クオールHD Research Memo(8):CMR派遣の成長に加えて、医療系人材紹介派遣事業の領域拡大
[21/12/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■クオールホールディングス<3034>の中長期の成長戦略と進捗状況
3. 医療関連事業の成長戦略と進捗状況
医療関連事業の成長戦略として、「専門性の深化」と「グループシナジーの最大化」を掲げ、それぞれ売上規模の拡大とともに収益力を高めていく方針となっている。
(1) CSO事業
CSO事業におけるCMRの市場動向は前述したように、新薬の主軸がプライマリー薬からスペシャリティ薬にシフトしていることを背景に、製薬企業におけるMRの削減が今後も一段と進み、CMRに置き換わっていくものと予想されている。国内のMRのうちCMRの比率は2019年で5.8%にとどまるが、CMRの市場が先行して立ち上がった欧米市場では12〜17%がCMRに置き換わっている。特に、コロナ禍において製薬メーカーはマーケティング体制の最適化を推進している状況にあり、MRのアウトソーシング化の流れが加速し、日本でも早晩、CMRの比率が15%前後まで上昇する可能性がある。
こうした状況を背景に、同社はCMR人員を2021年3月期末の約570名から、中期的に1,000名まで拡大し、業界シェアを現在の約16%から20%まで引き上げていくことを目標としている。このため、専門性の追求と取引社数の更なる開拓に注力していく。同社のCSO事業の強みとして、MRを教育するためのスタッフが20名と業界トップクラスの陣容を誇り、基礎分野から高度な専門分野に至るまで幅広く充実した教育カリキュラムを構築していることが挙げられる。特に、最近はオンコロジー領域、炎症性腸疾患、中枢神経疾患領域等のニーズが高く、こうした専門分野のCMRを育成していくことで事業規模の更なる拡大を図っていく戦略だ。また、CRO事業についても同社が強みを持つ食品分野での受注獲得や、専門性の高い分野の強化を推進していく方針となっている。
(2) 医療系人材紹介派遣事業
医療系人材紹介派遣事業については、薬剤師、保健師、登録販売者等の医療従事者の派遣サービスの拡大に加えて、薬局の事業承継コンサルティングや法人向けの健康経営に関するコンサルティングなどサービスラインアップの拡充を図っており、M&A等も活用しながら成長を目指していく方針となっている。
(3) 医薬品製造販売事業
同社が医薬品製造販売事業に進出を決めた背景には、総合ヘルスケアカンパニー構想がある。国内トップクラスの調剤薬局チェーンである同社は、一方で、医薬品の営業担当者であるCMRの派遣(CSO事業)や、医薬品の研究開発をサポートするCRO事業等も行っている。医薬品製造販売事業に進出することで研究開発から製造、販売、調剤を経て患者に至る、ヘルスケア分野において切れ目のないサービスを提供することが可能となる。
グループシナジーとしては前述のとおり、グループの調剤薬局で藤永製品の取扱店舗数を広げていく。また、新たなGE医薬品の開発を計画しており、工場への設備投資やM&A等も進めながら事業規模を拡大し、次のステップとして大手製薬企業からの受託製造等にも展開していく方針であり、品質管理対策をしっかり実施したうえで、事業拡大を進めていく方針としている。2021年3月期の売上規模は20億円弱、営業利益率で10%程度だったが、中期目標としては新規事業も含めて売上高で300億円、営業利益85億円を目標にしており、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
3. 医療関連事業の成長戦略と進捗状況
医療関連事業の成長戦略として、「専門性の深化」と「グループシナジーの最大化」を掲げ、それぞれ売上規模の拡大とともに収益力を高めていく方針となっている。
(1) CSO事業
CSO事業におけるCMRの市場動向は前述したように、新薬の主軸がプライマリー薬からスペシャリティ薬にシフトしていることを背景に、製薬企業におけるMRの削減が今後も一段と進み、CMRに置き換わっていくものと予想されている。国内のMRのうちCMRの比率は2019年で5.8%にとどまるが、CMRの市場が先行して立ち上がった欧米市場では12〜17%がCMRに置き換わっている。特に、コロナ禍において製薬メーカーはマーケティング体制の最適化を推進している状況にあり、MRのアウトソーシング化の流れが加速し、日本でも早晩、CMRの比率が15%前後まで上昇する可能性がある。
こうした状況を背景に、同社はCMR人員を2021年3月期末の約570名から、中期的に1,000名まで拡大し、業界シェアを現在の約16%から20%まで引き上げていくことを目標としている。このため、専門性の追求と取引社数の更なる開拓に注力していく。同社のCSO事業の強みとして、MRを教育するためのスタッフが20名と業界トップクラスの陣容を誇り、基礎分野から高度な専門分野に至るまで幅広く充実した教育カリキュラムを構築していることが挙げられる。特に、最近はオンコロジー領域、炎症性腸疾患、中枢神経疾患領域等のニーズが高く、こうした専門分野のCMRを育成していくことで事業規模の更なる拡大を図っていく戦略だ。また、CRO事業についても同社が強みを持つ食品分野での受注獲得や、専門性の高い分野の強化を推進していく方針となっている。
(2) 医療系人材紹介派遣事業
医療系人材紹介派遣事業については、薬剤師、保健師、登録販売者等の医療従事者の派遣サービスの拡大に加えて、薬局の事業承継コンサルティングや法人向けの健康経営に関するコンサルティングなどサービスラインアップの拡充を図っており、M&A等も活用しながら成長を目指していく方針となっている。
(3) 医薬品製造販売事業
同社が医薬品製造販売事業に進出を決めた背景には、総合ヘルスケアカンパニー構想がある。国内トップクラスの調剤薬局チェーンである同社は、一方で、医薬品の営業担当者であるCMRの派遣(CSO事業)や、医薬品の研究開発をサポートするCRO事業等も行っている。医薬品製造販売事業に進出することで研究開発から製造、販売、調剤を経て患者に至る、ヘルスケア分野において切れ目のないサービスを提供することが可能となる。
グループシナジーとしては前述のとおり、グループの調剤薬局で藤永製品の取扱店舗数を広げていく。また、新たなGE医薬品の開発を計画しており、工場への設備投資やM&A等も進めながら事業規模を拡大し、次のステップとして大手製薬企業からの受託製造等にも展開していく方針であり、品質管理対策をしっかり実施したうえで、事業拡大を進めていく方針としている。2021年3月期の売上規模は20億円弱、営業利益率で10%程度だったが、中期目標としては新規事業も含めて売上高で300億円、営業利益85億円を目標にしており、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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