前年同期の巣ごもり需要の反動減により、家庭用が前年同期比横ばい水準にとどまったが、業務用・工業用については同35%増となり、全体では同14%増となった。なお仕入価格上昇による家庭用LPガスの利益への影響については、既に2022年3月期分の仕入量相当分の予約を終えていたことからほとんどなかった。
都市ガス事業については、売上高で前年同期比2.6%減の5,440百万円、顧客件数で前年同期末比6千件増加の67千件となった。原料費調整制度による販売単価の低下等が減収要因となった。なお、顧客件数の増加分の大半は、持分法適用関連会社であるT&Tエナジー(株)における東海エリアでの契約件数増加※によるものとなっている(販売手数料のみ売上計上)。
※T&Tエナジーは、東京電力エナジーパートナー(株)との合弁(出資比率50%)で2019年10月に設立され、愛知県、岐阜県、三重県の東海3県で都市ガスの小売事業等を行っている。
(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前年同期比0.7%増の25,302百万円、営業利益は同18.1%増の2,405百万円と2期ぶりの増収増益に転じた。会計方針変更による売上高への影響額は0.2億円の増収要因となった。また、社内計画比で見ると売上高はコンシューマー向けで2億円下振れたものの、法人向けで2億円の上振れとなり、全体では計画どおりとなった。また、営業利益は法人向け、コンシューマー向けともに上振れており、全体で数億円の上振れとなっている。
コンシューマー事業の売上高は前年同期比6.9%減の12,240百万円と減収基調が続いたが、営業利益は顧客獲得コストの減少1.3億円やLIBMO(格安スマートフォン)の収益改善1.3億円等によりその他コストの増加(ワークスタイル改革の環境整備費用)を吸収して、同1.5億円の増益となった。顧客件数は前年同期末比17千件増加の779千件と増加に転じている。内訳を見ると、従来型ISP等で同7千件増加の386千件※、光コラボで同7千件増加の339千件、LIBMOで同3千件増加の54千件となっており、このうち光コラボについては大手携帯キャリアとの提携によるメニューの拡充を図ったことが増加につながっている。ただ光コラボ契約のなかで携帯キャリアとの連携案件が増えたこと等によりARPU(顧客当たり平均売上高)が低下し、減収要因となった。また、LIBMOについては料金プランの見直しを実施したことが収益改善につながっている。
※2021年3月期第4四半期より従来型ISP等にISP付加サービスの契約件数も加えたため増加しており、同要因を除けば2万件程度減少していると見られる。
法人向け事業の売上高は前年同期比9.0%増の13,061百万円、営業利益は同2.2億円の増益となった。Amazon Web Services(アマゾンウェブサービス。以下、AWS)の構築案件やシステム受託開発案件の受注が想定以上に増加した。また、データ通信サービスやクラウドサービス等のストック型ビジネスも順調に増加している。なお2021年4月末に、システム開発会社の(株)クエリの全株式をTOKAIコミュニケーションズが取得し子会社化している。クエリの持つ技術力を融合することで、顧客へのさらなる付加価値の提供や取引先の拡大を見込んでいる(クエリの2020年12月期業績は売上高355百万円、営業利益39百万円)。
(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前年同期比2.5%減の16,081百万円、営業利益は同12.3%増の2,957百万円となった。前述のとおり売上高は会計方針変更(セット販売している大手携帯キャリアの通信サービス料金分を売上高から除外等)による影響で10億円の減収要因となっており、実質ベースでは約4%の増収となっている。顧客件数が着実に増加していることが増収増益要因となっており、社内計画比でも営業利益は1億円強上回った。
顧客件数は放送サービスで前年同期末比13千件増加の881千件、通信サービスで同22千件増加の333千件となった。地域密着型の情報発信や番組制作に注力するとともに、大手動画配信事業者と提携するなど放送コンテンツの充実に取り組んだことや、光化投資の推進により高速通信サービスの提供エリアを拡大したことなどが顧客件数の拡大につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2.事業セグメント別動向
(1) エネルギー事業
TOKAIホールディングス<3167>のエネルギー事業の売上高は前年同期比8.1%増の36,153百万円、営業利益(間接費用等配賦前営業利益となり、決算短信とは算出方法が異なる。以下、同様)は同17.6%減の1,963百万円となった。会計方針の変更による売上高の影響額は9億円の減少要因となっている。営業利益の増減要因を見ると、顧客件数の増加で5.2億円、仕入コストの低減で0.6億円の増益要因となった一方で、顧客獲得コストの増加で5.0億円、気温変動や巣ごもり需要の反動減による販売量の減少で3.7億円、人件費やその他コストの増加で1.3億円の減益要因となった。
ただ、社内計画比では売上高、営業利益とも上回って進捗した。売上高については、仕入連動による販売価格の上昇や工業用の販売量増加を主因として約10億円の上振れとなった。また、営業利益は家庭用の顧客件数並びに顧客当たり販売量が計画を下回ったほか、解約防止コストや仕入れコストが計画を上回ったが、人件費や各種経費が計画を下回ったことにより全体では数億円の上振れとなった。LPガスの顧客件数については前期末比で16千件の増加となったものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)でM&A交渉が遅れた影響等により計画比では0.8千件下回っている。
LPガス事業の売上高は前年同期比10.3%増の30,712百万円となり、顧客件数は前年同期末比で30千件増加の697千件となった。増収要因は販売価格の上昇と販売量の増加による。販売価格については家庭用が前年同期比1%の上昇にとどまったが、仕入価格に連動する業務用や工業用が同49%の上昇となり、全体では2〜3%の上昇となった。一方、販売量は前年同期の巣ごもり需要の反動減により、家庭用が前年同期比横ばい水準にとどまったが、業務用・工業用については同35%増となり、全体では同14%増となった。なお仕入価格上昇による家庭用LPガスの利益への影響については、既に2022年3月期分の仕入量相当分の予約を終えていたことからほとんどなかった。
都市ガス事業については、売上高で前年同期比2.6%減の5,440百万円、顧客件数で前年同期末比6千件増加の67千件となった。原料費調整制度による販売単価の低下等が減収要因となった。なお、顧客件数の増加分の大半は、持分法適用関連会社であるT&Tエナジー(株)における東海エリアでの契約件数増加※によるものとなっている(販売手数料のみ売上計上)。
※T&Tエナジーは、東京電力エナジーパートナー(株)との合弁(出資比率50%)で2019年10月に設立され、愛知県、岐阜県、三重県の東海3県で都市ガスの小売事業等を行っている。
(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前年同期比0.7%増の25,302百万円、営業利益は同18.1%増の2,405百万円と2期ぶりの増収増益に転じた。会計方針変更による売上高への影響額は0.2億円の増収要因となった。また、社内計画比で見ると売上高はコンシューマー向けで2億円下振れたものの、法人向けで2億円の上振れとなり、全体では計画どおりとなった。また、営業利益は法人向け、コンシューマー向けともに上振れており、全体で数億円の上振れとなっている。
コンシューマー事業の売上高は前年同期比6.9%減の12,240百万円と減収基調が続いたが、営業利益は顧客獲得コストの減少1.3億円やLIBMO(格安スマートフォン)の収益改善1.3億円等によりその他コストの増加(ワークスタイル改革の環境整備費用)を吸収して、同1.5億円の増益となった。顧客件数は前年同期末比17千件増加の779千件と増加に転じている。内訳を見ると、従来型ISP等で同7千件増加の386千件※、光コラボで同7千件増加の339千件、LIBMOで同3千件増加の54千件となっており、このうち光コラボについては大手携帯キャリアとの提携によるメニューの拡充を図ったことが増加につながっている。ただ光コラボ契約のなかで携帯キャリアとの連携案件が増えたこと等によりARPU(顧客当たり平均売上高)が低下し、減収要因となった。また、LIBMOについては料金プランの見直しを実施したことが収益改善につながっている。
※2021年3月期第4四半期より従来型ISP等にISP付加サービスの契約件数も加えたため増加しており、同要因を除けば2万件程度減少していると見られる。
法人向け事業の売上高は前年同期比9.0%増の13,061百万円、営業利益は同2.2億円の増益となった。Amazon Web Services(アマゾンウェブサービス。以下、AWS)の構築案件やシステム受託開発案件の受注が想定以上に増加した。また、データ通信サービスやクラウドサービス等のストック型ビジネスも順調に増加している。なお2021年4月末に、システム開発会社の(株)クエリの全株式をTOKAIコミュニケーションズが取得し子会社化している。クエリの持つ技術力を融合することで、顧客へのさらなる付加価値の提供や取引先の拡大を見込んでいる(クエリの2020年12月期業績は売上高355百万円、営業利益39百万円)。
(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前年同期比2.5%減の16,081百万円、営業利益は同12.3%増の2,957百万円となった。前述のとおり売上高は会計方針変更(セット販売している大手携帯キャリアの通信サービス料金分を売上高から除外等)による影響で10億円の減収要因となっており、実質ベースでは約4%の増収となっている。顧客件数が着実に増加していることが増収増益要因となっており、社内計画比でも営業利益は1億円強上回った。
顧客件数は放送サービスで前年同期末比13千件増加の881千件、通信サービスで同22千件増加の333千件となった。地域密着型の情報発信や番組制作に注力するとともに、大手動画配信事業者と提携するなど放送コンテンツの充実に取り組んだことや、光化投資の推進により高速通信サービスの提供エリアを拡大したことなどが顧客件数の拡大につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>