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ブリッジ Research Memo(7):インサイドセールスは需要の拡大が継続

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2021年12月期業績概要
ブリッジインターナショナル<7039>の2021年12月期業績は売上高5,593百万円(前期比53.4%増)、営業利益644百万円(同47.1%増)、経常利益649百万円(同47.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益493百万円(同68.3%増)だった。インサイドセールス事業では、コロナ禍で非対面の営業モデルとして需要の拡大は継続しており、アウトソーシングを活用してのインサイドセールスの導入、及びその活動領域の拡大も相まって需要は引き続き高い状況である。また、研修事業については企業内での集合研修や対面教育の制限があることから、その代替手段としてオンライン研修の需要が引き続き拡大。第2四半期から連結の研修事業(アイ・ラーニング)のDX推進研修プログラムの好調から成長が拡大した。オンライン研修需要の拡大にあわせ、提供形態を集合型研修からオンライン研修へ大きくシフトしたことによりコスト削減が進んだ。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は順調な業績に加えて、アイ・ラーニング社の繰越欠損金に税効果会計を適用したことにより、一時的に大きく増加している。

コロナ禍の影響により2020年度からテレワーク導入企業が急速に増え、同時に法人営業の活動も訪問中心から、電話やメール、オンラインツールを活用したインサイドセールスに移行することを検討したり、実際に導入する企業も増加。さらに今まで導入スピードが遅れ気味だった、営業のDXへの取り組みも、本格的に進行し始めている。また、企業は競争力向上のために社内人材の育成を強化しており、その研修形態も集合型研修からオンライン研修へシフトしており、研修市場の拡大が見込まれている。

2. サービス別業績
インサイドセールス事業では、「リソースの提供」「しくみの提供」「道具の提供」の3つのサービスを提供している。ストックビジネスの特性から、「アウトソーシングサービス」が、インサイドセールス事業の売上高の88.9%を占めている。ただし、新セグメントとなる研修事業が第2四半期以降の売上に大きく寄与したことにより、全体の売上高に対する比率は65.0%に低下した。インサイドセールス事業全体では、売上高4,089百万円(前期比12.1%増)となった。

(1) インサイドセールス事業「アウトソーシングサービス」
インサイドセールスにおける「リソースの提供」による年間契約により月額手数料を貰うストックビジネス。インサイドセールス需要の堅調な拡大が続いており、特に既存顧客からの受注が拡大。顧客体験※に対応した営業活動のDX需要も続いているほか、営業成績を起点とする営業力の強化を目指す取り組みへの関心も引き続き高まっている。同サービスの売上高は3,634百万円(前期比11.5%増)と成長し、売上構成比は65.0%(インサイドセールス事業セグメントにおける構成比は88.9%)となっている。

※カスタマーエクスペリエンス:CX


(2) インサイドセールス事業「コンサルティングサービス」
アセスメントや研修の提供のほか、営業戦略立案、インサイドセールス導入・設計、MA導入のコンサルティングといった、「しくみの提供」であり、コンサルティング手数料が収益源となる。コンサルティング事業の強化を目的としてコンサルティング事業部を100%子会社として切り出し、2020年4月1日付けで新会社「ClieXito」を設立し、顧客体験に基づいてDXを支援するコンサルティング事業を展開する。DXコンサルティングの受注が大きく伸び、同サービスの売上高は117百万円(同4.7%増)となった。なお、売上構成比は2.1%(インサイドセールス事業セグメントにおける構成比は2.9%)となる。

(3) インサイドセールス事業「システムソリューションサービス」
SFA・CRM・MAの実装支援のほか、AI(AIサービス「SAIN」の「コールナビ」機能提供開始による本格販売開始)等のクラウドサービスといった「道具の提供」となり、開発売上とサブスクリプション売上からなる。AIを活用した営業活動支援ツール「SAIN」の自社クラウドツール提供サービスの売上高が前期の33百万円から54百万円(前期比62.1%増)と伸び、システムソリューションサービス全体の売上高は、337百万円(同22.3%増)となった。なお、売上構成比は6.0%(インサイドセールス事業セグメントにおける構成比は8.2%)であった。

(4) 研修事業
同事業は2021年3月末、アイ・ラーニングの全株式取得により、2021年12月期第2四半期より連結開始。売上高は1,504百万円、売上構成比は26.9%だった。コロナ禍において、企業内での集合研修や対面教育の制限があることから、その代替手段としてオンライン研修が有効であり、需要が一気に拡大。この需要に対応するため、アイ・ラーニングにおいて、前期より教室での集合型研修をオンライン研修提供へ全面的に切り替え、2021年4月に「iLスクエア」を開設。また、オンライン配信施設として、受講者が自宅やオフィス以外の受講スペースとして利用できる施設を併設した。なお、新人研修の関係で4-6月期に売上が集中することから、上期偏重のビジネスとなるものの、DX需要の高まりとともに、注力カテゴリーであるAI、クラウド、データサイエンスなどの分野の知識力・デザイン思考力を高め、社内のDX推進リーダーを担う人財を育成するための研修プログラムであるDX推進研修の構成比が大きく上昇してきている。徐々に季節性要因が緩和されていくとも見られ、今後の動向にも注目したい。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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