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ダイコク電 Research Memo(8):2022年3月期は期初予想を据え置き、増収増益を見込む

注目トピックス 日本株
■業績見通し

1. 2022年3月期の業績予想
ダイコク電機<6430>の2022年3月期の業績予想については期初予想を据え置き、売上高を前期比11.4%増の26,000百万円、営業利益を同40.0%増の850百万円、経常利益を同1.3%増の1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同6.1%増の650百万円と増収増益を見込んでいる。

下期についても、遊技機全体の稼動はパチンコ機を中心に堅調に推移する想定である。特に2022年1月末に「旧規則」機の設置期限を控え、「新規則」機への段階的な入れ替えが遊技機市場の活性化に寄与する見通しであり、下期偏重の業績予想となっている。

なお、上期の各段階利益が計画を大幅に上回ったにもかかわらず予想を据え置いたのは、半導体不足による影響(部品調達リスク)を慎重に見ていることが理由である。

2. 主な活動方針
(1) 情報システム事業
引き続き、「遊タイム」機の情報をファンに分かりやすく伝える情報公開端末「REVOLA」やCRユニット「VEGASIA」など、主力製品を拡販するとともに、入れ替えが進む「新規則」機に対応し、シミュレーションや遊技機管理機能を強化したAIホールコンピュータ「Χ(カイ)」の拡販を図っていく。また、MGサービスについては、商圏分析サービス「Market-SIS」の普及を促進しつつ、次世代型の新サービスであるクラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」※の市場投入及び普及にも取り組む。

※簡易な操作性と快適なレスポンスで、いつでもどこでもチェーン店間でのデータ共有を可能とする。クラウドのデータサーバーにはビッグデータも搭載し、業界を俯瞰するデータを比較・分析することで根拠に基づいた戦略立案ができる。同社が新中期経営計画で掲げるプラットフォームとして展開していく方針である。


(2) 制御システム事業
パチスロ自社筐体の販売※等による事業領域の拡大を図るほか、業務効率の向上を通じて、ソフト開発受託案件の品質向上及び収益力の強化を目指していく。

※同社が保有する金型等の有効活用(OEM)などに狙いがある。


3. 弊社の見方
通期業績予想達成のためには、下期の売上高を13,953百万円以上確保する必要がある一方、営業損益では13百万円の損失計上でも到達できる。下期は、2023年3月期以降の成長(新中期経営計画の達成)に向けた研究開発費や設備投資を増やす方針ではあるが、利益面のハードルは明らかに低く、上振れの可能性が高いと見るのが合理的と言えよう。ただ、同社がリスク要因として挙げている半導体不足については事業推進上の重大なボトルネックとなる懸念もあり、決して楽観視することはできない。もっとも、仮にそれが業績の足を引っ張る要因になったとしても、あくまでも供給面における一過性要因であり、同社の成長性を左右する需要面の落ち込みや競争力の低下を示すものではないことに注意が必要である。「新規則」機への入れ替えに伴う主力製品の伸びはもちろん、完全移行後のパチンコホールにおける本格的な設備投資の動きに注目していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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