ベネ・ワン Research Memo(4):3回目のコロナワクチンの接種動向次第で、11期連続増益達成への期待感高まる
[21/11/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2022年3月期の連結業績見通し
ベネフィット・ワン<2412>の2022年3月期通期の連結業績予想は、売上高で前期比1.4%減の37,310百万円、営業利益で同20.2%増の11,750百万円、経常利益で同20.0%増の11,830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.0%増の8,120百万円と期初予想を据え置き、増収増益としている。営業利益については、計画達成となれば11期連続増益となる。なお上記の数値は、2022年3月期から適用する「収益認識に関する会計基準」等に基づき売上高の計上方法を変更したもので、従来の方法により計上した場合、売上高は45,490百万円(同20.2%増)となっている。しかし、3回目のコロナワクチンの接種開始時期によっては、ヘルスケア事業(ワクチン接種支援事業)の収益が2022年3月期はさらに上積みとなりうる要素もあり、ブースター接種の動向によっては上方修正の可能性もあるものと弊社は予測している。
2. 「ベネワン・プラットフォーム」の普及推進
同社は、従来単品売りしていた各サービスをパッケージ化した「ベネワン・プラットフォーム」を2020年6月にリリースした。2021年9月時点の総会員数としては福利厚生会員が635万人、CRM会員が127万人、パーソナル会員が101万人の合計863万人となっている。2022年3月期末の総会員数予想は子会社化したJTBベネフィットの会員数を合わせ1,000万人を超える見通しとなっている。同プラットフォームにおいては様々な商材とのクロスセルが可能になったことを生かしていくほか、デジタルマーケティングへの積極的な投資を背景に会員拡大を目指していく予定である。同プラットフォームは、パソコンにたとえると基本ソフト(OS)にあたり、その上にアプリケーションに相当する各サービスが乗る。同社が取り扱っていない機能については、プラットフォーム上で他社サービスとも連携できるような柔軟な設計になっている。また、ミドルウェアとして各サービスの利用実績や従業員の健康、そのほか多様な人事関連のビッグデータも融合する。それらを組み合わせることで顧客企業の人事分野でのデジタル化を推進し、「HRDXのリーディングカンパニー」として業界標準としての地位確立を目指していく。
コロナ禍において「働き方改革・健康経営・デジタル化」という課題に向けた企業の取り組みが活発化するなか、ビッグデータの融合による利便性も重なり、同プラットフォームの普及はスムーズに進むと予想される。普及の先には、ヘルスケアやポイント、福利厚生といった課金アプリケーションの利用による収益計上が期待される。
3. 給与天引き決済サービスの普及推進
同社は2021年6月より給与天引き決済サービス「給トク払い」をリリースし普及を推進している。同サービスは給与天引きを条件に、生活固定費を中心としたサービスを最安値で提供可能にしたもので、同社としては決済代行の対価として得る決済手数料を新たな収益源としていく予定である。同サービスにおいて、初年度は年間利用総額400百万円(手数料収入6百万円)を見込んでいる。
今後はガス、携帯電話、賃貸といった生活インフラ関連の月額課金型サービス等、日常的に利用されるメニューも給与天引き対象とすべく順次開発していく。サプライヤーの多角化にも注力しているが、保険商品等は業法上やや時間を要すもようである。しかし、ユーザーファーストの観点から考慮すると、将来的には広範囲なサービスを最安値で提供するプラットフォームへと仕上げる計画であり、足元ではそれに向けた事業基盤が構築されつつある状況である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 塚本征也)
<EY>
1. 2022年3月期の連結業績見通し
ベネフィット・ワン<2412>の2022年3月期通期の連結業績予想は、売上高で前期比1.4%減の37,310百万円、営業利益で同20.2%増の11,750百万円、経常利益で同20.0%増の11,830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.0%増の8,120百万円と期初予想を据え置き、増収増益としている。営業利益については、計画達成となれば11期連続増益となる。なお上記の数値は、2022年3月期から適用する「収益認識に関する会計基準」等に基づき売上高の計上方法を変更したもので、従来の方法により計上した場合、売上高は45,490百万円(同20.2%増)となっている。しかし、3回目のコロナワクチンの接種開始時期によっては、ヘルスケア事業(ワクチン接種支援事業)の収益が2022年3月期はさらに上積みとなりうる要素もあり、ブースター接種の動向によっては上方修正の可能性もあるものと弊社は予測している。
2. 「ベネワン・プラットフォーム」の普及推進
同社は、従来単品売りしていた各サービスをパッケージ化した「ベネワン・プラットフォーム」を2020年6月にリリースした。2021年9月時点の総会員数としては福利厚生会員が635万人、CRM会員が127万人、パーソナル会員が101万人の合計863万人となっている。2022年3月期末の総会員数予想は子会社化したJTBベネフィットの会員数を合わせ1,000万人を超える見通しとなっている。同プラットフォームにおいては様々な商材とのクロスセルが可能になったことを生かしていくほか、デジタルマーケティングへの積極的な投資を背景に会員拡大を目指していく予定である。同プラットフォームは、パソコンにたとえると基本ソフト(OS)にあたり、その上にアプリケーションに相当する各サービスが乗る。同社が取り扱っていない機能については、プラットフォーム上で他社サービスとも連携できるような柔軟な設計になっている。また、ミドルウェアとして各サービスの利用実績や従業員の健康、そのほか多様な人事関連のビッグデータも融合する。それらを組み合わせることで顧客企業の人事分野でのデジタル化を推進し、「HRDXのリーディングカンパニー」として業界標準としての地位確立を目指していく。
コロナ禍において「働き方改革・健康経営・デジタル化」という課題に向けた企業の取り組みが活発化するなか、ビッグデータの融合による利便性も重なり、同プラットフォームの普及はスムーズに進むと予想される。普及の先には、ヘルスケアやポイント、福利厚生といった課金アプリケーションの利用による収益計上が期待される。
3. 給与天引き決済サービスの普及推進
同社は2021年6月より給与天引き決済サービス「給トク払い」をリリースし普及を推進している。同サービスは給与天引きを条件に、生活固定費を中心としたサービスを最安値で提供可能にしたもので、同社としては決済代行の対価として得る決済手数料を新たな収益源としていく予定である。同サービスにおいて、初年度は年間利用総額400百万円(手数料収入6百万円)を見込んでいる。
今後はガス、携帯電話、賃貸といった生活インフラ関連の月額課金型サービス等、日常的に利用されるメニューも給与天引き対象とすべく順次開発していく。サプライヤーの多角化にも注力しているが、保険商品等は業法上やや時間を要すもようである。しかし、ユーザーファーストの観点から考慮すると、将来的には広範囲なサービスを最安値で提供するプラットフォームへと仕上げる計画であり、足元ではそれに向けた事業基盤が構築されつつある状況である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 塚本征也)
<EY>