TOKAI Research Memo(5):2025年3月期まで年率5%の収益成長を目指す
[22/02/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■TOKAIホールディングス<3167>の今後の見通し
2. 中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」の進捗について
(1) 経営ビジョンと経営数値目標
2022年3月期からスタートした4年間の中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」では、同社グループが10年後に目指す姿を“Life Design Group”とした。「お客様の過ごしたいライフスタイルをデザイン・提案することを通じて、社会課題の解決に貢献していく企業」を目指し、この姿勢を持って同社が掲げる経営ビジョン「TLC(トータルライフコンシェルジュ)」のさらなる充実に取り組んでいく。今回の中期経営計画は、“Life Design Group”の実現に向けた経営基盤を構築する期間と位置付けている。
経営数値目標は2025年3月期に売上高2,450億円、営業利益186億円、親会社に帰属する当期純利益110億円を掲げた。4年間の年平均成長率は5%台と堅実な成長を計画している。前半の2年間で先行投資を積極的に行うため、利益成長は後半に加速していく計画となっている。
(2) 重点戦略
a) LNG戦略の推進
既存エリアでのシェア拡大や新規エリアへの展開によって、主力のエネルギー事業、CATV事業、アクア事業を中心に収益基盤となる継続取引顧客件数を積み上げていく。また、法人向け情報通信事業では、AWSの導入支援からインフラサービスの提供に至るまでワンストップで提供できる強みを生かして、クラウドサービス関連事業の拡大に取り組んでいく。建築設備不動産事業ではM&A戦略によって総合建設事業者としての基盤を固めており、グループシナジーを生かしながら東海エリアを中心に事業規模を拡大していく戦略だ。
b) TLCの進化
顧客の潜在ニーズを察知し、新しいライフスタイルをデザイン・提案するためのデジタルマーケティングを推進していく。約314万件の顧客データを一元管理するデータ分析プラットフォーム「D-sapiens」を活用することで顧客に最適なサービスを提案し、高付加価値化、顧客体験の向上に取り組んでいく。現在、TLC会員アプリ等を通じて様々なマーケティング施策を実施しており、今後こうした取り組みの成果が出てくるものと期待される。
c) DX戦略の本格化
DX戦略では、約314万件の顧客データや「ABCIR+S」を最大限に活用することで、「業務効率化」「サービスの高付加価値化」に取り組んでいる。また、ベンチャー企業との協業による「新たなビジネスの創造」にも挑戦すべく、2021年4月に(株)TOKAIベンチャーキャピタル&インキュベーションを設立しており、ベンチャー企業への投資活動を実施している。
d) 経営資源の最適配分
中期経営計画では、今後4年間で合計950億円の営業キャッシュ・フロー(経営資源)の創出を見込んでいる。これらの最適配分として事業基盤拡大のため成長投資に650億円を投下し、残り300億円については株主還元や株主価値の向上に充当していく方針としている。
e) SDGsに向けた取り組み
SDGsに向けた取り組みとして、2021年5月に「TOKAIグループ カーボンニュートラル ビジョン」を公表している。同社グループでは2050年にカーボンニュートラルの達成を目指しており、その前段階として2030年までのCO2削減施策を打ち出している。具体的には、LPガスの自動検針導入及び配送ルート最適化等によるCO2削減のほか、高効率ガス機器や太陽光発電システムの住宅への普及促進等によって、住宅におけるCO2削減に貢献していく。2021年8月には都市ガス事業において、J-クレジット制度※を活用し、CO2排出量をオフセットして実質的にCO2排出量をゼロとする「カーボンニュートラルガス」の販売を開始したほか、2022年1月からはアストモスエネルギー(株)からカーボンニュートラルLPGを購入するなど、LPガス事業においてもカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを開始している。
※省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出量削減や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量をクレジットとして国が認証する制度。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
2. 中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」の進捗について
(1) 経営ビジョンと経営数値目標
2022年3月期からスタートした4年間の中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」では、同社グループが10年後に目指す姿を“Life Design Group”とした。「お客様の過ごしたいライフスタイルをデザイン・提案することを通じて、社会課題の解決に貢献していく企業」を目指し、この姿勢を持って同社が掲げる経営ビジョン「TLC(トータルライフコンシェルジュ)」のさらなる充実に取り組んでいく。今回の中期経営計画は、“Life Design Group”の実現に向けた経営基盤を構築する期間と位置付けている。
経営数値目標は2025年3月期に売上高2,450億円、営業利益186億円、親会社に帰属する当期純利益110億円を掲げた。4年間の年平均成長率は5%台と堅実な成長を計画している。前半の2年間で先行投資を積極的に行うため、利益成長は後半に加速していく計画となっている。
(2) 重点戦略
a) LNG戦略の推進
既存エリアでのシェア拡大や新規エリアへの展開によって、主力のエネルギー事業、CATV事業、アクア事業を中心に収益基盤となる継続取引顧客件数を積み上げていく。また、法人向け情報通信事業では、AWSの導入支援からインフラサービスの提供に至るまでワンストップで提供できる強みを生かして、クラウドサービス関連事業の拡大に取り組んでいく。建築設備不動産事業ではM&A戦略によって総合建設事業者としての基盤を固めており、グループシナジーを生かしながら東海エリアを中心に事業規模を拡大していく戦略だ。
b) TLCの進化
顧客の潜在ニーズを察知し、新しいライフスタイルをデザイン・提案するためのデジタルマーケティングを推進していく。約314万件の顧客データを一元管理するデータ分析プラットフォーム「D-sapiens」を活用することで顧客に最適なサービスを提案し、高付加価値化、顧客体験の向上に取り組んでいく。現在、TLC会員アプリ等を通じて様々なマーケティング施策を実施しており、今後こうした取り組みの成果が出てくるものと期待される。
c) DX戦略の本格化
DX戦略では、約314万件の顧客データや「ABCIR+S」を最大限に活用することで、「業務効率化」「サービスの高付加価値化」に取り組んでいる。また、ベンチャー企業との協業による「新たなビジネスの創造」にも挑戦すべく、2021年4月に(株)TOKAIベンチャーキャピタル&インキュベーションを設立しており、ベンチャー企業への投資活動を実施している。
d) 経営資源の最適配分
中期経営計画では、今後4年間で合計950億円の営業キャッシュ・フロー(経営資源)の創出を見込んでいる。これらの最適配分として事業基盤拡大のため成長投資に650億円を投下し、残り300億円については株主還元や株主価値の向上に充当していく方針としている。
e) SDGsに向けた取り組み
SDGsに向けた取り組みとして、2021年5月に「TOKAIグループ カーボンニュートラル ビジョン」を公表している。同社グループでは2050年にカーボンニュートラルの達成を目指しており、その前段階として2030年までのCO2削減施策を打ち出している。具体的には、LPガスの自動検針導入及び配送ルート最適化等によるCO2削減のほか、高効率ガス機器や太陽光発電システムの住宅への普及促進等によって、住宅におけるCO2削減に貢献していく。2021年8月には都市ガス事業において、J-クレジット制度※を活用し、CO2排出量をオフセットして実質的にCO2排出量をゼロとする「カーボンニュートラルガス」の販売を開始したほか、2022年1月からはアストモスエネルギー(株)からカーボンニュートラルLPGを購入するなど、LPガス事業においてもカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを開始している。
※省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出量削減や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量をクレジットとして国が認証する制度。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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