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NexusB Research Memo(1):海外Fintechは順調、国内エリアで新事業領域の開拓に向けた投資に着手

注目トピックス 日本株
■要約

Nexus Bank<4764>は、キャッシュレスサービスやデジタルバンキングなど、国内外の様々な金融取引に対しITを駆使したサービスを展開するFintech企業である。2020年11月にNexus Card(株)及びその子会社である韓国のJT親愛貯蓄銀行(株)を連結グループ化したことで、業績は大きく変貌している。

1. 2021年12月期第3四半期累計業績の概要
2021年12月期第3四半期累計の業績は、海外Fintechを中心に堅調に推移した結果、営業収益で16,274百万円(前年同期比15,896百万円増)、営業利益で3,454百万円(前年同期は199百万円の営業損失)といずれも過去最高を更新した。また、国内では新事業領域の開拓に向けた事業投資活動も本格的に開始している。具体的には、スタートアップ領域の第1号案件としてNexus Cardが2021年8月に、ウエルネス事業を展開するオイテル(株)と極度枠融資契約を締結した。また、エンタメ・コンテンツ領域では同社が同年9月に、韓国アイドルグループ「BLACK LEVEL」の日本専属マネジメント契約を締結している。業績への影響は軽微だが、ノウハウを蓄積して中長期的に成長事業として育成していく考えだ。

2. 2021年12月期の業績見通し
2021年12月期の連結業績は、営業収益で前期比416.2%増の20,000百万円、営業利益で同832.5%増の3,500百万円を見込んでいる。第3四半期までの進捗率は営業収益で81.4%、営業利益で98.7%と順調に推移しているが、為替変動リスクや新規事業の投資負担などを考慮し、2021年8月に上方修正した業績予想を据え置いた。為替前提レートは0.0907円/KRWと現状の0.095円/KRW(2021年11月30日現在)水準に対して5%程度の円高水準を前提としている。Fintech事業のうち海外エリアについては、中金利帯の個人向けを中心に貸付残高が順調に伸びていることから、第4四半期も堅調な収益が続く見通しだ。一方、国内エリアについては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で個別クレジットの取扱高が伸び悩むなか、営業網の拡大等により新規加盟店の獲得に注力していくほか、スタートアップ企業等の法人向け投融資に注力していく。また、デポジット(保証金)型クレジットカードについては引き続きプロモーション活動を推進して会員数を増やしていく方針だ。

3. 中期経営計画について
同社は2021年2月に策定した3ヶ年の中期経営計画「Nexus Growth Plan 2023」について、同年6月に実施した連結子会社(SAMURAI証券(株)及びSAMURAI ASSET FINANCE(株))の株式譲渡に伴い、クラウドファンディングサービスに関する将来の業績効果を除外した修正版を10月に発表した。この結果、2023年12月期の業績目標は、営業収益で240億円(当初計画250億円)、営業利益で50億円(変更なし)とした。海外Fintechによる安定成長を継続しつつ、国内Fintechではキャッシュレスサービス拡大のほか、Fintech及びエンタメ・コンテンツ領域への事業投資並びにグループシナジーによる成長を図っていく戦略だ。2023年12月期の営業収益の内訳は海外Fintechで230億円(2021年12月期見込み193億円)、国内Fintechで9.2億円(同6.9億円)とし、国内については安定成長に向けての事業基盤を再構築する期間と位置付けている。なお、2023年12月期の営業利益目標50億円という水準は、JT親愛貯蓄銀行の2020年12月期の営業利益に相当することから、実現性は高いと弊社では見ている。2021年より始動したスタートアップ企業向け投融資やエンタメ・コンテンツ関連等の新規事業領域をいかに収益化していくことができるか、その動向が注目される。

■Key Points
・2021年12月期第3四半期累計の営業収益は海外Fintechが堅調に推移し、大幅増収増益を達成
・第3四半期までの通期計画に対する進捗率は利益ベースで90%を越えており、2021年12月期業績計画は達成できる見通し
・海外Fintechの安定成長と国内キャッシュレスサービス・新規事業の育成により、2023年12月期に営業収益240億円、営業利益50億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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