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Bエンジニア Research Memo(3):ITエンジニアに特化した2サービス4事業を展開

注目トピックス 日本株
■事業概要

Branding Engineer<7352>は主にエンジニアに関する3事業を行う「エンジニアプラットフォームサービス」とマーケティングに関する事業を行う「マーケティングプラットフォームサービス」の2つのサービス、4つの事業を展開している。

1. エンジニアプラットフォームサービス
(1) Midworks事業
Midworks事業はフリーランスエンジニアと企業のマッチングサービスであり、主としてフリーランスエンジニアを企業のDXニーズ全般にアサインしている。運営するサイト「Midworks」へのフリーランスのIT人材の登録は、2021年8月末時点で18,000人を超えており、ITエンジニアを中心とした人材リソースを提供している。企業のDXをサポートしながら、企業から多種多様な案件を獲得し、IT人材の新しい働き方を推進している。

Midworks事業のサービスは、クライアント企業側からすればITエンジニアに人材の確保等のメリットがあるが、登録ITエンジニアのメリットとしては、ITエンジニアがスキルを生かして収入を増やそうとする際の選択肢の1つとなることである。独立するに当たっての不安材料である収入の不安定性、スキル維持及びその向上、保障の非充実、そのほかの経費負担の発生などが要因となり、独立に踏み切れないITエンジニアも存在している。そのため同社では同事業においてITエンジニアが抱える独立に対する不安材料を、キャリアカウンセラーによるサポートや福利厚生の提供などにより可能な限り最小化し、ITエンジニアが安心して独立できる支援サービスの提供を実現させている。

なお「Midworks」は、ゼネラルリサーチによる「IT系フリーランス専門エージェントサービス」調査※において「エンジニアが選ぶIT系フリーランス専門エージェントサービス」「案件充実度の高いIT系フリーランス専門エージェントサービス」「価格満足度の高いIT系フリーランス専門エージェントサービス」で、それぞれ2年連続1位となっている。

※調査概要:IT系フリーランス専門エージェントサービス/調査期間:2019年8月26日〜28日、2020年10月12日〜14日/調査方法:インターネット調査/調査対象:2019年全国の20代〜50代の男女 1,075名、2020年全国の20代〜50代の男女 1,007名


(2) tech boost事業
2020年8月期より、従来「その他」セグメントであった同事業は「tech boost事業」セグメントとして表示されることとなり、また2020年8月期より法人向けのサービスを開始するなど事業の拡大を図っている。tech boost事業の内容としては、ITエンジニアを目指す人を対象に通学及びオンライン形式にてプログラミング教育を提供する学習サービス「tech boost」を展開している。基本的なWeb開発言語から、AIやIoT、ブロックチェーンといった最先端の革新技術まで、受講者の経験やニーズに応じた幅広い学習機会を提供している。

現在多くのプログラミングサービスが市場に存在しているなかで、同社の特長としては、メンターが学生やスクールの卒業生ではなく、現役エンジニア100%で構成され、そのなかでマンツーマンのコーチング制を採用している点にある。これによって、より実際の業務に近い力を身に付けることが可能になる。また、その後のインターンや就職・転職・独立などのキャリアに対するサポートが充実している点も強みであると考えられる。また、希望者に対しては履歴書や職務経歴書の添削などの転職対策も提供しており、Midworks事業やTechStars事業といった同社の別事業とも連携しながら学習内容を実務で生かすためのキャリア形成まで支援している。

(3) FCS事業
FCS事業は、自社にエンジニア部門を有していないために自社開発を行うことができない企業に対して、受託開発及びエンジニア部門立上げに関するコンサルティングを行っている。人員採用からその後のチーム組成まで、各企業のニーズに合わせたサービスが可能である。同事業の大きな特長としては、単なる受託開発ではなく、エンジニア部門の立上げまでコンサルティング可能な点にある。

エンジニア部門を有していないために開発を諦めていた企業が自社開発を行えるようになることから、対象顧客の増加にも寄与している。

(4) その他事業
その他事業に当たるTechStars事業は、ITエンジニアに特化した転職支援サービスでサイト「Tech Stars Agent」を運営している。同社の強みは同社独自の求職者データベース解析技術にある。データベースは人材紹介サービス事業者向けに提供されている有料の人材データベースに加え、Midworks事業・メディア事業・tech boost事業を通じて蓄積された膨大な人材データを同社で開発した自然言語処理等の技術を用いて解析したものである。同社ではこのデータを活用し、企業の採用基準に合致する候補者の効率的抽出を行っている。つまり同事業は、顧客企業にとっては、採用が決まって初めて報酬が発生する仕組みに加え予め採用基準に合致した求職者に対して求人案件を打診するダイレクト・リクルーティング方式であるため、採用基準と求職者のスキルとのミスマッチが起きにくい点、求職者にとってもスキルミスマッチでの離職を防ぐのと同時にスキルベースでの対等な交渉関係にある点において双方大きなメリットがある。

同事業はこれらの特長をもって高効果の求人案件提案を行うことができている点において強みがあるものと考えられる。

2. マーケティングプラットフォームサービス(メディア事業)
マーケティングプラットフォームサービスでは、メディア事業を展開している。同事業では、「ITエンジニアがキャリアに迷わない」をテーマに、ITエンジニア向けの有益な情報配信に特化したメディア「Mayonez」とビジネスパーソン向けの有益な情報配信に特化したメディア「Tap-biz」を中心に複数の情報配信メディアとマーケティングコンサルサービス「SAKAKU」を展開している。「Mayonez」や「Tap-biz」に関しては独自に蓄積された記事閲覧履歴やユーザーの登録した興味や関心カテゴリなどユーザーデータの活用及び複数の情報配信メディアを運営することによるアドネットワーク(複数の広告配信可能なメディアを束ねて広告を一括配信する仕組み)の活用を通じて、広告主に対して効果の高い広告配信を行い、広告収入を得ている。こうした複数の情報配信メディア運営を省力化するために独自でCMS(Content Management System)の開発を行うことで効率的な事業運営を行っている。

また、「SAKAKU」は他社にWebマーケティングコンサルを提供するBtoBサービスであり、先に述べたメディア運営ノウハウに加えて自社のWebマーケティングノウハウを生かし、他社にWebマーケティング全般のコンサルを提供している。具体的にはWeb広告コンサルやメディア運営コンサルなど、企業がWebマーケティングを行ううえで欠かせない要素について包括的なコンサルティングが可能となっている。

さらに同事業はメディアを訪れたITエンジニアやこれからITエンジニアを目指す人に対し、先述の「Midworks」や「tech boost」、また転職支援の「TechStars」(後述)に誘導することで、他サービスの収益獲得機会の発掘にも貢献している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 塚本征也)




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