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MRO Research Memo(3):2021年12月期は増収増益を予想。売上高・各利益ともに20%成長が射程

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

MonotaRO<3064>の2021年12月期通期の連結業績は期初予想を据え置き、売上高は前期比23.4%増の194,220百万円、営業利益は同25.9%増の24,678百万円、経常利益は同25.8%増の24,738百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同25.4%増の17,273百万円としている。

売上高・各利益ともに20%を超えて成長する予想である。この計画が達成されれば、20期連続の増収、12期連続の増益となる。売上高に関しては、前期の伸び率(前期比19.7%増)を超え、23.4%成長を見込む。2021年12月期の売上高計画に対する第3四半期進捗率は71.3%となっており、前年同期の73.0%よりもやや遅れた進捗となった。要因として、前述のとおり計画値が高めの設定となったためと考えられる。同社は公表済の連結業績予想に対して、当期の連結通期業績が売上高・各利益のうちいずれかが同社の基準(売上高は±5%、各利益は±10%)を超過する場合、修正開示を行うこととしている。第3四半期については売上高・各利益とも期初予想を下回ったが、通期で売上高・各利益とも±5%・±10%の範囲内で着地する見込みであることから、期初予想を据え置いた。

新規口座の獲得目標においても、コロナ禍により衛生商品を買い求める新規顧客が流入した前期の獲得数1,391千口座を上回る、1,421千口座を目標としている。第3四半期においては新規獲得963千口座、進捗率は67.8%とやや計画を下回るものの、顧客数は前期末で1.18倍になっており着実に拡大している。

既存顧客売上拡大に関しては、「見つける時間」 「購買手続の時間」「商品を待つ時間」の短縮をテーマに施策を推進している。また、従来は業種をベースに顧客をグルーピングし、検索結果やレコメンド商品を表示していたものを、パーソナライズ化する取り組みを行っており、既に一部は実現している。

購買管理システム事業に関しては、2021年12月期の売上高計画値を前期比37.7%増の34,680百万円とし、2020年12月期を上回る成長を見込む。第3四半期時点の進捗率は74.5%と、順調に推移している。海外ロイヤリティに関しては、欧米Zoro事業を含むGraingerのオンライン部門のマネジメントを同社の鈴木雅哉社長が兼任している。今後、売上高成長及び利益率改善が達成される見込みであり、ロイヤリティ受領額も前期を上回る予想だ。

年間の売上総利益率は、ロイヤリティの増加、注文単価の回復による配送料率の改善などにより28.6%(前期比0.2ポイント上昇)、販管費率は15.9%と前期と同水準を見込む。結果として、営業利益率は12.7%(前期比0.2ポイント上昇)、営業利益額は前期比25.9%増を予想する。2021年12月期の営業利益計画に対する第3四半期進捗率は71.1%(前年同期は73.3%)となっているが、第4四半期においては商品調達価格の上昇リスクなども懸念されている。また同社が海外展開している国の一部では、コロナ禍が再燃するリスクも存在する。こうしたプラス・マイナスの要因はそれぞれあるが、弊社では2021年12月期の売上高・各利益ともに前期比20%増は可能であると見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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