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リソー教育 Research Memo(7):2022年2月期業績を上方修正するも、なお上振れ余地あり

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2022年2月期の業績見通し
リソー教育<4714>は、2022年2月期連結業績見通しに関して、2021年10月7日付で2回目の上方修正を発表した。第2四半期累計業績の発表時点(同年10月4日)で見直しを行わなかったのは、生徒数の9月確定値を確認したかったためとしており、9月も引き続き好調を維持していることが確認できたことを受け、修正発表に踏み切った。売上高は前期比19.0%増の30,000百万円、営業利益は同197.8%増の3,010百万円、経常利益は同151.6%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同278.2%増の2,100百万円といずれも前回修正値を上回り、2期ぶりに過去最高業績を更新することになる。ただ、引き続き下期については保守的な計画を立てているものと思われ、市場環境が大きく変化しなければ修正計画をさらに上積みできる可能性はあると弊社では見ている。

営業利益の増減要因としては、アルバイト講師の時給アップや新校舎開設に伴う人員増による人件費増加が見込まれるものの、生徒数の増加や「TOMAS」「伸芽会」の価格改定効果による増益、並びに前期に計上した海外子会社の事業閉鎖関連費用3億円がなくなることや外注化に伴う固定費減(人件費・地代家賃等で約1億円)なども増益要因となる。また親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が経常利益よりも大きくなっているのは、2021年2月期に損失計上した子会社が黒字転換することによる実効税率の低下等の影響による。

事業セグメント別の業績見通しについて、主力の学習塾事業は売上高で前期比15%増、利益で大幅増益を見込んでいる。下期だけで見ると売上高は前年同期比7%増となる計算だが、価格改定効果が継続することを考えれば保守的な印象が強い。なお、下期は校舎の新設やリニューアルの予定はない。

家庭教師派遣教育事業は売上高で前期比11%増、利益も2ケタ増益を見込んでいる。下期の売上高は前年同期比8%増となる。「TOMAS」と比べて生徒数の回復がやや遅れていたが、2021年8月時点では15.3%増と回復基調が鮮明となっており、下期も生徒数の増加ペース次第では計画を上振れする可能性がある。なお、下期は同年11月に「TOMEIKAI長崎校」を拡大リニューアルしている。

幼児教育事業は売上高で前期比24%増、利益も大幅増益を見込んでいる。下期の売上高は前年同期比7%増となる計算だが、生徒数が2021年8月末時点で前年同期比13.0%増となっていることや、「伸芽会」の価格改定効果が継続することなどを考えれば、保守的な印象で上振れする可能性が高いと弊社では見ている。新規校舎については、同年9月に「伸芽’Sクラブ学童」を1校(大宮校)開校している。これにより、「伸芽会」は24教室、「伸芽’Sクラブ託児」は7校、「伸芽’Sクラブ学童」は17校の体制となる。

学校内個別指導事業は売上高で前期比50%増、営業利益は黒字転換する見通しとなっている。下期の売上高も導入契約校数や受講生徒数の増加に伴って前年同期比28%増と高成長が続く見通しとなっている。また、人格情操合宿教育事業については、コロナ禍の影響により海外留学や一部ツアー企画などの開催数がまだ全面的に戻っていない状況にある。このため、売上高は10億円強と前期比で回復するものの、2020年2月期の水準(1,669百万円)までは戻らないと見ている。ただ同事業に関しては利益を重視しているわけではないため、業績全体に与える影響も軽微となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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